<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IRL インディカー・シリーズ第9戦 サントラスト・インディ・チャレンジ>
【日 程】6月29日〜6月30日
【開催地】バージニア州リッチモンド
【コース】リッチモンド・インターナショナル・レースウェイ
【距 離】0.75マイル(1.206km)×250周=187.5マイル(301.752km)
■■■6月30日決勝■■■
天候:曇り/気温:26〜28℃/
時間:午後7時30分〜(日本時間7月1日午前8時30分〜)
<予選中止でランキング順のスターティンググリッド>
2007年シーズンの折り返し点となる第9戦リッチモンドは、降雨のために予選がキャンセルされ、スターティンググリッドはポイントスタンディングによって決定されることとなった。
スーパーアグリ・パンサー・レーシングからIRLインディカー・シリーズにエントリーしている松浦孝亮は、開幕戦から不運なアクシデントなどが重なっているため、8戦を終えてのランキングは18番手。全長0.75マイルのタイトなショートトラックでのレースに最後列からスタートとなる。
<逆転の難しいレース展開>
金曜日の夜の雨、そして決勝日のサポートレース開催により、路面のコンディションはグリップが非常に低いものとなることが予想された。松浦とスーパーアグリ・パンサー・レーシングのエンジニアリングスタッフは、後方グリッドから粘り強く戦うことが期待できるマシンセッティングを施し、250周のレースへと臨んだ。しかし、序盤から松浦の55号車はグリップレベルの低さに苦しみ、20周を迎えるところでレースリーダーのダリオ・フランキッティにパスを許し、1周のラップダウンに陥った。
1周の遅れを取ってからは、燃費のセーブを心がけることや、フルコースコーションのタイミングを巧みに掴むことでリードラップに返り咲くことを目指した。しかし、今日のレースではフルコースコーションがレース前半に2回しか出ず、しかも、それらがちょうど全員のピットに入りたいタイミングであったため、松浦は周回遅れから脱出することができなかった。出場ドライバーたちの実力、マシンの仕上がり具合がともに拮抗しているためにオーバーテイクが非常に難しくなっていたのだ。
<終盤に状況が好転、粘り強い走りでゴールを目指す>
周回が重ねられ、夜になって気温も下がってきたことで、路面のグリップがレース終盤には向上。松浦はスピードアップを果たした。しかし、オーバーテイクは依然として難しいままだった。それでも、2回目のピットストップでひとつ順位を上げ、15位でのフィニッシュを目指す戦いは続いた。レースが終盤に入ればバトルがヒートアップし、アクシデントによるリタイアを喫するドライバーも出て来ることが考えられるため、松浦は諦めることなく粘り強く走り続けた。
<またもやアクシデントに巻き込まれ完走ならず>
しかし第9戦でも、これまで松浦にまとわりついてきている不運を完全に振り払うことができなかった。レースが残り20周を切ったところでトップ集団を前に行かせようとした時、同じグループを走っていたサム・ホーニッシュJr.にヒットされ、リタイア。結果は17位となった。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「苦しいレースだった。次戦のロードコースでは存分に戦いたい」
「昨日のプラクティスでマシンを十分に仕上げられなかった。それがレースを苦しいものにしていました。これまでインディカー・シリーズで戦って来た中で、最も難しいハンドリングになっていたぐらいでした。アンダーステアである上にリヤのグリップも低くて、スピンしそうになるマシンをなんとかコントロールして、針の穴に糸を通すような集中力でに走っていました。1回目のピットストップでフロントウイングを立て、タイヤの内圧も変更したことでマシンは良くなりました。路面のグリップもその頃から上がって来ていたんだと思います。
しかし、最後はダリオ・フランキッティたちをパスさせようとしたタイミングでサム・ホーニッシュJr.がインに入って来て、接触してしまいました。今日のレースではスターティンググリッドが本当に重要でした。多くのドライバーたちがスタートしたのと同じ順位でのフィニッシュになっていたと思います。オーバーテイクがほとんどできないレースになっていました。来週はワトキンス・グレンでのロードレースです。自分の得意とするロードレースですから、是非ともよいレースを思い切り戦いたいと考えています」
<ロン・キャット:チームマネージャー>
「徐々にスピードは上がってきたが、展開に恵まれなかった」
「先週のアイオワでのレースでもラップタイムは決して悪いものではなかった。ショートトラックのマシンセッティングで、我々は決してライバル勢に対して不利にあるわけではない。しかし、今日のレースでは残念ながらマシンを十分に速いレベルにまで仕上げることができていなかった。コウスケは苦しい中でベストを尽くしており、レース終盤にはトップグループとほとんど変わらないペースを確保できるまでになっていた。しかし、今日のレースではフルコースコーションも少なく、ピットストップのタイミングなどを利用して周回遅れから完全に脱却することはできなかった。
最後のピットストップはタイミングもよく、1ラップを取り戻すことができたが、その後にサム・ホーニッシュJr.との接触があり、そのまま走り続けても順位を上げることは不可能であったため、マシンを停めた。次戦のワトキンス・グレンはチームもコウスケも高いパフォーマンスを発揮できるものと楽しみにしている。トップグループで戦うレースとできるよう頑張りたい」
■■■決勝結果■■■
0.75マイル(1.207km)×250周=187.5マイル(301.752km) 出走19台
順位 No. ドライバー 周回数 タイム差
1位 27 D.フランキッティ 250 1:24’19.6684
2位 9 S.ディクソン 250 +0.4194
3位 10 D.ウェルドン 250 +1.3629
4位 11 T.カナーン 250 +2.9088
5位 15 B.ライス 250 +5.9130
17位 55 松浦孝亮 236 アクシデント
※全車、シャシーはダラーラ、エンジンはHonda、タイヤはファイアストン
■■■ポイントスタンディング■■■
順位 No. ドライバー ポイント ビハインド
1位 27 D.フランキッティ 359 リーダー
2位 9 S.ディクソン 294 -65
3位 10 D.ウェルドン 287 -72
3位 11 T.カナーン 287 -72
5位 6 S.ホーニッシュJr. 257 -102
18位 55 松浦孝亮 133 -226