緑豊かな山々を持つテネシー州のほぼ中央に位置するナッシュビルは、カントリー&ウェスタンミュージックの故郷、そして、聖地として知られている。ナッシュビル の別名は、ミュージックシティ。アメリカ音楽産業の中心地としての役割を担っている。
過酷な夏の3連戦の幕開けナッシュビルは
マシンセッティングが問われる独特のコンクリート舗装
▽2004年7月15日
■日時:7月14日〜17日
■開催地:テネシー州 レバノン
■サーキット:ナッシュビル・スーパースピードウェイ
緑豊かな山々を持つテネシー州のほぼ中央に位置するナッシュビルは、カントリー&ウェスタンミュージックの故郷、そして、聖地として知られている。ナッシュビルの別名は、ミュージックシティ。アメリカ音楽産業の中心地としての役割を担っている。そのナッシュビルのダウンタウンから真東に30マイルほど進んだところに、2001年、テネシー州初の本格的オーバル・コースとしてナッシュビル・スーパースピードウェイは完成した。
しかし、3回目のピットストップを目前に松浦は突如としてスローダウンを喫した。このコースの何より大きな特徴は、路面がアスファルトではなく、コンクリートで作られているところだ。コーナーのバンクは14度とまずまずの角度である。名前こそスーパースピードウェイだが、コースの全長は1.33マイルしかなく、インターミディエイトオーバルとショートオーバルの中間的な性格を持つオーバルと言うことができる。残り周回数が42周という時点で松浦は大幅にポジションを落とし、1周のラップダウンに陥った。しかし、ピット作業を終えるとレースへと復帰し、ひとつでも上の順位でゴールすべく走行を続けた。しかし、コンクリート舗装が持つ独特の高いグリップのためハイスピードバトルが可能であり、さらにコンクリート路面のバンピーさと、タイヤを消耗させやすい特性が、ナッシュビルでのレースを難しいものとしている点も忘れてはならない。タイヤの磨耗を抑えるマシンセッティングが勝利をつかむための重要なファクターとなるのだ。
今回のレースはIRLインディカー・シリーズの第8戦。全16戦のシリーズはちょうど折り返し地点を迎える。また、ナッシュビルからは第9戦ミルウォーキー、第10戦ミシガンと、今年初めて3週連続でのイベント開催となる。ここで勢いに乗れるか否かがシーズン後半戦を戦う上で重要になってくる。3連戦はレースとレースの間に休みが取れないことから、クルーたちにとって体力的にも厳しいスケジュールとなる。いよいよ夏本番を迎えているアメリカ。レースは今シーズン最後のナイターで行われる。
●松浦孝亮
「完走することで、後半戦に向けていい流れを作りたい」
「ナッシュビルは路面がコンクリートのコースと聞いています。初めて走るので、コンクリートのコースというがどういうものなのか、どんなコースなのかが楽しみです。ナイトレースは今回が3回目になります。ライトを浴びたコースを走るのが気に入っています。お客さんにとってもキレイだし、見ていてエキサイティングだと思います。夜のスタートなので昼間はゆっくりしていられるところもいいですね。最近はちょっとアンラッキーなレースが続いているので、今回は完走を目指して、流れを良い方に戻したいと考えています。シーズンも折り返し点ですが、これまでに本当にいろいろなことを勉強してきて、今の自分にはトップを争える力が身についていると感じています。とにかく早く1勝を挙げたいですね」
●トム・アンダーソン マネージング・ディレクター
「コウスケの適応力と、ジョン・ディックのセッティング能力に期待している」
「ナッシュビルは他のどのコースとも違ったユニークなコースだ。コンクリートの路面はタイヤラバーが乗ってくると非常に高いグリップ力を持つようになり、ラバーの乗っていないラインとの差が大きなものとなる。コウスケにとっては新しい経験となるが、素早くマスターしてくれるものと思う。グリップの高い1.33マイルのコースでの戦いは、アクセル全開、フラットアウトでの勝負になるのか? あるいはアクセルコントロールが必要になるのか? 今の時点ではまだ完全には明確でない部分もある。今年のマシンはルールによってダウンフォースが昨年よりも減らされているし、どのようなスペックのタイヤが投入されるのか、まだ知らされていないからだ。タイヤテストなどですでにナッシュビルを走っているチームもあり、彼らに対して我々は幾分不利な状況に置かれてもいる。しかし、エンジニアのジョン・ディックはナッシュビルのコースをよく知っているので、パナソニックARTA/パノスGフォース・Hondaを戦闘力のあるマシンに仕上げてくれることだろう。このところ我々はレースを完走していないので、ナッシュビルに向かう前にインディアナポリスのワークショップでミーティングを行うつもりだ。様々な面について、チームのメンバーたち、そしてコウスケと確認をしてからレースに臨もうと考えている」
戻る