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インディ・カー・オープン・テスト ホームステッド【初日】 フォト&レポート

<US-RACING>

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5日間で行われるホームステッドのオープン・テスト。初日は気温27度で快晴、少し蒸し暑いコンディションとなった。まずはロード・コースを舞台にプラクティスが始まり、1日目はペンスキーのカストロネベスがトップ・タイムをマーク。今年からホンダ・エンジンに戻った名門チームのエースは、71.0146秒を記録して絶好調だ。CART時代にミド−オハイオなどのロード・コースでダントツだったペンスキーを髣髴とさせる走りであり、カストロネベスはそのミド−オハイオでホンダの記念すべき50勝目(2000年)をマークしたドライバーだったりする。

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2位のタイムを記録したのは、意外にもホーニッシュJr.だった。昨年のストリート&ロードで今ひとつだったにもかかわらず、このパフォーマンスを記録したのは、やはりペンスキーだからだろう。彼らの持つロード・コースでのシャシーのセット・アップ能力は特に優秀で、今回のようなすべりやすい路面で抜群のトラクションを得ることができる。昨年と違い、トラクション・コントロールの使用ができなくなったということは、CART時代と同じシチュエーション。明日も上位にいたとしたら、今年のストリート&ロードでは揃って優勝候補の筆頭に上げられるはずだ。

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今回、ターゲットはロード・コースのテストでパノス・シャシーを使用している。これはチームのマネージング・ディレクター、マイク・ハルの意向のようだ。「オーバルではダラーラを使用することを決めたが、テスト期間も限られているし、着実に進んでいかなければならない。我々はパノスについて多くのセッティングを持っているし、パノスはロード・コースでとてもいいマシンだ」と、話した。その結果、ディクソンが3位、ウエルドンが午後のプラクティスで4位のタイムを記録。明日はペンスキーのタイムを更新できるか?

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今シーズンからトラクション・コントロールが無くなり、ロード・コースでのドライビングは昨年より確実に難しくなった。タイヤが温まるまでコントロールには十分注意しなければならない。午前のプラクティスではウエルドンがターン3でスピンを喫した。現場で撮影していたのだが、ほんとうにちょっとした弾みでターン2とターン3の間でくるっと周り、タイヤバリアに軽く接触。止まらないマシンは、もうちょっとでコンクリートウォールに激突するところだった。昨年チャンピオンでセント・ピーターズバーグを制したウエルドンでも、マシンコントロールが難しいようだ。

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シャシーなどのレーシング・イクイップメントをオークションに出し、撤退確実と思われていたパンサー・レーシングだったが、急遽メイラをドライバーに迎えて今年も参戦することが決まった。スポンサーのペンゾイルも復活するのではないかと言われていたが、そのロゴはなく、参戦資金がどこから出てきたのか少し不思議。だがメイラはとても良いドライバーで、今回も5番目のタイムをマークするなど、実力は高い。エンジニアはもとガナッシでモントーヤなどを担当していたバッパスで、その前はウォーカーでド・フェランを担当するなど、南米系ドライバーとのマッチングが良かった。ブラジリアンのメイラには、ぜひ初優勝を期待したい。

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ダラーラで初のロード・コース走行となった松浦。午前はクラッチやギアのダウンシフトの問題が発生し、修理に時間を取られて12位に終わったものの、午後の走行では8位までポジションアップした。「パーフォクトとはいえないけど、今日一日でロード・コースでもだいぶ乗れるようになりました。バランスも良くなってきて、やって良い事、悪い事がよく分かったし、自分達の目指す方向が少しずつ見えてきました。クルマのレスポンスがいいですね。なにをしたらどうなるかっていうのが凄く分りやすだけに、セットアップもやりやすいです」と、マシンについて話した松浦。「パノスと比べると乗りやすいですか?」という質問には、「そんなには変わらないですよ。基本的にまだこのレベルだと。でもスコットと比べても僕の方がデータで見る限り、コンマ5秒くらいは速く走れそうです。ひょっとしたらパノスよりコンマ2秒ぐらいは速く走れるかなって感じはしますね」と話した。明日はトップチームのタイムに近づくよう、タイムの更新を期待したいところだ。