INDY CAR

松浦孝亮、今シーズン最終戦のスターティンググリッドは12番手

<SUPER AGURI FERNANDEZ RACING>
2005 IRLインディカー・シリーズ第17戦「トヨタ・インディ400」
■■10月15日予選■■■
天候:快晴/気温:25℃/時間:15時00分〜(日本時間16日6時00分〜)
<好天の中迎えた今シーズン最後のクオリファイ・セッション>————
2デイ・イベントで行われている2005年IRLインディカー・シリーズ最終戦フォンタナは、朝から南カリフォルニアならではの好天に恵まれた。ロサンゼルスから内陸へと入ったフォンタナは、10月中旬とはいえ日中はとても暖かい。今週末最初の走行が始まった時、すでに24℃という過ごしやすさになっていた。 カーナンバー55をつけるパナソニックARTA/パノス・Hondaに乗る松浦孝亮は、最初のプラクティスにグループ2で出走した。全長2マイルのカリフォルニア・スピードウェイは、IRLインディカー・シリーズ中でも最も高速のタイプに属するスーパースピードウェイ。ここで松浦は平均速度215.942mph(約347.450km/h)に迫るベストラップを記録した。ラップタイムは33秒3423だった。
<プラクティス15番手ながら、セッティングは前進>———————-
プラクティス2回の後に予選が行われる2デイ・イベントではマシンの性能をフルに引き出すには走行時間が限られており、最初のプラクティスを走り出した際のセッティングの良し悪しが大きな意味を持ってくる。このセッション、松浦のマシンは大きなアンダーステア傾向が出ており順位は15番手。トップとの間にはラップタイムにして0.5694秒の差があり、出足は決して良いとは言えなかった。もちろん、超高速のコースであるが故にドラフティング使用のメリットを生かせたかどうかが、各自のラップタイムには大きく影響している。
松浦のベストラップは22ラップを走ったうちの21周目に出されていた。このことが示す通り、松浦とスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングのクルーたちは走行を重ねながらパナソニックARTA/パノス・Hondaのセッティング向上に成功した。ただ、タイヤがまだ新品に近い状態でドラフティングを利用した走行を行わなかったため、上位に食い込むだけのラップタイムを出すことができなかったのだ。
短いインターバルを置いて行われたプラクティス2回目、松浦がマークしたベストラップは33秒4157だった。平均速度は215.468mph(346.688km/h)と、1回目よりもタイムは後退した。これは多くのイエローフラッグによってセッションが中断された影響であり、ベストラップもプラクティス1回目より遅かったのだ。松浦のポジションは、プラクティス1回目と同じ15番手だった。
<予選で自己ベストをマーク。明日につながる12番グリッド>————–
正午過ぎには26℃まで上がった気温も、午後になって徐々に風が強まってきたため、25℃までわずかながら下がった。気温による路面の変化などはほとんどなかったが、予選を前にしてさらに風の勢いが強まっており、ギヤレシオの選択やドライビングには難しい条件になっていた。
松浦は19番目のアタッカーとしてコースイン。計測1周目、松浦の記録したタイムは33秒2805。プラクティスの自己ベストを上回るタイムをマークした。この時点での予選順位は13位となった。続く2周目、松浦は33秒1741へと再度自己ベスト更新を果たし、平均速度217.037マイル(約349.213km/h)で11位へと繰り上がった。松浦の後にアタックしたドライバーの中の1人がこれを上回ったため、パナソニックARTA/パノス・Hondaは12番グリッドから決勝レースをスタートすることに決まった。2回のプラクティスでは思い通りにプログラムをこなせなかったスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングだが、予選を前にしたセッティングの調整が功を奏し、松浦のドライビングもほぼパーフェクトで、12番グリッドを獲得。決勝へ向けても明るい展望を持てる状況を手にしている。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「予選のマシンはパーフェクト。明日は後半の100ラップに勝負を賭けます」
「マシンがプラクティスより良くなったというより、やっとまともに走れた、というのが今日の予選でした。2回のプラクティスでは、トラフィックを走ってレース用セッティングを確認しようとするとタイミングが悪く他のドライバーたちが走っていなかったり、タイムを出せそうなラップの途中でイエローが出たりしましたから。自分たちの走行グループではアクシデントがあったためにあまり走り込めず、満足できるラップタイムが出せないまま予選を迎えました。エンジニアたちもかなりイライラしていましたが、それも仕方がありませんでした。そういう状況だったことを考えれば、予選で出したタイムは思っていたよりも良かったですね。風が強いコンディションになっていましたが、ギヤリングもほぼ納得できるものでした。エンジニアたちの読みが的確だったということです。欲を言えば、5速はあと50回転ぐらい高い方が良かったんですが、ほとんどパーフェクトと言ってもいいレベルになっていました。風の中での走行ではターン1〜2、ターン3〜4でハンドリングのバランスが逆になるのでとても難しいのですが、その点はとてもスムーズでした。アタック2ラップ目では、1ラップ目よりもギヤチェンジのポイントを少し早めにして、それがタイムアップに繋がりました。ダウンシフトしたときに少しリミッターに当たってしまったんですけど、向かい風のバックストレッチを速く走るためには少しでも高いエンジン回転数を保ちたかったので、タイミングを早めたわけです。明日は今年最後のレースです。400マイルと距離が長く、コースコンディションも走る中で変化します。前半からトップグループへと喰らいつき、後半の100ラップで勝負を賭け、良い結果を手に入れたいと思います」
<サイモン・ホジソン:チーム・マネージャー>
「明日はよいマシンに仕上げられると考えている」
「今日の出足を考えれば、自分たちの予選結果はとても良いと言えるだろう。プラクティスはイエローフラッグが多く、走行時間が減らされてしまった。特にプラクティス2回目がそうだった。30分間を決勝用セッティングにあて、残る15分間で予選用シミュレーションを行う計画だったが、アクシデントもあり、イエローも多かったために十分な走行を行えなかった。こうした事情もあって、予選では少しではあるが未知のゾーンへと足を踏み入れたセッティングを試みた。その結果、コウスケにとても良いバランスのマシンを提供することができた。今回のレースを前にスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングは7ポストリグでのテストを行い、2種類の新しいセットアップを見つけ出した。ふたつのスプリングパッケージだ。チームメイトのスコット・シャープとコウスケは今日のプラクティスで異なるパッケージをトライし、コウスケはテストでの状況からさらに一歩進んだセットアップへと到達している。明日のウォームアップセッションではそのセットアップをベースにするつもりで、大きな変更や新しいトライをすることは考えていない。燃料を多めに積み、トラフィックの中を走ってレース用セッティングを最終的に決定することになるわけだが、とても良いベースラインをすでに得ているので、良いマシンに仕上げることができるだろう」