<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IRLインディカー・シリーズ 第14戦メイジャー・インディ300>
【日 程】8月10日〜8月11日
【開催地】ケンタッキー州スパータ
【コース】ケンタッキー・スピードウェイ
【距 離】1.5マイル(2.414km)×200周=300マイル(482.803km)
■■■8月10日予選■■■
【天 候】晴れ
【気 温】32〜33℃
【時 間】18時15分〜(日本時間12日7時15分〜)
<熱波の中でのプラクティスと予選>
今週のアメリカ、ミッドウエスト地域は酷暑を越えた暑さ、熱波に見舞われている。日中の気温が新記録の約37.8℃に達した日もあるほどで、週末の暑さがどの程度になるかが心配されていた。
2デイイベントの走行初日となった金曜日、幸いにも気温は33℃に止まり、穏やかな風も吹いていた。しかし、アスファルトとコンクリートに完全に覆われたケンタッキー・スピードウェイでは、体感温度が40℃に迫っていた。
ケンタッキー戦が今年からトワイライトレースとして開催されることになったのは幸いだった。この暑さの中での300マイルレースは、ドライバーやクルーたちに厳しいだけでなく、ファンにとっても観戦が過酷なものとなってしまうからだ。
昼間の気温が高くなれば、夕方の気温も当然高くなる。明日の決勝レースも、暑いコンディションの中で争われることになるだろう。しかし、プラクティスが予定されている日中と比べれば、明らかに気温、路面温度ともに下がることになる。昼間の走行で得られたデータを基に、セッティングをどこまでコンディションに合わせて調整できるかが、パフォーマンスを発揮するための非常に重要なファクターとなる。
<キャリアベストを記録しているケンタッキー>
スーパーアグリ・パンサー・レーシングの松浦孝亮にとって、ケンタッキー・スピードウェイは相性の良いサーキットである。2004年にはルーキーながら4位フィニッシュを果たしており、2005年にも8位でゴールしている。昨年は119周目にアクシデントに遭遇したが、予選では7位に食い込む走りを見せていた。
全長1.5マイル(2.414km)オーバルにおける今シーズンの松浦は、テキサスで9位フィニッシュを果たしているものの、ホームステッド・マイアミとツインリンクもてぎはアクシデント、カンザスではメカニカルトラブルと、思うように成績を残せていない。しかし、ゲンの良いケンタッキーであれば、今シーズンの悪い流れを断ち切って上位フィニッシュを果たすことは十分に可能だ。
<プラクティスでは決勝レース用セッティングに専念>
予選前に行われたプラクティスは2回。ここでスーパーアグリ・パンサー・レーシングはいつも通りにレース用セッティングを重点的に行った。トワイライトレースであることも考慮しながら、集団の先頭、そして集団の中で走行した場合のハンドリング向上を目指し、着実にプログラムを進めていった。プラクティス1回目には48周を走り、24秒7392=平均時速215.367mph(346.526km/h)を記録。さらに暑くなったプラクティス2回目には、24秒7047=平均時速215.667mph(347.008km/h)に縮めた。2回のプラクティスでの合計周回数は107周にも及んだ。プラクティス1回目に12番手、プラクティス2回目は14番手につけ、総合でのポジションは14番手であった。
<予選アタックではコンマ2秒をロスし、グリッドは17番手に決定>
予選は夕方6時過ぎにスタート。松浦は4番目にコースインを果たした。いつも通り計測は2周あり、その2周目に松浦は24秒9534をマーク。平均時速は213.518mph(343.550km/h)で、17番グリッドからのスタートに決まった。プラクティスで刻んだラップタイムは出せるはずだったが、コンマ2秒遅いタイムとなった。しかし、松浦のモチベーションは高いままだ。プラクティスをフルに使ってレース用セッティングの向上に努めたことで、走り始めに出ていたアンダーステアの症状も、予選では完全に解消していた。また、トラフィックでのマシンハンドリングも、十分な状態が確保できている。レースでのパフォーマンスに問題はない。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「予選結果は悪いものの、集団について戦うことができる状態にある」
「予選で出した24秒9534というタイムは、自分たちの想定タイムよりコンマ2秒も遅いものでした。プラクティス時よりもドラッグを削ったし、コンマ2秒がどこで失われていたのかはまだわかっていません。ハンドリングは悪くなかったし、自分の狙った通りのラインも走れていただけに、なぜコンマ2秒もロスしてしまったのかは不思議ですね。これからエンジニアたちとデータをチェックして原因を解明したいと思います。
プラクティスで行ったレース用のセッティングでは、ドラフティングの中でもハンドリングが安定していました。オーバーテイクを次々とこなすのは難しいにしても、集団について戦い続けることができる状態にあります。また、ケンタッキー戦は、作戦によって大きくポジションアップできることも十分に考えられるので、そうした面もフル活用して上位を目指したいと思います」
<ロン・キャット:チームマネージャー>
「後方スタートになることがアドバンテージになる作戦を検討する」
「ケンタッキーへと持ち込んだマシンは、走り始めにアンダーステア傾向が強く出ており、プラクティスではその解消を目指したセッティング変更を繰り返した。プラクティス終盤にはハンドリングがずいぶん向上し、25秒7台前半をマークすることができた。ところが、予選ではプライクティスのタイムよりもコンマ2秒も遅いタイムしか記録できず、我々が目指していたグリッドとは程遠いポジションになってしまった。先週のミシガン戦で4位フィニッシュを果たしたばかりなのに、非常に悔しい結果だ。
コンマ2秒のロスがどこで発生したのか、現在エンジニアたちは懸命にデータを検証している。決勝用のマシンセッティングに関してはコウスケも好感触を得ている。明日のレースは、後方スタートがアドバンテージとして活きるよう、ピットストップのタイミングの取り方、燃料の補給量の調整など、考えられることはすべて検討し、ポジションアップを図るつもりだ」
■■■予選結果■■■
1.5マイル(2.414km) 出走18台
順位 No. ドライバー タイム 平均速度mph(km/h)
1位 11 T.カナーン 24.4307 218.086(350.900)
2位 27 D.フランキッティ 24.5745 216.810(348.847)
3位 8 S.シャープ 24.5918 216.658(348.603)
4位 9 S.ディクソン 24.6119 216.481(348.318)
5位 10 D.ウェルドン 24.6264 216.353(348.112)
17位 55 松浦孝亮 24.9534 213.518(343.550)
※全車、シャシーはダラーラ、エンジンはHonda、タイヤはファイアストン