200周のレースを制したのは予選2位からスタートしたスコット・ディクソンで、137周目に3回目のピットを済ませた後、コーションが多発したことでコールまで走りきることに成功。168周目以降はトップを譲ることなく、最後は2位に2.7587秒の大差をつけての優勝です。
終盤にディクソンの後ろで激しい2位争いを展開し、最終ラップでトニー・カナーンを交わして2位フィニッシュしたのはダニカ・パトリック。レース序盤は12番手を走行していたダニカ、前戦のインディ・ジャパンに引き続き、今回もみごとな追い上げを披露してくれました。
最後にチームメートのダニカにパスを許してしまったカナーンは、3位フィニッシュです。予選8位からあっという間にトップ・グループまで上り詰めたカナーン。146周目にダニカと一緒に燃料補給をして終盤に突入するも、最後はスピードがいま一歩伸びませんでした。
みごとチャンピオンに輝いたのは、8位でゴールしたダリオ・フランキッティです。レース前は12ポイントあった差がポール・ポジションで1点、200周中118周目に最多リードラップを決めて2点を追加し、レース中に9点差まで急接近。まさにベテランらしい追い上げでした。
フランキッティがプレッシャーをかけ続けたせいか、パワーは135周目にターン4の壁に接触。今季初めてのリタイアを、一番重要なレースで喫してしまうことになりました。フランキッティより2勝多い5勝をマークしながら、最後に5点差でタイトルを逃したのです。
予選9位スタートの佐藤琢磨は、前日の最終プラクティスが悪かったことから、大幅にセッティングを変更して決勝へ。しかし期待と裏腹にスタートで大幅に順位を下げることになり、ピットの度にマシンを調整しながら、終盤には接触も喫して18位でゴールしました。
予選26位という不本意な位置からのスタートとなった武藤英紀は、41周目に21位番手までアップ。途中で戦略を変えて101周目にピットインする作戦に出たものの、コーションが多発したことで裏目にでてしまい、最後までアドバンテージを確保できずに20位でした。
●記録で見る今回の決勝
ダリオ・フランキッティが07、09年に続くインディカー・シリーズ3度目のタイトルを獲得。3回タイトルを獲得したドライバーはサム・ホーニッシュJr.(01-02、06年)に続く2人目で、2年連続でタイトルを獲得したのもホーニッシュJr.以来となる2人目です。
フランキッティは08年のNASCAR参戦の年を除くと、3連続でタイトルを獲得したことになります。チップ・ガナッシ・レーシングはインディカー・シリーズで4回目のタイトルで、03年と08年はディクソン、09-10年はフランキッティがチャンピオンに。
今日のレース前まではガナッシとアンドレッティ・グリーン・レーシングがともに3回ずつのタイトルで並んでいました。ガナッシにとっては3年連続のタイトル獲得で、インディカー・シリーズで同じチームが3年連続でチャンピオンになったのは初めてのこと。
過去6年間、その年のインディ500覇者がシリーズ・タイトルを獲得したのは5回で、05年ウェルドン、06年ホーニッシュJr.、07年フランキッティ、08年ディクソン、10年フランキッティ。09年のウィナーのカストロネベスはチャンピオンになれませんでした。
フランキッティはウィル・パワーとわずか5ポイント差でタイトルを獲得。IRL初年度の96年にスコット・シャープとバズ・カルキンスが同得点、06年にウェルドンとホーニッシュJrが同得点(勝利数でホーニッシュJr.)となって以来、史上2番目の僅差です。
フランキッティはロード・コースで307点、オーバルでは295点を獲得。パワーはロードで412点、オーバルでは185点を獲得しました。アレックス・ロイドがルーキー・オブ・ザ・イヤーとなり、デイル・コイン・レーシングがルーキー賞を獲得するのは初めてのこと。
スコット・ディクソンはカンザスとエドモントンに続く今シーズン3勝目、インディカー・シリーズ24勝目でシリーズの最多優勝記録を更新。ガナッシは今季6勝、3台体制で戦ったペンスキーは9勝、アンドレッティ・オートスポーツは2勝しました。
ダニカ・パトリックはテキサス以来となる今季自己ベストの2位を獲得。ブラジルの市街地レースで3位となったビトー・メイラが、今季オーバルの最上位となる6位。ホームステッドでの18回のリード・チェンジは新記録となります(過去最高は04年の15回)。
ロジャー安川レポートは月曜日にアップしますので、お楽しみに!
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