<US-RACING>
午前中は曇っていたフェニックス・インターナショナル・レースウエイだが、午後からは快晴。15台が集まった今回のテストで、トップ・タイムをマークしたのはカナーンだった。2003年と2004年にこのフェニックで優勝しているカナーンは、20.6161秒をマーク。唯一174マイル台に入れた。午前中は今年デビューするマルコのマシンをシェイクダウンしたり、コーチ役として積極手にアドバイスしていたカナーン。2004年のチャンピオンはチームのリーダー格として、AGRを3年連続チャンピオンに導きたいところだ。
総合2番手には、再びホンダ・エンジンを搭載することになったペンスキーのカストロネベスが入った。CART時代、2000年からホンダ・ユーザーとなったチーム・ペンスキーは、それまで勝てなかった鬱憤を晴らすかのような大躍進を遂げ、ド・フェランが2年連続タイトルを獲得。当時と同じように、ホンダ・エンジンを搭載した今年、大活躍するのは間違いない。AGRが最も恐れているのがこのチームであり、カストロネベスとホーニッシュJr.のコンビ+抜群のセットアップ能力は、今年も随所で発揮されるだろう。
ウエルドンのチーム移籍で、デビューが決まったマルコ・アンドレッティ。ほんの5年前は、祖父のマリオとともに父親の走りを見守っていたマルコが、ついにトップ・クラスのフォーミュラまで上り詰めた! 昨年のインフィニティ・プロ・シリーズでは、ストリート&ロード・コースで3回のポール・トゥ・ウインを達成したマルコ。オーバルでの経験不足が少し心配だが、きちんと先輩たちの言うことを守り、精進に励んで欲しい。オーナーの父親をはじめ、2004年のチャンピオンであるカナーンや、フランキッティ、ハータと最高のサポート体制であり、ある意味、父親がデビューした頃よりも恵まれているかもしれない。その環境を生かすも殺すも、本人次第だ。
F1行きの噂もあった松浦だが、このテスト直前にIRL継続を発表。3年目のシーズンを迎えることになった。初日を終えた松浦のコメントを聞いてみよう。
「4ヶ月ぶりですね。最後のフォンタナのレース以降、レーシング・カーっていう物に乗ってなかったんですけど、久しぶりに乗って、自分のチームの大きな変更、シャシーをダラーラに変更したりだとか、エンジニアが換わったりだとか、いろんな部分でかなり良い感触が得られました。エンジニアはスコット(シャープ)の担当だった、クリス・フィンチになっています。今日は60周ちょっと走ってタイヤも1セットしか使ってないし、まだ2セット新品が残ってるんで、明日はかなり行けると思います。自分としては手応えがありましたし、本当に今年が楽しみだっていうか、やっとこれで言い訳ができ無い。今まで調子悪いと“やっぱりシャシーが駄目なのかな”っていう部分が頭の中に、どっかにずっとあったんですけども。本当に思い切った決断をして良かったと思うし、今年が楽しみです。ダラーラの方が断然乗り易いし、車のメカニカルグリップが全然違う様に感じますね」
ターゲットの真新しいレーシング・スーツが新鮮なウエルドン。新しい体制となって本来の力が発揮できるか懸念されるところだが、チームは今年からダラーラに換わり、乗り慣れたシャシーだけにウエルドンの経験がプラスとなりそうだ。また、チームは今年からパンサーのベテラン・エンジニアだったアンディ・ブラウンを招聘。ホーニッシュJr.の2年連続タイトルに貢献したエンジニアはダラーラの経験が豊富だ。ガナッシはかつてCART時代に4年連続タイトルを獲得したホンダと、突然別れて物議をかもしたことがある。今年からワンメイクとなったため、再びHマークを纏うことになった。