<US-RACING>
今季第3戦ツインリンクもてぎにベック・モータースポーツから参戦したロジャー安川が、今年で第92回目となるインディ500に同チームから参戦することを5月14日に発表した。
2003年からインディ500に参戦している安川は、フル参戦を果たした2003年と2005年以外の年もインディ500にはこれまでスポット参戦を続けており、日本人ドライバーとしては最多6回目のエントリーとなる。
今年はインディ・カーとチャンプ・カーが合併し、参戦台数が昨年より増加しているインディ500。決勝レースに出走するための33台のグリットを獲得するのも厳しい状況だ。
5月10日にポールデイが行われ予選1位から11位まではすでにグリットが決定しているが、12位から22位までを決定するセカンドデイは雨のため中止に。今週末行われるサードデイ、バンプデイに現在27台のマシンが予選タイムアタックを挑む予定で安川もその一人となった。
「思ったより交渉が長引いたというか、もてぎの時点で方向性はほとんど見えていたつもりだったんだですけど、実際5月に入って現場にきたら、ガソリン並みにシートの相場が上がっていました。僕とグレック(チームオーナー)のスポンサーでなんとかセカンドウィークから出走するのに十分な予算にたどりつき出場することができました。
現場はチャンプ・カーが入ってきたこともあり、スポンサーがあるのにシートがないというシビアな状況でした。ベックもアレックス(バロン)、フランク(ペレラ)などと話をしていましたが、自分のここでの経験やもてぎで一緒にレースをしたのは大きいポイントになったと思います。
ベックは結構アットホームなチームですが、グレックはレースなると経験が長いので対応力はあります。しっかりしているなともてぎでは確信しましたし、もてぎが終わった時点で個人的にはベックだけに集中して交渉していこうと決めていたので、そのとおりになってラッキーだったと思っています。
レースに関してはやはり、一度走ってどの程度のスピードが出るかというの試してみないなんとも判断できませんね。予選通過に関してはデータの数字を見る限り不安はないです。チャンプ・カー勢で結構苦労しているチームがあって、データの数字を聞く限り大丈夫という自信はあります。
予選通過にどのぐらいのスピードが必要かというのはまだ目安が付きませんが、練習走行では予選に向けて222マイル半ばで走る選手が多いとは思います。去年はそんなに無理をしないで222.6マイルくらいで予選通過していますし、そのデータを持っていますからそのぐらいのスピードが出るかなとは思っています。
1週目のポールデイほどみんなリスクはしないと思いますが、予選スピードは220マイル後半から223マイルがトップスピードだと思います。
マシンは基本的にもてぎで走行したマシンです。今考えるともてぎでのレースを全力でがんばった結果、今回のインディに向けての準備になったのかなとも思います。他のチームでいきなりこのインディに乗るよりぜんぜんいいですからね。クルマは前々から準備をしておりすぐに乗れるようになっています」
ロジャー安川の6度目のシェイクダウン
参戦発表をした14日から安川の練習走行が行われたが、現地は朝から雨となって走行する見込みがたったのは午後5時。路面コンディションを確かめるためイエローコーションでの走行がスタートし、グリーンフラッグが降られたのは午後5時10分となった。
残り50分という僅かな時間でシェイクダウンが始まった安川は、プラクティスが終了するまで計15周を走行し、最終ラップに最高スピードとなる212.349マイルを記録。この日走行した29台中25番手となった。
今日の初走行からサードデイの午前中に行われるプラクティスまで計4回の練習走行があるが、予報ではインディアナポリスの天候は芳しくなく、安川にとっては限られた走行時間で予選突破を果たさなければならない。
「少しだけでも走れてよかったです。まだ空力のバランスがあってないのと、今日のコンディションにもあってなかったので全快でいけるレベルではないですが、そのあたりは数字のデータですぐ直せると思います。今日はシェイクダウン。明日と明後日で時間かけてって感じですかね。初日としては上出来だったと思います」