<US-RACING>
気温24度と若干涼しくなったホームステッド。オープンテスト最終日は開幕戦の舞台となる1.5マイル・オーバルを舞台に行われ、トップ・スピードをマークしたのは昨年のチャンピオン、ウエルドンだった。前回のフェニックスのテストに続き、今回もオーバルでトップになった昨年のインディ500ウイナーは、新チームという新しい環境でもフルに実力を発揮。しかもウエルドンが記録したスピードは2004年のライスのコース・レコード(217.388mph:24.5920秒)を上回る218.126mph:24.5088秒と、3.5リッター時代を凌ぐものだった。今年もウエルドンは強い。
2位はウエルドンのチームメイトであるディクソンで、217.185 mph:24.6150秒とほんのわずか及ばず。だがチーム同様、まだ慣れていないダラーラ・シャシーでこの位置はかなり立派。パノスをそのままストリート&ロードに使用し、オーバルではダラーラ投入という新しいチャレンジで2台揃ってトップを占めるあたり、今年は相当な意気込みを感じる。昨年までは浮かない顔が多かったディクソンだったが、今年はウエルドンという素晴らしいライバルを得てやる気満々。いきいきとした表情が、今の彼らの様子をすべて物語っているような気がする。
やはりオーバルではホーニッシュJr.が上手か? ロードコースの テストでは二日ともカストロネベスがトップだったが、オーバル ではホーニッシュJr.がきた。とはいえ、そのチームメイトはすぐ 後に着けており、二人の差はほとんどない。ロード・コースも含め た全体のパフォーマンスで行けば、今回のトップは間違いなくカ ストロネベスで、もっとストリート&オーバルのレースが欲しい ところだろう。しかし昨年の結果(オーバル)はカストロネベスが10位でホーニッシュJr.が12位と、雲泥の差ともいえる。ガナッシ同様、ペンスキーの二人も今年は大暴れの予感大!
今回のテストでは、昨年のチャンピオンチーム、アンドレッティ・グリーンがトップタイムを記録することは無く、ペンスキー、ターゲットの陰に隠れることになった。ロード・コースの総合タイムではフランキッティの5位、オーバルでもカナーンの5位が最高位と常にペンスキー、ターゲットの2チームより順位が下だった。昨年に関してはホンダ・ユーザーが優位だったのが今回のテストで明確になったような気がする。テストはトップタイムを記録することが目的で無いといえばそれまでだが、レースではその順位が反映されるともう。開幕戦でアンドレッティ・グリーンが今回のテストの結果を覆すような活躍ができるかが見ものだ。
ダラーラで初めてスーパースピードウエイを走行した松浦は、18台中14位となった。チームとしてもダラーラでの走行は3年ぶりとなり、やはりいきなりいいタイムを出すことは難しい。「一発のタイム自体あまり良くなかったんですけど、トップグループはドラフティングでのタイムですね。実際どの車が一番速かったかって比べるの難しいし、今日のラップチャートはあんまり意味が無いのかなっていうふうに思います。確かに単独でのスピードは少し遅かったんですけど、まだ自分達はホンダの空力のキットだとか、サスペンションのキットが届いていない状況でした。そうすればかなりドラック削れるだろうし、ダウンフォースも得られるっていうのはデータでもう出ています。それを開幕戦に車に着けて持って来れば、そこそこの戦闘力あるマシンにはなると思おもいます」と、合同インタービューで話した松浦。ダラーラで走行した感想としては「去年のGフォースに比べると、かなりトラフィックの中では良さそうな感じはします。もうちょっと大きいトラフィックに入ってみないと解らないんですけど、感じとしてはなかなか良かったんで、その辺が少し光が見えたとこじゃないかなと思います」と、手ごたえは感じているようだ。テストが少ないだけに満足なセッティングを掴むのは厳しい状況だが、開幕戦での活躍に期待したい。