＜US-RACING＞
フランキッティと対照的に5番グリッドからスタートしたカストロネベスは、上位勢がトラブルなどで脱落していく中、着実に追い上げて順位をアップしていく。「とにかくプッシュし続けたよ。できるだけ速く走らなきゃって思ってた。レースをリードしてからも壁に近づきすぎるぐらい、ひたすら速く走ってタイムを稼いだんだ」とカストロネベス。ディクソンが最後のピットで前に出るかと思われたが、最後まで抑え切ってオーバル以外の初勝利を収める。同じストリートのデトロイトで2000年に初優勝したカストロネベスは、その時に始めたフェンス登りを今回も披露。実にうれしそうだった。
みごとな快晴に恵まれたセント・ピーターズバーグ。スタート15分前となる午後3時30分の時点で気温28度で蒸し暑いコンディションの中、100周のレースはスタートした。ポール・ポジションからスタートしたフランキッティは好調にリードを広げるが、サスペンションを壊してまさかのリタイア。この週末トップ・タイムを記録していたベテランは、ほんとうについていなかった。昨年からロード・コースのテストではいつもトップにいたフランキッティだが、レースになるとなぜか勝てない。
開幕戦を制したウエルドンだったが、昨年優勝したセント・ピーターズバーグでは、まったくいいところがなかった。昨年、ここのインフィニティ・プロ・シリーズのレースでデビュー・ウインしたマルコと序盤に接触し、ハーフ・スピン。なんとイエロー中の56周目に、今度はホーニッシュJr.追い越そうとして接触し、リタイアに終わってしまう。予選13位といい、初戦とあまりにも対照的な週末になってしまった。
最後のピットストップに入るのを遅らせ、トップを走行している間に少しでもタイムを縮めようと勝負に出たディクソンだったが、コースに戻ったとき、カストロネベスの前に出ることはできなかった。週末を通してカストロネベス、ディクソン、カナーンのマシンの差はそれほどなく、レースは僅差での勝負となった。ディクソン、カナーンは昨年のロード･コースでの優勝経験者で、カストロネベスは昨年優勝するチャンスがありながらも逃していた。今回やっと優勝したが、今後もロード･コースではこの3人と、今回マシントラブルでリタイアに終わったフランキッティによってトップ争いが演じられることになるだろう。
今回のレースは100周で競われたが、1.8マイルのロード･コースを180マイル走行したことになる。気候的にも蒸し暑いこのセント･ピーターズ･バーグで、この走行距離はドライバーにとって体力的にも厳しいレースとなった。「レース中はそれほど感じなかったですが、終わったあと単純に疲れたなぁって感じはしました。体力的には大丈夫ですけどね」レースを終えた松浦もさすがに少し疲れた様子を見せていた。午前のウォームアップでタイヤバリアに接触してしまい、最終的なレースのセットアップができずにレースを迎えることになったが、「ショックが大きかったですが、メカニックがきっちりクルマを直してくれたので、凄く感謝しています」と、レースではチームの懸命な作業に応えるように一時4位を走行するパフォーマンスを見せ、7位でフィニッシュした。「最後のトラブルはライスがシェクターを抜きにいったときに打つかって、僕はよけていったんだけど、クラッシュの破片踏んでタイヤがざっくり切れちゃったんです。もう2周だけだったし、イエローコーションだから抜かれないと思ったんですが、前にいかされちゃったんですね。それほど遅いわけでもなかったし、そのままコースを走行していても良かったと思うんですけど。そのへんのルールがまだクリアになってないですね」と、そのときをふりかえる松浦は、少し憤りを感じていた。前戦は6位、今回7位と結果だけを見ればポイントランキング5位と、健闘しているのは確かだが、自身の納得できるレースではない様子。もてぎでこの鬱憤を晴らす活躍に期待したい。