INDY CAR

デイトナ・ロードコースでの初テスト、松浦孝亮はチームとの融合で大きく前進

<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IRLインディカー・シリーズ デイトナ 公開合同テスト>
【日程】1月31日〜2月1日
【開催地】フロリダ州 デイトナ
【サーキット】デイトナ・インターナショナル・スピードウェイ
【距離】2.72マイル(4.376km)
【天候】1月31日:快晴/最高気温12℃、2月1日:曇りのち雨/最高気温20.5℃

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<新体制で初の公開合同テスト>
 2007年のインディカー・シリーズ開幕に向け、IRL主催による第1回目の公開合同テストが1月31日から2月1日の2日間に渡って行われた。開催コースは、フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイ。ストックカーレースのビッグイベントが行われる全長2.5マイルのオーバルだが、そのバンクの一部とインフィールドを繋げた全長2.72マイルのロードコースが今回のテストの舞台となった。
 スーパーアグリ・パンサー・レーシングへとして初のシーズンに向け、新しいスタートがいよいよ切られた。インディカー参戦が4年目を迎える松浦孝亮は、体制とともに気分も一新し、モチベーションをさらに高めてテストに臨んだ。
 17人のドライバーが走ったテストは、走行1日目が空は晴れ渡っているもののフロリダとしては非常に気温が低いコンディションで、2日目は雲が出たが前日とは違って暖かさが感じられる天候となった。

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<タイムには表れない大きなテスト成果を得る>
 2日間のトップ・タイムは、トニー・カナーンによる1分12秒2393。96周を走り込んだ松浦のベストタイムは、1分13秒6206だった。2日間の総合ランクで見ると11番手と決して芳しくないようにも思えるが、松浦とスーパーアグリ・パンサー・レーシングはタイム比較では見えない大きな成果を掴むことができた。実は走行1日目、松浦とチームはすでに1分12秒台が十分に狙えるだけのマシンセッティングをつかんでいた。しかし、2日目も敢えてラップタイムを縮めるためのマシン作りはしなかった。
 デイトナのロードコースは非常に長いストレート区間を持つコースレイアウトで、ダウンフォースを減らせばタイム向上はたやすい。それよりもバンピーな路面でのコーナリングやブレーキングでのパフォーマンスアップに狙いを定め、細かなセッティング変更を重ねてデータ収集に努めたのだった。
 走行2日目は午後3時から雨となり、ウェットタイヤによる走行をするチームがなかったことから、2時間早くテストセッションにはチェッカーフラッグが出された。
 2007年の開幕戦までには、IRL主催の合同テストがもう1回行われる予定である。
コースは開幕戦の行われるホームステッド・マイアミ・スピードウェイで、今度はレースと同様に全長1.5マイルのオーバル使われる。そこで松浦はスーパーアグリ・パンサー・レーシングの用意するオーバル用マシンに初めて乗ることになる。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「エンジニアとのコミュニケーションが大きく前進しました」

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「今回のテストは自分とスーパーアグリ・パンサー・レーシングが一緒にやるものとしては2回目で、エンジニアと自分のコミュニケーションを向上させる、という大きな目標がありました。昨年中に行ったテストでは、チームのリーディング・エンジニアであるビル・パッパスが陣頭指揮を取っていました。今回は、自分を担当するエンジニアにウッディ(ブレント・ハーベイ)がつけられ、初めていっしょに仕事をしました。
 ドライバーである自分がどういう動きをするマシンを欲しがっているのか、エンジニアのウッディがどういう言い方をしている時に何を求めているのかなど、この2日間でお互いに対する理解をずいぶんと前進させることができたと感じています。マシンのセッティングについても、バンピーな路面でのコーナリング性能を高めるためにいろいろなものを試し、成果を出すことができました。マシンのハンドリングの良し悪しが現れるインフィールドのセクションタイムでは、最終日にトップ6に入るラップタイムを出せていました。自分とビットール・メイラの2人のドライバー、そしてビルとウッディのエンジニア2人、この4人がミーティングで情報を交換し、アイデアを出し合ってデータ収集やセッティングに対する評価を出すチームワークは、今回のテストですでに非常にスムーズに進めることができていました」
<ロン・キャット:クルー・マネージャー>
「コウスケのパフォーマンスは上位ドライバーと何ら遜色ない」
「コウスケとのテストは2回目になるが、チームとの仕事をより高いレベルで行えるよう、ドライバーだけでなくエンジニアも、クルーも、全員がお互いをさらに深く理解し合うことを目標にしていた。クルーを集めての新しいチームで、マシンも新たに用意したものとあって幾つかのトラブルも経験し、走行時間を思う存分に取れなかった上、雨でテストが短縮されたのは残念だった。しかし、サスペンションセッティングにおいては大きな成果が得られた。コウスケのインフィールドでの区間タイムは、今回のテストで上位に並んだドライバーと比べてもほとんど変わらない、パフォーマンスとしては何ら遜色のないものになっていた。2日間のテストはほぼ成功だったとの評価をしていいだろう」