<US-RACING>
二日目も快晴となったセント・ピーターズバーグで、プラクティスは再びカストロネベスがトップに立ったが、シングル・カー・クオリファイではフランキッティがトップ・タイムをマーク。続いて上位6台によって争われた最終アタックでは、ハータが大逆転のスーパーラップを披露して連続ポール・ポジションとなる。日本勢は松浦がパノス勢最上位となる7位で、トップ6入りならず。初日のクラッシュが響いた安川は18位に終わった。
●プラクティス3:全プラクティスをカストロネベスが制覇
朝方は曇っていたセント・ピーターズバーグだが、セッションが始まるころには晴れ間が出始め、気温は20度まで上昇。午前9時20分から3度目のプラクティスが始まった。昨日の午後と同様、このセッションも2グループに分けられ、初日の遅い組10台からスタート。30分のセッションに続いて早い組の11台が走った。このプラクティスでトップ・タイムをマークしたのは、またしてもカストロネベス。ただ一人62秒台へと突入し、62.7589秒を記録してみせる。2位には昨日11位と中段に埋もれていたウエルドンが上がり、3位はハータと今度は違うAGRの2台が続く。
●予選:ハータが最後に大逆転し、連続ポール
通常のオーバルと同様、シングルカー・クオリファイとなった予選。初日のプラクティスの速い順か、それとも遅い順でアタックするかどうかを、プラクティスでトップ・タイムをマークしたドライバーが選ぶ。トップだったカストロネベスはより路面にラバーが乗る最後にアタックすることを決め、昨日の最下位だったフォイトからスタートするはずだったが、フォイトはシフト・トラブルのために、カーペンターからアタックが始まった。
たった1周だけの緊張感溢れるラップが続き、安川が3番目にアタック。昨日の午前中のクラッシュで午後を走れなった安川は、「今日の朝のセッションを決勝用のセット・アップに費やした」と本人が言うように、予選用のマシンを作り上げることなくほぼぶっつけ本番となった。そのせいかタイムは65.7824秒と伸び悩み、最終的に18番手のグリッド確保に留まる。
片や、アメリカで初めてのストリート・コース挑んだ松浦は、14番目に登場して果敢にアタック。チーム・オーナーの鈴木亜久里から「絶対に無理はするな」というアドバイスを忠実に守り、確実に最後まで走りきってこの時点で3番手に躍り出た。「ほぼ思いどおりの走りができました」と語っていた松浦だったが、その後ダラーラ勢がどんどんと上位に進出し、最終的に7位。6位までのマシンで行われる“ファイアストン・ファスト・シックス・クオリファイ”への参加は叶わなかった。
白熱した予選は、終盤になってハータやカナーンが好タイムを記録。最後から2番目にアタックしたフランキッティが63.0384秒をマークし、スタンドから歓声が上がる。注目のラスト・アタッカー、カストロネベスの走りに注目が集まったが、63.1975秒とフランキッティにほんのわずか及ばず2番手。上位6台(フランキッティ、カストロネベス、ハータ、カナーン、エンゲ、ホーニッシュJr.)でのスペシャル・ステージにかけることとなった。
10分間で最後の調整を施し、午後3時57分から始まった最終セッション。10秒ごとにコースインした6台はぎりぎりの走りを何度も披露し、軒並みスピードをアップしていく。まずはカストロネベスが62秒台に入れる62.6933秒を記録し、カナーンも62.9789秒をマーク。だがハータがさらにそれらを上回る62.5096秒を叩き出し、最後まで誰もこのタイムを破ることなく10分間の最終アタックが終了した。
フェニックスに続き2戦連続のポール・ポジションを獲得したハータ。2位はすべてのプラクティスでトップだったカストロネベスで、3位には底力を見せたカナーンが入った。シングルカー・クオリファイでトップのフランキッティは結局4位に終わり、トップ6入りした唯一のルーキー、エンゲが5位。予選で大健闘したホーニッシュJr.が6位となる。この6台すべてがダラーラで、7位がパノス最上位の松浦だ。
終わってみればホンダがポール・ポジションを獲得し、3位、4位、5位と上位のグリッド占めることとなった。トヨタの期待だったカストロネベスは最後まで健闘するも、2位に食い込むのが精一杯。シボレーは国際F3000出身であるエンゲの好パフォーマンスが目立ち、トップ5入りとなる。スターティング・グリッドが重要なストリートで、ホンダ勢がトップ10中最多の5台。トヨタが3台、シボレーが2台といった割合だ。果たして明日のIRL初のストリート・コースでのレースで、最初のウイナーとなるのはいったい誰か。