<US-RACING>
セカンド・デイ・クオリファイの日曜日、毎年恒例となっているフロント・ローに並ぶ3台のフォト・セッションが朝の8時から行われた。今年は1999年から取材を開始している僕にとって、実に馴染み深い顔ぶれがフロント・ローに揃った。思えば1999年は、フランキッティがCART参戦3年目、カストロネベスやカナーンといったドライバーも参戦2年目の若手ドライバーで、頭角を現し始めていた頃だった。今ではすっかりベテラン・ドライバーとなったが、その実力は衰えを知らず、今回の予選も見事にフロント・ローへ入る活躍を見せた。
フォト・セッション後、午前10時15分から1時間のプラクティスが行われ、クオリファイは午後12時からスタートした。昨日に続き、朝から快晴となったインディアナポリスは、予選開始時点で22度とそれほど暑くなく、過ごしやすい気候だった。最初にタイムアタックに挑んだのは、昨日14位だったスコット・シャープ。午前のプラクティスではトップ・スピードが222.848mphに留まったが、予選アタックではスピードを伸ばし、223.875mphを記録することに成功した。「かなり良かったね。昨日の夜にやった改良のおかげだよ。パトロン・チームはすばらしい走りをすることができたね」とタイム・アタックの後に話すシャープ。結局、午後6時の終了までにシャープを上回るマシンは現れず、そのまま12位のポジションが確定した。
昨日、松浦をバンプ・アウトしたジェフ・シモンズは その後サム・ホーニッシュJr.にバンプ・アウトされたため、セカンド・デイを走ることになった。迎えた今日の予選でシモンズは223.693mphのスピードを記録。チームメイトのシャープに続き、13位を確定させた。昨日まで伸び悩んでいたレイホール・レターマン・レーシングの2台だが、今日はスピード・アップに成功。二人とも223mph台を記録し、見事この日のタイム・チャートでワンツーを独占した。「僕たちは多くの点で進歩しているよ。エタノール・レイホール・レターマン・レーシングはすばらしい仕事をしている。スコット(シャープ)のマシンもかなり決まっているようだし、二人ともレースに向けて、とても良いスタート・ポジションを獲得できたね」と喜ぶシモンズ。ここ2戦はトップ10入りのレースが続いているため、決勝ではさらに上位を狙ってくるだろう。
14位に入ったのは、ヒタチ・パワー・ツールのスポンサーを受け、マシンのカラーリングが一新されたエド・カーペンター。午後1時45分にタイムアタックを行ったカーペンターも223mhp台となる223.495mphを記録した。「今日の目標は12位だったんだけど、その目標を達成することができなかったね。ヒタチ・パワー・ツールのマシンを12位まで持っていくことができなくて、とてもがっかりだよ。チームメイトと一緒に4列目までには入りたかったよね」と悔しがるカーペンター。新しいスポンサーでの船出を、納得の行く結果で飾ることができなかった。
この日、7台目にタイム・アタックを行ったアル・アンサーJr.。平均時速220.963mpnを記録したものの、午後5時29分に2回目のタイムアタックを行ったジョン・ハーブが221.070mphのスピードをマークしたため、バンプ・アウトされてしまった。「今日はダウン・フォースを減らしすぎてしまったね。リアが安定しなくて、プッシュする自信がなかったんだ。僕のお父さんが言うように、昨日の時点で3列目までが決まっているから、スタート・ポジションを気にしないのがよいかも知れないね。とりあえず、スタートを決めて、マシンに慣れるほかないよ」と語るアンサーJr.。チームメイトのダレン・マニングが223.471mphのスピードで15位となったため、残念な結果となった。かつて2度インディ500を制したアンサーJr.も今年で45歳。やはり若手レギュラー・ドライバーとのドライビングの差は大きいといえる。
2台目にタイム・アタックを行った松浦は、平均時速222.595mphをマークした。その後もう一度タイム・アタックが必要かどうかをチームと相談した松浦だが、結局、2回目のタイム・アタックを行うことなく、予選17位で2日目の予選を終えた。「12位を狙っていたけど、みんなもっと速かったですね。コンディションは昨日よりも良かったんですが、基本的に何かが間違っているんです。レースは長いので、決勝までにいいクルマを作って、最後まで走りきれるようにレースをすることを考えたいです。来週も色々試して、クルマが変わってくると思うので、がんばります」と話す松浦。決勝までに巻き返してくれることを願いたい。