<US-RACING>
インディ500からわずか1週間、インディカー・シリーズ第5戦ミルウォーキー・マイルのレース・ウィークエンドに突入しました。予選日の今日は、08年ミルウォーキー・ウィナーのライアン・ブリスコーがみごとポールを獲得。マルコ・アンドレッティが昨年記録したコース・レコードを塗り替えました。「このコースを得意としているグラハム・レイホールよりも速かったので、きっと上位のほうだろうと思った。マシンは良かったよ。チームメイトのエリオやガナッシの2人のスピードは気になっていたけど、幸いこのスピードでトップを守ることができた」と2年連続絶好調のブリスコー。去年は11位スタートから優勝を飾ったのですが、果たしてこの体力的にタフなショート・オーバルを再び制することができるでしょうか?
グラハム・レイホールもマルコ・アンドレッティの去年のコース・レコードを上回り、絶好調の走りを披露していましたが、あとわずかブリスコーに届かず、惜しくも昨年に続き2位となりました。「クルマはかなり良い感じだったよ。でもセッションの最終ラップでちょっと横滑りしてしまって前のラップよりスピードが大きく落ちてしまった。それが無かったら、ポールが取れたと思うよ」と悔やむレイホール。今シーズン最初の4戦中4回もトップ10スタートのレイホールですが、レースでは順位を落とす傾向になっています。またフロント・ローからのスタートとなりますが、今回は上位フィニッシュして欲しいですね。
先週のインディ500で大きな単独クラッシュを喫したトニー・カナーンは、肋骨3本を折ったにも関わらず、今週もミルウォーキーに参戦。ピットで歩くのがつらそうだったのですが、驚くべきことに3位のスピードを記録しました。「AGRのチーム全員、セーフティ・クルー、パーソナール・トレーナーのおかげで、何とか参戦できるようになったんだ。僕の体はまだ100%じゃないけど、参戦できるだけでうれしいよ。予選は上手くいったから、明日も良いレースになりそうだ」とコメントするカナーン。怪我をしたからなのか、ダリオ・フランキッティからの許しが出たようで、優勝するまで伸ばし続けるはずだった髪を切ってさっぱりしていました。
今シーズン最上位の6番グリッドからスタートとなる武藤英紀。2回目のプラクティス・セッションでは、燃料ホースが外れてガソリンが漏れるトラブルがあり、予選に向けての練習走行時間が短縮されてしまいました。「いきなり予選アタックということになったので、ちょっと不安はありましたけど、思ったより悪くなかったです。決勝のクルマはすごく良いと思いますよ」と明るい表情の武藤でした。
先週のインディ500で10位フィニッシュを手に入れた武藤は、今回のミルウォーキーで09年シーズン初のトップ10スタートとなります。「インディ500のあとだけに、このコースはすごく小さく感じて、運転していて休む暇がないですね。今朝の走行ではちょっと呼吸が上がってしまいました。レースはすごくタフになりそうです。我慢してタイヤをセーブした人が最後トップになると思います」と語る武藤。明日のレースで上位フィニッシュなんて言わず、優勝を期待しましょう!
先週のインディ500で大クラッシュし、骨折したヴィットール・メイラの代役として、なんと“バッド・ボーイ”のポール・トレイシーが抜擢されました。CART時代に過去4回もこのミルウォーキー・マイルを制してきたトレイシーは、今回16番グリッドからスタートすることになります。40歳になってもまだまだ現役のトレイシーが、元祖バッド・ボーイとも言うべきチーム・オーナーのAJフォイトの元で、いったいどんな走りを見せるのか。ある意味、夢の競演ともいうべき強烈なコンビネーションが、明日のレースを盛り上げてくれることを期待しましょう!!
今回のミルウォーキーに、トーマス・シェクターがドレイヤー&レインボールドから参戦することになりました。「45分しか走ることができなかったが、その割に良い結果が出たと思うよ。クルーが短時間でクルマを仕上げて、トップ10に入れたんだ。レースが楽しみだよ」と100回目のインディカー・レースに挑むシェクター。先週のインディ500では、セカンド・ウィーク参戦にも関わらず、みごとに12位フィニッシュとなりましたが、記念すべき100戦目だけに上位フィニッシュを期待しましょう。
インディ500でポール・トゥ・ウィンを飾ったエリオ・カストロネベスは、なんとクラッシュで予選を終えました。ここミルウォーキー・マイルで過去2回もポール・ポジションを獲得してきたブラジル人スターは、予選走行1周目にSAFERバリアに接触し、予選スピードを記録できず。「けっこうプッシュしたら、クルマが急にスピンしそうになった。セーブできるかと思ったけど、ウォールにぶつけてしまったよ」と、明日は20番グリッドからのスタートとなるカストロネベス。このミルウォーキーはショートオーバルだけにパスするのが難しく、最後尾からの追い上げで厳しいレースとなりますが、カストロネベスなら優勝するかもしれませんね。
ポータブルGPSナビのメーカー“トムトム”のカラーリングとなっているカーナンバー10のダリオ・フランキッティ。シリーズ・ポイント・ランキング・トップのフランキッティは予選8位となりました。「最初のラップは最悪だったよ。ターン1と2の間がすごくルーズ(オーバーステア)で、ターン3とターン4はアンダーステアがひどかった。2周目にはクルマに合わせた走りをして、バランスが良くなった。あまり良いところにはいけなかったけど、そこから優勝が届かないわけじゃないからね」と楽観的。カンザスではリタイヤとなってしまいましたが、優勝経験もあるこのミルウォーキーで2勝目をあげることができるでしょうか?
午前中に雨が少し降る予報となっていた今日。予報どおり、ミルウォーキーの空は雲に覆われていたものの、心配された雨は降ることなく、午後には雲も流れ去って青空が広がりました。札幌と同じ緯度にあるミルウォーキーはやはり気候は肌寒く、曇っているとトレーナーが必要なほど。晴れてからはなんとかTシャツでも過ごせるまでの陽気となりました。明日も青空となって、レースが無事に終わるといいですね。みなさん、今回のウイナー予想はいったい誰にしましたか? 締め切りは日本時間の23時ですよ!