<Honda>
2010年6月19日(土)
予選
会場:アイオワ・スピードウェイ
天候:晴れ
気温:29℃
2010年 IZODインディカー・シリーズ第8戦が全長0.894マイルとシリーズ中で最も短いショートオーバル、アイオワ・スピードウェイで始まった。アイオワでの予選は2年連続で降雨のために開催されていなかったが、今年は晴天の下で25台がアタックを披露。その中からウィル・パワー(Team Penske)がオーバルでは自身初となるポールポジションを平均時速181.337マイルで獲得した。パワーのポール獲得は今シーズン早くも4回目、通算6回目である。
予選2番手はスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)。パワーとの4周の合計タイムは、わずかに0.002秒だった。予選3番手の座はマルコ・アンドレッティ(Andretti Autosport)が手に入れ、エリオ・カストロネベス(Team Penske)は予選4番手、ダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)は予選5番手と、アンドレッティがTeam PenskeとChip Ganassi Racingによる上位グリッド独占を阻んだ。予選6番手はインディ500の予選でも活躍したアレックス・タグリアーニ(FAZZT Race Team)のものとなった。
佐藤琢磨(KV Racing Technology)は、オーバルでのキャリアベストとなる予選7番手を得た。プラクティスから着々とスピードアップを果たした佐藤は、予選では全4ラップでプラクティスでの自己ベストを上回り、オーバル参戦4戦目にして予選トップ10入りを実現。決勝レースに向けた準備も、佐藤はこれまでに経験したオーバルでの3レース以上に整っている様子だ。
その一方で武藤英紀(Newman/Haas Racing)は、かつてない苦戦を強いられている。2年連続で表彰台に上っているアイオワだが、先週行ったテストでハンドリングの不調に悩まされ、クラッシュを喫した。チームはマシンを修復し、新たなセッティングを施して今週末に臨んだが、プラクティスでの走り始めからグリップが感じられない状況に変わりはなく、予選結果は24番手となった。決勝に向けて劇的な改善が実現するとは考えにくいため、武藤は慎重かつ粘り強く戦ってゴールまでマシンを運び、少しでも多くのポイントを獲得することを目指す。
コメント
ウィル・パワー(ポールポジション)
「オーバルで初めてのポールポジションを獲得できて大変うれしい。この2戦ほどオーバルでもよいパフォーマンスを見せていたが、小さなトラブルや不運もあってポールポジションに手が届かなかった。しかし、私はポールポジションよりもオーバルでの初勝利が早く欲しい。明日の決勝レースは私にとって大きなチャンスとなるだろう。ポールポジションからのスタートは非常に大きなアドバンテージではあるが、20周もすればトラフィックが出現し、その後はゴールまでトラフィックを走り続けるレースになる。ショート・オーバルで重要なのはトラブルに遭わないこと。明日は十分に注意を払いながらゴールを目指したい」
スコット・ディクソン(2番手)
「とても小さな差でポールポジションを逃したのは残念だが、決勝用セッティングに重点を置いていたことを考えれば、予選2番手は悪い結果ではないと思う。明日の決勝レースではもちろん優勝を狙っていくが、誰にとっても難しい戦いになるだろう。雨でレースが短縮される可能性もあるため、作戦面も大きなポイントとなる。そうでなくとも、風の向きや強さでハンドリングが影響を受けるし、スタートまでに雨が降った場合には路面のコンディションが今日と違ってくる。アイオワのコースではタイヤをセーブする走りが重要でもあるし、接近戦で他車に接触されないようにも注意して走らなければならない」
マルコ・アンドレッティ(3番手)
「ポールポジションが獲得できていたら最高にうれしかったが、予選3番手でも私は満足している。プラクティスまでの我々のパフォーマンスから、実はポール獲得も夢ではないと考えていたが、ほんの少しセッティングが外れていて、予選で私のマシンにはアンダーステアが出ていた。そうした苦しい走りでも3番手になれたのだから、私は今回の予選結果を喜ぶべきだと思う。明日の決勝レースはかなり有利な位置からスタートできるので、優勝を飾る可能性も十分にある」
佐藤琢磨(7番手)
「今日の予選ではタイヤが100%のパフォーマンスを発揮するまでの間、思い通りのラインを取れませんでしたが、プラクティスより時速1〜2マイル速く走れました。今回も自己ベストを予選で出すことができました。チームがいい仕事をしてくれたおかげです。私の予選アタックが終わった後、思っていたよりも順位が落ちず予選結果は7番手に決まリました。今日は2回のプラクティスで用意していたプログラムを順調にこなせたのが、予選での好結果につながったと思います。決勝レースは4列目からのスタートです。序盤からハイペースを維持して戦っていきたいですね」
武藤英紀(24番手)
「先週、テストでアイオワ・スピードウェイに来た時もグリップ不足に悩まされ、その結果としてアクシデントを起こしてしまいました。今週もその症状に変わりがなく、プラクティスではかなり色々なセッティングを試しましたが、状況は改善されていません。過去2年間、アイオワ・スピードウェイではいい走りができており、速く走れるマシンとはどういうものなのか、私には分かっています。そのイメージに一気に近づけようと、セッティングを大胆に変え過ぎたのかもしれません。こういう苦しい時こそ、粘り強くがんばらなければならなりません。今の苦しい状態を乗り切ることができれば、マシンはきっとよい方向へと進んでいくと考えられるからです」
ロジャー・グリフィス|HPD レース・チーム・マネジャー
「パワーがオーバルでの初めてのポールポジションを獲得した。数年前にオーバルの難しさに驚き、苦しんでいたとは感じさせない見事な走りだった。フロントローは強豪2チームが独占したが、3番手グリッドから後方は多くのチームによる混戦になっている。Andretti Autosportのドライバー4名は仕上がりがいい様子だし、佐藤琢磨はまだオーバル4戦目だというのに予選7番手を得た。多くのドライバーたちが良好な仕上がりを見せている今回のレースは、非常にエキサイティングなものになると期待している」
予選リザルト
順位 No. ドライバー チーム C/E/T タイム/差
1 12 ウィル・パワー Team Penske D/H/F 01:10.9925
2 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing D/H/F 01:10.9945
3 26 マルコ・アンドレッティ Andretti Autosport D/H/F 01:11.1230
4 3 エリオ・カストロネベス Team Penske D/H/F 01:11.1706
5 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing D/H/F 01:11.1805
6 77 アレックス・タグリアーニ FAZZT Race Team D/H/F 01:11.1835
7 5 佐藤琢磨 KV Racing Technology D/H/F 01:11.2541
8 6 ライアン・ブリスコー Team Penske D/H/F 01:11.2541
9 7 ダニカ・パトリック Andretti Autosport D/H/F 01:11.4863
10 4 ダン・ウェルドン Panther Racing D/H/F 01:11.5591
11 22 ジャスティン・ウィルソン Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 01:11.5696
12 37 ライアン・ハンターレイ Andretti Autosport D/H/F 01:11.6531
13 14 ヴィットール・メイラ A.J. Foyt Enterprises D/H/F 01:11.6733
14 19 アレックス・ロイド Dale Coyne Racing D/H/F 01:11.7727
15 11 トニー・カナーン Andretti Autosport D/H/F 01:11.8758
16 32 マリオ・モラレス KV Racing Technology D/H/F 01:11.9300
17 24 グラハム・レイホール Rahal Letterman Racing D/H/F 01:12.1972
18 67 サラ・フィッシャー Sarah Fisher Racing D/H/F 01:12.2485
19 8 E.J.ヴィソ KV Racing Technology D/H/F 01:12.2867
20 78 シモーナ・デ・シルベストロ HVM Racing D/H/F 01:12.3565
21 2 ラファエル・マトス de Ferran Dragon Racing D/H/F 01:12.3878
22 36 ベルトラン・バゲット Conquest Racing D/H/F 01:12.6403
23 34 マリオ・ロマンチーニ Conquest Racing D/H/F 01:12.9647
24 06 武藤英紀 Newman/Haas Racing D/H/F 01:14.2129
25 18 ミルカ・デュノー Dale Coyne Racing D/H/F DNQ