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インディカー・シリーズ 第12戦 ミド-オハイオ【決勝日】フォト&レポート

<US-RACING>

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レース開始直前、豪雨に見舞われた第12戦ミド-オハイオで、ライアン・ブリスコーが今シーズン2勝目を飾った。全車ウエット・タイヤで始まったレースだったが、早々と1周目からドライ・タイヤへ交換するドライバーが現れるほどコンディションが急激に回復。その中でブリスコーはタイヤ交換のタイミングが遅れ、17番手まで後退してしまう。しかし上位勢が2回目のコーションを利用してピット・インしたのに対し、ブリスコーはその前にピットを済ませたことで順位は急浮上。39周目に初めてトップに立ったあとは後方を突き放し、2位に7.264秒差をつける独走で優勝した。「やっと僕たちの思いどおりのレースになったね。ペンスキーにとって素晴らしい週末になったよ。これ以上ないというくらい良い結果さ。ここ2レースは全然良くなかったから、勢いがあるかどうかはわからない。でも、ここからこの勢いをキープしていきたいね」と大喜びのブリスコー。不運の連鎖を断ち切り、ポイント・ランキング5位に躍進した。

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序盤のタイヤ交換に翻弄されたポール・スタートのエリオ・カストロネベスは、ドライ・タイヤへのスイッチを5周目まで引っ張ったことが裏目に。コースへ戻ったときには、6番手まで順位を落としていた。その後ペースが上らず、コース上での挽回が難しいのなら、ピット戦略で順位を取り戻そうと試みるも今日は不発。77周目にようやく2番手までポジションを盛り返すが、この時チームメイトのブリスコーははるか先にいた。結局今回も優勝はお預けとなり、2位でフィニッシュ。「僕ができることはすべてやったが、不運にも渋滞につかまってしまった。十分な結果とはいえないし、悔しいけども、チャンピオンシップを考えると2位は良い順位だ」とカストロネベス。元祖スパイダー・マンは、今シーズン見られるのだろうか。

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昨年のミド−オハイオ覇者、スコット・ディクソンは3位表彰台を獲得した。6番手スタートから早々と二つポジションを上げて4番手になると、3周目にはブリスコーをかわし、3番手に浮上する。前を走るカストロネベスと同じタイミングでドライ・タイヤへの交換をすませ、カストロネベスに続く7番手でコースへ復帰するなど、終始カストロネベスを追う展開となったが、さすがのディクソンも今日はついていくのがやっとだ。その差はレース終盤に縮まることなく、周回遅れに引っかかったカストロネベスを視界に捉えたたものの時間切れ。無情にもレースはファイナル・ラップに突入し、昨年のウイナーは3位でフィニッシュするのが精一杯だった。ランキングではカストロネベスに対し、1レース分以上となる58ポイントものアドバンテージを持つディクソンだが、油断はできない。ランキング争いも終盤にかけてミド−オハイオの気温のように、ヒートアップしていくだろう。

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予選11位からスタートしたウイル・パワーは、急激に乾きだした路面の状況を読み、2周目にスリック・タイヤへ変更した。このタイミングが功を奏し、その後次々とピットインするマシンを横目に、7周目には3位までポジションアップ。チャンプ・カー最後のレースとなったロング・ビーチで優勝した実力者は、このミド−オハイオでも十分なパフォーマンスを発揮し、パッシングが難しいといわれるコース上でアグレッシブにライバルを抜いていく。57周目にはついにトップへ躍り出るも、その2周後となった3回目のピットストップ中にブリスコー、ジュンケイラ、カストロネベスに先行を許すと、タイヤがまだ冷えていたアウトラップではディクソンにもかわされ、5番手にポジションダウン。ジュンケイラがピットインして4番手に浮上するが、残された周回数は少なく、そのままインディカー・シリーズ・キャリア自己最高の4位でフィニッシュした。まだビッグ3との実力差は大きいが、ロード・コースでのチャンプ・カー勢の実力は誰もが認めるところ。今回はパワーのほかにセルビアが5位に入り、レース終盤にはジュンケイラが2番手を走行していた。次戦はチャンプ・カー勢が慣れ親しんでいたエドモントン。コースのデータをまったく持たないインディカー勢に、一泡吹かせたいところだ。

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昨日の予選で初めて第2セグメント進出を果たし、10番手からスタートした武藤英紀。無線が混線したためにドライ・タイヤへの交換が1周遅れるが、順位を落とすことなくコースへ復帰する。ところが2回目のコーション中に行ったピット・ストップでの作業に手間取り、あっという間に17番手まで後退してしまった。パッシングが難しいコースであるにもかかわらず、武藤は果敢なアタックで徐々に順位を取り戻していき、ライバルの自滅にも助けられて60周目にスタート・ポジションの10番手まで挽回。2番手を走行していたジュンケイラのピット・インで9番手に上がり、前を走るダレン・マニングを追うが届かず。そのまま9位でフィニッシュした。

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「もうちょっと前でフィニッシュしたかったですね。作戦がハマらない部分があって、イエローのタイミングも良くなかったです。ウェット・タイヤでのバランスは良く、路面が汚れていた最初のスティントのペースも良かったんですが、最後は思うようなバランスではなくなって、フロント・タイヤがすべる状態でした。前を走るダレンとはマシンの状態が似ていると思いましたけど、抜くのは難しかったですね。ラップも安定していましたし、体力的にはまだいける感じでしたが、暑くてしんどいレースでした」

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チャンプ・カー勢最高の4番手からスタートしたジャスティン・ウイルソン。雨が多いイギリス出身の彼にとって、ちょい濡れ状態の路面は実力を見せる絶好のコンディションだ。水を得た魚のようにレース開始直後から前のマシンを捕らえると、5周目にはトップのカストロネベスまでを料理。しかしウイルソンが望むコンディションはすぐに終わり、その後はピット戦略がかみ合わず、他車から接触を受けたりと鳴かず飛ばずに終わる。極めつけはイエロー・コーション中の42周目で、リスタートに向けてバックマーカーのドミンゲスをかわす際、ドミンゲスがハンドリング不調から突如アンダーを出し、ウイルソンの右リア・タイヤをヒット。最終ターン手前でコースをふさぐようにしてスピンしたウイルソンは、後方の隊列を巻き込んでその場にストップするしかなかった。セーフティ・クルーの助けを借りて戦列に復帰するも、レース序盤の輝きを再現することなく、11位でレースを終える。

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朝のうちは晴れ間が広がっていたミド−オハイオだが、次第にどんよりとした雨雲が上空を覆い、インディライツのレース・スタート直前に激しい雷を伴う土砂降りの雨となった。雨は一時間ほどで止み、インディライツのレースも無事スタート。やがて上空から太陽が顔を出し、晴れ間も見え始めたが、インディカーのレース・スタート時間まで残り40分ほどに迫った時、またしても横殴りの雨が降り出し、やっと乾いたコース内は瞬く間にウエット状態へと逆戻り。今回は短時間の通り雨だったため、すぐに止んで再び青空が見え始めた。しかし気温はこの時点で30度まで上がり、現場はまるでサウナにいるかのような蒸し暑さに襲われる。今年も多くの観客がコースサイドに集まり、レースのスタートを楽しみに待っていたが、多くのファンは傘を持っていなかったため、ずぶ濡れになっていたのが気の毒だった。困難な状況をともに乗り越えたファンは、雨でめまぐるしい展開となったレースを存分に楽しみ、何度も大歓声が上がった!