＜US-RACING＞
ポール･デーに向けての最後のプラクティス、“ファスト･フライデー”が行われました。正午から午後6時まで行われたプラクティスでは6回もタイム･チャートのトップが入れ替わりましたが、チーム・ペンスキーのライアン・ブリスコーが最終的にファスト･フライデーの座を獲得。賞金1万ドルを手に入れました。5度目のインディ500を迎えるブリスコーですが、インディで初ポールを獲得できるでしょうか
2位に入ったのは、2001年、02年のウィナー、エリオ･カストロネベス。「今日は非常に調子が良かったけど、今日より明日のポール･デーの結果が重要」と気を引き締めていますね。明日のポール･デーに向けてペンスキーの2台は準備万端のようです。
昨年インディ500に参戦しなかったダリオ･フランキッティですが、３位のスピードを記録するところはさすが2007年のウィナーですね。明日のポール･デーに向けてメカニカルのセット･アップを試しているうちにこのタイムが出たそうです。明日のポールデーは2年ぶりにインディ500参戦にするフランキッティと、ペンスキー勢とのポール争奪戦が白熱しそうですね。
チームメイトのダリオに一歩及ばず、4位となったのは、去年のインディ500でポール･トゥ･ウィンを決めたスコット･ディクソンでした。「最近のインディアナポリスの天気は変わりやすくて予想できないけど、明日は良いところまでいけると思う」と、コメントしていました。ディクソンが2年連続ポール･ウィナーになれるかは天候次第かも？
アンドレッティ勢のトップを飾ったのは、この日5位のタイムを記録したダニカ･パトリックでした。彼女のすぐ後ろにマルコが6位で入り、順調な仕上がりを見せますが、一方、チーム･リーダーのトニー･カナーンは調子が悪く、12位とAGR勢で最後尾に。カナーンの不調の原因は分からないそうで、プラクティス終盤にはマルコのマシンに乗って違いを見つけようとしていました。明日の予選タイムアタックまでにいつもの調子に戻れるでしょうか？
武藤英紀は9位となりました。今日の目標は、225マイルを突破することだったようですが、224mphにとどまりました。このインディ500から新車で挑んでいる武藤ですが、「他のドライバーがどれだけドラフトを使って今日のタイムを出したのかは分かりませんが、僕のマシンはダウンフォースを大きく削っていて、クルマがかなりスライドしているぎりぎりでのタイムでした。そのような状況ですが、明日はトップ11に入れるようがんばります」と、コメント。昨年のように初日にグリットが確定するといいですね。
ALMSでお馴染みの高級テキーラ、パトロンのスポンサーでインディ500に参戦しているスコット・シャープ。プラクティス序盤、クルマを予選仕様にセットアップ中、誤ってフロント･ウィングのダウンフォースを付けすぎてしまい、最初のターンでスピンを喫してしまいました。なんとか体勢を戻そうとしていたのですが、スピードがのりすぎたマシンはSAFERバリアに激突してしまいました。「明日のポール･デーに修理が間に合うよう祈っているが、間に合わなかったら日曜日のセカンド･デイ･クォリファイでしっかりとポジションを確保したい」と話していました。
７年ぶりにブリック･ヤードに戻ってきたカナダの暴れん坊、ポール･トレイシー。先日行われたリフレッシュ走行でトップ･スピードを記録し、絶好調だった大ベテランは、この日17位となりました。今回もっとも楽しみなドライバーのひとりですね。
ショッキング・ピンクのカラーリングで大きく目立っていたのは、チップ･ガナッシ/サム･シュミットのスポット･エントリー、アレックス･ロイドです。Health Energy Revitalizer、略して“her”という女性向けのエナジー･ドリンクがスポンサーとなっています。ピンク色のせいか男性ファンに結構からかわれているようですが、ロイドの奥さんは気に入っているそうですよ。
今回のインディ500にスポット参戦しているチームで注目されているのは、NASCARのビッグ･チーム、リチャード･ぺティ･モータースポーツです。ドライバーは、1988年から過去9回もインディ500に参戦してきたベテランのジョン･アンドレッティ。この日33台中20位となりました。
今日は、午後から雨の予報となっていたインディアナポリス。コース上空には雲が広がり、いつ雨が降り出してもおかしくないような雰囲気でした。セッション中、時折、ポツリポツリと雨が降り、イエロー･コーションが出るときもありましたが、午後6時まで本降りになることは無く、無事プラクティスが終了しました。明日は、1位から11位のグリッド･ポジションが決まる“ポールデー”ですが、ポールポジションは誰の手に？