<DREYER & REINBOLD Racing>
インディカー・シリーズ第10戦ABC Supply Co. / A.J. Foyt 225練習日レポート
先週末のナッシュビルに引き続き、IRLインディカー・シリーズは、ミルウォーキーでの第10戦が行なわれることとなる。ミルウォーキーはウィスコンシン州南東に位置し、ミシガン湖に面した街である。ドイツ系移民が多く移り住んだ街として、「Miller」ビールの工場があり、ダウンタウンには他ビールの工場跡地も残っている。また、少し西へ行けば、アニメ「あらいぐまラスカル」の舞台になった小さな街があり、今も当時と変わらず、湖と川、そしてトウモロコシ畑が広がる農村地帯となっている。レースは、ミルウォーキー・ダウンタウンの西の外れ、「ザ・ミルウォーキー・マイル(通称:ザ・マイル)」で行なわれる。ザ・マイルはもともとは競馬場となっていたところで、今もそのレイアウトは変わらず、直線が長くコーナーのきつい全長1マイルのコース。バンクの少ないフラットでタイトなコーナーが難コースと言われる所以である。
3日間用意されているレースウィークの初日は、前日までの雨から一転、好天に恵まれ朝から強い陽射しが照りつける1日となった。この日は練習走行日となっており、1時間と30分の2回の練習走行枠が設けられていた。ドレイヤー&レインボールド・レーシングは、前回ナッシュビルでの11位完走を受けてさらなる好結果を残すべく準備を進めてきたが、マシンはまたしてもハンドリングが不調。午前中の1セッション目を終え「エアロバランスがズレている」というロジャー安川の報告を受けて、チームはパッド上で再チェックを行ない安川のリクエストに合わせてマシンを修正した。
そして臨んだ午後のセッションでは、1グループ目全11台中6番手、総合で14番手のベストタイム(平均時速159.528マイル)までマシンを戻すことができた。結果的にこのタイムはこの日の総合で19番手のタイムに留まった。
このコースは低バンクであるため、タイヤに負担がかかるようなコースになっており、ユーズドタイヤよりニュータイヤのほうが明らかに好タイムが出せ、今日のタイムもニュータイヤで出したタイムとなっている。しかし、ニュータイヤでごまかしが効く分、ベースセットが悪いとユーズドタイヤになったときのタイムの落ちも激しい、と見ており、明日の予選後のセッションではロングランも含めて本番に向けたマシン作りを行なう予定。
明日はインディカー・シリーズ第10戦の予選日となる。午前中に3回目のプラクティス、夕方には最終プラクティスがあり、予選セッションは午後12時35分(日本時間7月24日午前2時35分)にスタートの予定。安川の予選出走順は15番目となっている。
ロジャー安川(ドライバー#24カー)
「今日も持ってきたマシンがバランスが合っていないくて、1セッション目を無駄にしてしまいました。去年のデータをもとにマシンを作ってきてくれるんですが、やはり同じスタッフでやっていないこともあって、データがうまく活きていませんね。特にエアロデータは5%ずれたら全く違うものですからね。もう少し効率良くできれば、マシンのセットアップももっと進むんですけどね。シーズン始めはこんなことが無かったのに、このところこういったズレが多くすごく厳しいレースになってしまっています。今回は(修正している時間のある)3デーのレースでよかったですが。明日はセッティングをもう少し詰めます。トップと1秒落ちじゃレースは厳しいですからね。せめてコンマ3秒落ちくらいまでに収めたいと思っています。予選前の午前中のセッションは予選シミュレーションも行ない、少しでも前からスタートできるようにしたいです」