INDY CAR

2005年シーズン・スタートに向け、ロード、オーバルともにHonda Indy V-8勢が快調な滑り出し

<Honda>

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■開催日:1月22日(土)
■開催地:フロリダ州ホームステッド
■サーキット:ホームステッド・マイアミ・スピードウェイ・オーバルコース(全長1.5マイル)
■天候:快晴
■気温:24度
IRL IndyCarシリーズの主催により、フロリダ州のホームステッド・マイアミ・スピードウェイで開催された2005年最初の合同テストは、1月19、20日の二日間がロードコース、22日の1日間がオーバルコースで行われ、Honda Indy V-8勢は両コースでトップタイムをマークする幸先良いスタートを切った。今年も開幕戦の行われるホームステッド・マイアミ・スピードウェイは、全長1.5マイルのオーバル、そして、全長2.21マイルのロードコースとして使用が可能なことから、出場チームは両タイプのコースを使ってのテストを移動することなくできた。
今年のHondaは4チーム、10台へと供給体制を拡大。その10台すべてがマイアミ入りし、大きなトラブルもなく着々と周回を重ねて行った。テスト最終日は土曜日ということもあり、グランドスタンド、パドック、ピットエリア後方までがファンに開放され、開幕を待ちきれない熱心なファンが、オーバルコースでダイナミックな高速走行を続けるインディカーに見入っていた。
ロードコース・テストで1、2番手のタイムを独占したHonda Indy V-8勢は、オーバルコースでのテストでも好調を維持し、トップから6番手までを占めた。24秒9185=平均時速214.539マイルでトップに立ったのは、2004年Indy500ウィナーのバディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング)。今年からHonda Indy V-8を使うスコット・シャープ(フェルナンデス・レーシング)が2位。そして、3位はダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)だった。
参戦2年目の松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング)は、トップのライスとわずか0.0721秒差の4番手につける好スタートを切った。一方、昨年は2レースだけの出場で、今年は2003年に続く二度目のフルシーズン・エントリーを行うロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング)は、細かなトラブルも出たために周回数が少なかった。それでも安川はマシンの仕上がり具合には満足しており、25秒3219、18位という順位で初テストを終了した。
ロードコース・テストの行われた1月19、20日の両日は気温が低く、肌寒く感ずるほどだった。しかし、オーバル走行の行われた最終日=3日目は雲ひとつない空が朝からサーキット上空に広がり、日中の気温は24度にまで達した。最後の最後、小雨が落ちて来たためにテストは数分間短縮されたが、2005年シーズンの到来間近を感じさせる3日間のテストは成功裏に終了した。
●バディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング) 1位(24秒9185)
去年のここでのレースでボクらはポールポジションを獲得しているし、今日オーバルを走った際のマシンのパフォーマンスには別に驚くべきようなものではなかった。新たにコンビを組むこととなったエンジニアとの仕事にも満足している。多くのセッティングをトライし、多くのことを学びとることができた。まだロードコースに関してはやるべきことがいっぱいある。次のテスト、フェニックスに向かうのが今からとても楽しみだ。去年のボクらは1.5マイル以上のコースで好成績を残したが、それらのコースと同じだけの自信をショート・オーバルでも身に着けたいからだ。
●松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング) 4位(24秒9906)
ロードコースでのテストでは、空力、サスペンションなど、かなり多くのセッティングをトライし、インディカーで初めて行うロードコースでのレースに向け、大まかなデータを揃えることができたと思います。3ヶ月ぶりで走ったオーバルでも良い走りができましたし、マシンのセッティングも走り出してすぐから良いもので、この3日間のテストは満足の行くものとなりました。オーバルではクルーががんばってくれたおかげもありトラブルフリーで203周も走ることができ、タイムも4番手と良いものでした。Hondaエンジンはパワーもあり、オーバルでは予定していた以上の距離を走りましたが耐久性も良く、これならインディ500も全然問題なく走れると感じました。
●ロジャー安川(ドレイヤー&レインボールド・レーシング) 18位(25秒3219)
全体的に見て納得の行くテストにできました。ロードコースは自分たちのチームにとって新しいものなので、まだやるべきことがたくさんあります。今後、チームと力を合わせてパフォーマンスを向上させていきたいと思っています。オーバルでも最後に小さなトラブルがでてしまい、早めに切り上げなくてはなりませんでしたが、いろいろなセッティングを試せましたし、仕上がりは自分の満足の行くものとなったので、明日がレースだと言われても大丈夫です。今回はボクらのチームにとってHondaエンジンで走る初めてのテストで、細かい調整が必要な部分があります。それらを行えば、さらに良いマシンとすることができると思うので、今から次のフェニックスでのテスト、そして開幕がとても楽しみです。
●和田康裕:HPD 社長
ロードコースでの2日間、オーバルでの1日と、総じてうまく行ったテストとなりました。大きな問題もなく、何人かのドライバーたちはオーバルで予定のマイレッジを上回る距離を走ってくれましたから、予定していた以上の耐久テストができました。エンジンは去年の最終戦テキサスで使ったものから大きく変わってはいません。競合相手がどのようなことをしているのかもわかっていませんし、今回のテストはまだ様子見で、性能を比較したり、評価を下すことは難しいですね。それでも、良い結果でテストを終えるに越したことはないので、今回の両コースでのテスト結果については、ある程度の満足はしています。まだ開幕までは1ヶ月以上がありますので、今回の結果に油断することなく、エンジンのさらなる開発と熟成を重ねて行きます。