INDY CAR

インディ・カー・シリーズ第14戦シカゴランド[初日]フォト&レポート

<US-RACING>

画像

いよいよ最終戦となったインディ・カー・シリーズ。今年はシカゴランド・スピードウエイでファイナル・レースを迎えることになった。最終戦も2日間で開催され、初日に2回のプラクティスと予選が行われた。総合プラクティスタイムではディクソンがトップとなり、2位には昨年のウイナー、ウエルドンが入ると、ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングのワンツーとなった。しかし、午後から行われた予選では総合プラクティスで3位だったホーニッシュJr.がトップタイムを記録。今シーズン4度目のポール・ポジションを獲得した。この結果、14戦中10戦でチーム・ペンスキーがポール・ポジションを獲得したことになった。この10戦中カストロネベスがワトキンス・グレンでポール・ポジションを獲得したが、それ以外はすべてオーバルでのレース。オーバル・コースでコンスタントにポール・ポジションを獲得することはこのシリーズでは難しいだけに、ペンスキーのチーム力の高さを改めて感じるシーズンとなった。

画像

今日の総合プラクティスタイムでもトップ4はチーム・ペンスキーとターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングの4台となり、予選もこの4台がトップ4を独占した。予選を制したホーニッシュJr.は、ランキングトップのカストロネベスと1ポイント差。どちらが上位でフィニッシュするのかでチャンピオンが決定するといった感じだと思う。ディクソン、ウエルドンにももちろんチャンスはあるが、ペンスキーの2台にトラブルが発生しない限り、これまでの優勝回数で考えても優勝しなければチャンピオンは厳しい。ランキングトップ4のドライバー達にとって、チャンピオンになるためにはとりあえず、この4人の中でトップにならなければならない。最後まで何が起こるかわからないが、この4人の中で勝ち残ったドライバーが、チャンピオンに相応しいのではないかと思う。

画像

第1プラクティスで6位と、幸先の良いスタートを切った松浦。総合プラクティスでも6位をキープし、午後の予選に臨んだ松浦は今シーズン最後の予選で8位を記録した。「このシカゴではチームメイトのスコット(シャープ)の方がコンマ1秒ほど速いですね。何故かはちょっと分らないのですが・・・・・・。カンサスのときは逆だったんですけどね。全開で行くコースでこれだけタイム差があるのは、ちょっと自分としても歯がゆい部分がありますね。でも、トラフィックの中ではハンドリングもよさそうですし、明日のレースは来年につながる走りをしたいと思います」と、予選後に話す松浦。3年目のシーズンを明日のレースで終えることになるが、これまでの経験を生かした結果を残せることに期待したい。

画像

先週末に行われた「グッドウッド・リバイバル」に出場したフランキッティが、練習走行でクラッシュし、脳震盪を起こしてしまった。医師からの忠告で最終戦を走行するのは止めた方が良いと進められたフランキッティは参戦を断念。代わりにA.J.フォイト?がカーナンバー27のマシンをドライブすることになった。ほぼ一年振りの走行となったフォイト?は、総合プラクティスで13位となり、予選では11位となった。結果だけ見れば中盤からのスタートと、それほどでもないのだが、アンドレッティ・グリーン・レーシングの4台中ではなんとトップタイムを記録した。昨年までは偉大な祖父が率いるA.J.フォイト・レーシングで走行していたが、チーム体制があまりよくないせいか、良い成績を残せてはいなかった。他のチームのマシンに乗った瞬間、チーム内でトップになったということは、フォイト?の本来のドライビング能力はやはり祖父譲りで高いのかもしれない。明日の決勝結果にも期待したい。

画像

最終戦となったインディ・プロ・シリーズに、今回2人の日本人ドライバーが参戦した。ひとりは2000年にスキップ・バーバー・フォーミュラーダッジに参戦、2001年はバーバー・ダッジ・プロ・シリーズで走行していた岡本章平だ。2005年にはNASCARのダッジ・ウィークリー・シリーズにスポット参戦を果たし、今年はインディ・プロ・シリーズで走行するチャンスを掴んだ。岡本は昨日の予選で堂々3位を記録し、レースでも終始トップグループを走行するパフォーマンスを発揮。トップ5以内でのフィニッシュに期待されたが、最終ラップで左リアタイヤに後方のマシンが接触。パンクしてしまいスピンを喫すると14位リタイアという結果になってしまった。「最終ラップのターン2で外側から追い抜こうと思ったのですが、スリーワイドになってしまい、僕の左側のマシンが行き場を失って接触してきたんだすね。それから振動は感じていたんですが、最終ラップだったのでいけるだろうと思ったんですけど、ターン3に入っていったら全然グリップしなくてスピンしてしまいました。レースの内容は初めてにしてはよかったと思います。でも、成績としては結果が残せなかったので悔しいですね。来年はできればフル参戦して、今日の悔しさを晴らしたいと思います」と、レース後に話した岡本。今回得た経験を来シーズンに生かせることを期待したい。

画像

もうひとりの参戦者は、今シーズン3戦目のインディ・プロ・シリーズのレースとなるレーサー鹿島。このシカゴランドでのレースを目標にしてきた鹿島は、昨日の予選で11位を記録し、最終戦に挑むことになった。レースに期待がかかったが、グリーンフラッグが振られると鹿島のマシンは加速することができず徐々に後退を余儀なくされる。「悔しいです。今週末は始めからエンジンの調子が悪くてコンピューターを変えたりしたんですけど、エンジンのふけが悪くてスタートやリスタートでアクセルを全開で踏んでいるのに伸びなかったんですよね。そのためリスタートのときにパックに入ることもできなかったです。この3レースは悔しい結果になりました。2年前に初参戦したときは全く知識もなかった状況でした。しかし、今年の3レースは全く新しいチームで参戦し、苦労したんですけど僕が見つけた解決策もあったりして、そういう意味ではこの3戦を終えてやっとインディ・プロ・シリーズの一員になれたというか、プロ・シリーズのドライバーになれたという実感はあります。来年はプロ・シリーズに参戦しつつ、マイケル(チーム・オーナー)と話しているのですが、インディ500に参戦するためにインディ500のルーキーテストを受けることを目標にがんばりたいと思います」と、レースに対しては悔しい思いを語る鹿島。今シーズンは終了したが、来年の活動に期待したい。