第3戦のPick the Winnerで、みごと当てたみなさん、お待たせしました!!!
こちらが、今回プレゼントするベスト・ショットです。
●撮影したフォトグラファーより
バーバー・モータースポーツパークで初開催されたインディカー・レースは、週末を通して晴天に恵まれました。2月末に行われた極寒のテスト時とは打って変わって気温も暖かく、絶好の撮影日和が続きましたね。
このコースは今回インディカーのレースが開催されることになったため、コースサイドの一部にフェンスが新設されました。昨年のテスト時にはほとんどガードレールだけだったので、ある意味コースサイドのどこからでも撮影が可能。背景や構図、そして光の角度を考えて、マシンがカッコよく撮影できるベストなポジションに、自由に移動することができたんです。
それがなんと、今年のオープン・テスト時からコース・サイドのガード・レールにフェンスが設置され、撮影できる場所が決められたフォト・ホール(撮影用に開けられた穴)・オンリーになってしまいました。普通、これはどのコースでもそうなので、ここもいつかはそうなるだろうなと思っていたんですが、昨年のテスト時に僕がいいなぁと思っていた場所にはフォト・ホールが無く、撮影できなくなってしまったのが残念!
それでもいろいろと創意工夫して決められたフォト・ホールから撮影しているのですが、今回は思いもよらないシーンを切り取ることができました。
この写真の撮影場所はターン8から9にかけて、下りながら曲がっていくシケインのところです。このコーナーは有名なラグナセカの名物コーナー、“コークスクリュー”を少し緩やかにしたシケインといった感じでしょうか。
ターン8を過ぎ、そこからちょっとブラインドになったシケインを下ってターン9にはいるところで、その下り坂となるコーナーに果敢に飛び込んでいく前の緊張した瞬間を、高速のシャッタースピードで狙いました。
すると、撮影後に写真を見て初めて気づいたのですが、マフラーから出る排気の熱が空気を歪ませ、しかも光の屈折でキラキラと反射している部分があったんです。
この日は快晴だったので、よほど注意しなければこのシーンには気づかないと思います。ほんとうは、「もちろん、こうなるのは最初から解かって撮影したんだよ」って、言いたいところですけど、レース中はあまり余裕もないんですよね。
様々な偶然が重なり、これまで見たことのないような絵を撮影することができました。“偶然の神様”に感謝です。(齊藤広之)
●撮影データ
機種: Canon EOS-1D Mark ?
レンズ: Canon EF 500mm f/4.0 IS USM
撮影モード: シャッター速度優先
シャッタースピード: 1/500
絞り値: F4.5
測光方式: 評価測光
ISO感度: 50
焦点距離: 500.0mm
オートフォーカスモード: AIサーボAF
ホワイトバランス: オート
●撮影したフォトグラファーより
昨年の3月に行われた最初のオープン・テストの時、初めてのこのコースで撮影ポイントを探しながらたどり着いたのが、最終コーナーの手前、ターン16の立ち上がりでした。夕方まで行われていたテストがあと1時間くらいで終了する頃だったと思います。このコーナーの内側には桜などの木々が並び、だいぶ傾いた西日によってコース上には長い陰影が映し出されていました。
その中を駆け抜けるマシンがすごくきれいだったのを思い出し、今年も行ってみたところ、幸いフェンスには3箇所ほどフォト・ホールが! 前回のテストと同じようなアングルからマシンを撮影することができたのです。
今年はピット入り口の奥にある芝生のグリーンが鮮やかだったので、バックに入れつつ木々の陰とタイヤのブラック・マークを含めた全体のコントラストを表現したいと思い、少し広い絵で奥行きが分かるように撮影しました。
この次の最終ターンを過ぎると、スタート・アンド・フィニッシュ・ラインが待っています。みごと最終予選まで残り、ロード・コースでその速さを披露して存在感をアピールした佐藤琢磨でしたが、残念ながら不運に見舞われ、今回もトップと同一周回でフィニッシュ・ラインを通過することはできませんでした。
レースに復活した後の走りはトップ・グループと遜色ない速さだっただけに、本人が一番辛かったのではないかと思います。
次回のロード・コースは7月初旬のワトキンス・グレンまでお預けですが、今度こそパーフェクトな走りを期待したいですね。(齊藤広之)
●撮影データ
機種: Canon EOS-1D Mark ?
レンズ: Canon EF 500mm f/4.0 IS USM
撮影モード: マニュアル露出
シャッタースピード: 1/500
絞り値: F7.1
測光方式: 評価測光
ISO感度: 100
焦点距離: 500.0mm
オートフォーカスモード: AIサーボAF
ホワイトバランス: オート