INDY CAR

●インディ・カー・シリーズ第2戦 フェニックス【決勝日】 ホーニッシュがほぼ1年ぶりの優勝、松浦が10位、安川はリタイア

<US-RACING>
いまにも雨が降りそうな曇り空となったフェニックスで、10回目のIRLがスタート。フロント・ローのAGRの2台はピットインのタイミングが悪く、後退を余儀なくされた中で、ペンスキーの2台が上がってきた。そこに最後列スタートのカナーンが割って入るも、カナーンは燃料ホースのトラブルで後退する。終盤はフランキッティがトップに躍進するが、最後のピットで燃料だけを入れたホーニッシュが前に。フレッシュタイヤの2番手フランキッティは残り10周にかけたが運悪くコーションとなり、再スタートでタイヤカスに乗ってウォールへ。ことごとく不運に見舞われたAGRを退けて、ペンスキーがワンツーを達成した。日本勢は松浦が一時4位までポジションを上げ、苦手としていたショートオーバルで大活躍を見せる。一方、安川はウエイトジャッカーの故障で無念のリタイアに終わった。
【ラップ・バイ・ラップ・レポート】
・レースは1マイルのオーバルコースを200周、計200マイル。
・ピットロードの制限速度は時速60マイル。 
・マシンがコースインしてから3周目にグリーンフラッグが振られる。
・インディ500で3回優勝を飾ったジョニー・ラザフォードがシボレーSSRセイフティ・カーで先導。
・今回割り当てられる燃料は90ガロン。
午後1時、気温17度/湿度57%、北の風2m、曇り空。ファイアストンのエンジニアによれば、路面温度は24度。
12時56分:各ドライバーがマシンへ乗り込む。
1時5分:タイトルスポンサー、XMサテライトラジオ社CEOのヒュー・パネロの掛け声により、各マシンが一斉にエンジン始動。
1時6分:各マシンがグリッドを離れてパレードラップへ入る。
1時9分:グリーン・フラッグ。ハータがターン1を制するが、ターン3でウェルドンが巻き返してトップに立つ。フランキッティとホーニッシュJr.が軽く接触。
Lap 1:ウェルドンがオープニングラップで2位以下に0.5561秒のリードを取る。
Lap 2:21番手スターとのカナーンが9番手までポジションを上げる。
Lap 6:ウェルドンがハータを0.8302秒リード。上位3台のマシンが4位以下の集団を1.5秒引き離す。
Lap 10:ウェルドンがカストロネベスを1.9615秒リード。トップ5の順位はウェルドン、カストロネベス、ハータ、シェクター、ホーニッシュJr.
Lap 12:スローペースのダナがブラックフラッグを受ける。この直後イエロー・フラッグ。 ターン2でライスが単独クラッシュしたことが原因。ライスは自力でマシンから降りてセイフティーカーに乗る。
Lap 17:ダナがコースへ復帰する。
Lap 18:リーダー達が最初のピットイン。ウェルドンが最初にピットを離れる。カナーン、バロン、ホーニッシュ等は燃料補給のみ。ホーニッシュとカーパンティエがフロントウイングの調整を行なう。カナーンがピットレーンでカーパンティエのフロント部分と接触。ダメージは無し。
Lap 20:トップ5の順位は、ウェルドン、ハータ、フランキッティ、マニング、メイラ。
Lap 26:グリーン・フラッグ。
Lap 28:フランキッティがターン1でハータをパスすることを試みるが、順位は変わらず。
Lap 29:ブリスコーがピットイン。フロントウイングにダメージを負ったためこれを交換。
Lap 30:トップ5の順位は、ウェルドン、ハータ、フランキッティ、マニング、松浦。
Lap 31:ウェルドンが2位ハータに0.7101秒の差をつけリード。
Lap 34:トップのウェルドンが、周回遅れのマシンに追いつく。
Lap 37:マニングとダナが軽く接触。
Lap 40:ウェルドンがハータに1.3026秒の差をつけてリード。トップ5の順位は、ウェルドン、ハータ、フランキッティ、マニング、松浦。アクシデント後、メディカルセンターでチェックを受けたライスが異常なしとのことでリリースされる。
ライスのコメント:「スタート前、マシンにかなりアグレッシブな変更を行なった。ポイントを獲得する必要があったのに、自分のミスでこのような結果になってしまった。これもレースだから仕方がないが・・・」
Lap 42:ダナがピットレーンでマシンを降りる。
Lap 45:ホーニッシュJr.がカナーンのインからパスを試みるがここではパスならず。
Lap 47:ウェルドンが2位以下との差を3秒へと広げる。
Lap 48:エンゲがコースのインサイドでスロー走行。
Lap 50:トップ5の順位は、ウェルドン、ハータ、フランキッティ、松浦、カストロネベス。
Lap 51:エンゲが再びスピードアップする。
Lap 52:ウェルドンがハータを4.7053秒差でリード。安川がピットインして燃料補給とタイヤ交換を済ませる。
Lap 58:安川がコースのイン側でスロー走行。
Lap 60:ウェルドンが1.8973秒差でハータをリード。トップ5の順位は、ウェルドン、ハータ、フランキッティ、カストロネベス、カナーン。
Lap 61:安川が再びスピードアップしてレースを続行。
Lap 65:ハータがウェルドンに接近。
Lap 67:ウェルドンが0.9723秒の差でハータをリード。
ダナのコメント:「昨日のクラッシュのあと、ペースが上がらなくなっていた。何とかレース中にペースアップしようと思ったのだが、マシンのスライドが止まらず、ほかのドライバーのラインに入ったりするので危険だった。2戦連続で無線のトラブルにも見舞われたことで、事態は更に悪い方向へといった。そのあとガナッシのマシンと絡んでしまったが、大きな事故にはならなかったのは幸いだった。もてぎまでにはなんとかテストを行なってパフォーマンスを向上したいところだ」
Lap 70:トップ5の順位は、ウェルドン、フランキッティ、ハータ、カストロネベス、カナーン。
Lap 71:フランキッティがトップのウェルドンに0.5秒と迫る。
Lap 72:フランキッティがターン1の進入でトップに上がる。メイラがピットインして燃料とタイヤを交換。
Lap 74:先頭集団がピットインに向かう。
Lap 75:ターン4のバリアに接触して停止したエンゲのマシンを牽引するためにフルコースコーションが提示。ほぼ同時にフランキッティがピットロードへと進入するが、そのままコースへ復帰する。
Lap 77:ピットはオープン。
Lap 78:多くのマシンがピットストップを行なう。
Lap 80:トップ5の順位は、カナーン、カストロネベス、ホーニッシュJr.、松浦、マニング。カナーンが燃料補給のみのピットイン。カストロネベスがトップに立つ。
Lap 82:グリーンフラッグまで残り1周。
Lap 83:グリーンフラッグ。カストロネベスがリード。
Lap 86:2位のホーニッシュJr.がカストロネベスとの差を0.7623秒まで縮める。
Lap 89:ブリスコがターン4のウォールに接触するがそのまま続行。
Lap 90:カストロネベスがホーニッシュJr.を0.1796秒リード。トップ5の順位は、カストロネベス、ホーニッシュJr.、フランキッティ、松浦、マニング。
Lap 92:フランキッティがトップ2台のマシンに迫る。
Lap 95:カストロネベスがホーニッシュJr.を0.2527秒リード。
Lap 98:ホーニッシュJr.とフォイト?と軽く接触。
Lap 100:カストロネベスがフランキッティを0.5329秒リード。トップ5はカストロネベス、フランキッティ、ホーニッシュJr.、松浦、カナーン。
Lap 102:引き続きフランキッティがトップのカストロネベスとの差を詰める。
Lap 105:カストロネベスが0.4950秒の差でリードをキープ。
Lap 108:カナーンが4位へポジションアップ。
Lap 113:イエロー・フラッグ。ブリスコがターン4でウォールに接触。
Lap 115:ピットはオープン。ほとんどのマシンがピットイン。
Lap 119:ピットストップを行なうべき最後のラップ。
Lap 120:トップ5の順位は、カストロネベス、ホーニッシュJr.、フランキッティ、シャープ、松浦。 再スタートに向けて、周回遅れのメイラ、安川、カーペンターの3台が、集団の後方へと下げられる。
Lap 121:再スタートまで残り1周。
Lap 122:グリーン・フラッグ。
Lap 123:カストロネベスとホーニッシュJr.がサイド・バイ・サイドのバトルを展開。最終的にホーニッシュJr.がトップに立つ。
Lap 124:フランキッティがターン1でカストロネベスをかわして2位にポジションアップ。
Lap 125:シェクターが集団の後方から追い上げて、ポジションを上げる。
Lap 127:トップ3のマシンが4位以下の集団に対して2秒以上の差をつける。
Lap 128:フランキッティがターン1でトップのホーニッシュJr.に並びこれをパス、トップに立つ。
Lap 130:トップ5の順位は、フランキッティ、ホーニッシュJr.、 カストロネベス、シャープ、シェクター。
Lap 131:トップに立ったフランキッティが2位以下との差を0.5秒へと広げる。
Lap 136:フランキッティのリードは1.5511秒へと広がる。
Lap 140:トップ5の順位は、フランキッティ、ホーニッシュJr.、カストロネベス、シャープ、カナーン。
Lap 143:いったん広がったフランキッティのリードが2秒以下へと縮まる。
Lap 147:フランキッティのリードは1秒以下へと縮まる。メイラがピットインして燃料補給とタイヤ交換を済ませる。
Lap 150:フランキッティが0.9882秒差でホーニッシュをリード。トップ5の順位は、フランキッティ、ホーニッシュJr.、カストロネベス、シャープ、カナーン。
Lap 153:トップのフランキッティにホーニッシュJr.が迫る。
Lap 160:トップ5の順位は、フランキッティ、ホーニッシュJr.、カストロネベス、シャープ、カナーン。
Lap 164:ホーニッシュJr.がターン1のイン側からフランキッティに仕掛けるがパスはならず。
Lap 168:フランキッティが再びリードを1秒以上へと広げる。
Lap 170:フランキッティが1.4392秒でホーニッシュJr.をリード。トップ5の順位は、フランキッティ、ホーニッシュJr.、カストロネベス、カナーン、シャープ。
Lap 174:フランキッティは後続との差を2秒以上へと広げる。
Lap 179:フランキッティが最後のピットストップを行ない、燃料補給とタイヤ交換を済ませる。
Lap 180:ホーニッシュJr.が0.7988秒差でカストロネベスをリード。
Lap 185:ホーニッシュJr.が0.8087秒差でカストロネベスをリード。
Lap 187:ホーニッシュJr.がピットイン。タイヤ交換はせず燃料補給のみ。
Lap 188:カストロネベスとシャープがピットインして燃料補給とタイヤ交換を行なう。
Lap 189:最後のピットストップを済ませた後、ホーニッシュJr.とフランキッティがカストロネベスをパスしてトップ争いを展開。トップ5は、ホーニッシュJr.、フランキッティ、カストロネベス、ハータ、カナーン。
Lap 190:ホーニッシュJr.が0.5056秒差でフランキッティをリード。
Lap 193:イエローフラッグ。シェクターがマシン右側からターン4のウォールにヒット。
Lap 194:シェクターが自力でマシンを降りてセイフティ・カーに乗り込む。
Lap 195:ピットはオープン。
Lap 198:グリーン・フラッグ。 トップのホーニッシュJr.をフランキッティがターン2でパスすることを試みる。しかしホーニッシュJr.はラインをセンターよりに持ってきたため、フランキッティは大きく外回りを余儀なくされ、ウォールに軽く接触して失速する。ここでカストロネベスとカナーンがフランキッティをパスしてポジションを上げる。
Lap 200:ホーニッシュJr.が2位のカストロネベスに1.0408秒の差をつけて、XMサテライト・ラジオ・インディ200を優勝。以下3位カナーン、4位フランキッティ、5位シャープと続き、松浦は2周遅れの10位完走、安川はハンドリング・トラブルで18位リタイアに終わった。
【XMサテライト・ラジオ・インディ200ポスト・レースノート】
●2004年の開幕戦以来の優勝を飾ったホーニッシュJr.は、これでIRL自己通算13度目の勝利。IRLドライバーとしては、最多優勝記録を更新した。
●今回の勝利はチーム・マールボロ・ペンスキーにとってフェニックスにおける13勝目で、昨年の最終戦、Chevy 500でカストロネベスが優勝して以来の勝利。
●チームメイト同士のワンツー・フィニッシュは、IRL史上通算14回目。これ以前では、ペンシルバニア州ナザレスでアンドレッティ・グリーン・レーシングのウェルドンとカナーンが達成して以来。チーム・ペンスキーのワンツー・フィニッシュは、2004年の開幕戦、フロリダ州マイアミ・ホームステッド以来となった。
●自己通算100回目の出走で5位に入賞したスコット・シャープは、2003年のミシガン以来のトップ5フィニッシュを果たした。