<TWIN RING MOTEGI>
ホームステッド-マイアミ・スピードウェイでのIRL合同テストは、ロードコース2日間の走行、そして各メディアへの取材対応のために設けられたメディアデーに続き、オープンテスト走行最終日、オーバルトラックでの走行日となった。この日のホームステッドは、強い東風と、雲の多い天候のため、走行開始時で19度、午後になっても23度までしか気温は上がらず、テストの3日間で最も過ごしやすい一日となった。
各チームは、前日のメディアデーを使って、オーバル用のマシンのセットアップを済ませ、午前9時からの走行に臨んだ。チップ・ガナッシ・チームの2台はロードコースで使用していたパノス・シャシーではなく、ダラーラ・シャシーに切り替えての走行となった。
午前中のトップはペンスキー勢。空力の新レギュレーションのチェックも兼ねての走行でセッションの早い段階で出したタイムがそのまま記録となった。トップはサム・ホーニッシュJr.(マールボロ・チーム・ペンスキー-Honda/ダラーラ)で、平均時速216.882マイル(約349km/h)、エリオ・カストロネベス(マールボロ・チーム・ペンスキー-Honda/ダラーラ)がそれに次いで216.652マイルとなった。3番手のスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング-Honda/ダラーラ)が215.553マイルと215マイル台に留まっている。4番手にはダニカ・パトリック(レイホール-レターマン・レーシング-Honda/パノス)の214.922マイル、5番手にトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング-Honda/ダラーラ)が214.666マイルという結果となった。
午後のセッションでは、26号車のマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング-Honda/ダラーラ)がコースに一番に飛び出して行き、周回を重ねた。チームメイトと一緒に走行したり、単独で走り続けたり、オーバルの習熟を課題としていた様子。午前中8番手の214.181マイル、午後にもう少しタイムを縮め、214.559マイル(総合13番手)でこのテストを終えた。ちなみに彼のこの日の走行は235周(サムと同数でこの日の最多ラップ)であった。
午後3時をまわっても、ペンスキー勢の午前中のタイムは更新されることはなかったが、セッション残り35分となったところで、各車が一斉にコースイン。何度かのイエローコーションを挟みつつ、ドラフティングを使い合って実戦さながらのテストを繰り返した。このドラフティングを使ってダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング-Honda/ダラーラ)が218.126マイル、ディクソンが217.185マイルを記録し、ガナッシ勢がオーバルでのテストを1-2で終えた。
松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング-Honda/ダラーラ)は、214.542マイルで、総合14番手に留まった。「今回はオーバル用のアップデートキットが到着していないという準備不足の面もありました。それに今日の午後はタイヤカットのイエロー(コーション)が多く、自分も右リアのタイヤを5本カットしましたが、最後にセッティングを詰めていくには悪循環なセッションになってしまいました」とコメント。アップデートキットは開幕までに間に合う予定なので、それで立て直しをしたいところだ。
また、今回の合同テストを終えて、HPD(Hondaパフォーマンス・ディベロップメント)のロバート・クラーク社長は「Hondaの歴史の中でも18台という多くのマシンにエンジンをサポートしたのはこれが初めてでしょう。今回のテストはチーム&ドライバーのためのもので、彼らが障害なくテストを終えるというのが目標だったが、3日間大きなトラブルがなく、満足のいくテストだった。これで準備は完了した。これからのシーズンに自信を持って臨んでいける」とコメントしている。