<HONDA>
3月21日、IRL IndyCarシリーズ第2戦のコッパー・ワールド・インディ200がアリゾナ州フェニックス郊外のフェニックス・インターナショナル・レースウェイで開催され、Honda Indy V-8搭載のトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)が今季初優勝を飾った。
Honda Indy V-8、トニー・カナーンが今季初優勝。ダン・ウェルドンも3位に入賞
HONDA PRESS RELEASE
▽2004年3月22日
■ 決勝日:3月21日(日)
■ 開催地:アリゾナ州エイボンデール
■コース全長:1マイル/約1.609km
■ サーキット:フェニックス・インターナショナル・レースウェイ
■ 天候:晴れ
■ 気温:35.6℃
今季初優勝のトニー・カナーン選手
3月21日、IRL IndyCarシリーズ第2戦のコッパー・ワールド・インディ200がアリゾナ州フェニックス郊外のフェニックス・インターナショナル・レースウェイで開催され、Honda Indy V-8搭載のトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)が今季初優勝を飾った。ルーキーの松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/Honda・Gフォース)は、開幕戦ホームステッドに続き2戦連続の11位。これは2戦連続のルーキー最上位フィニッシュでもあった。
砂漠地帯のフェニックスは一年を通して雨が少ないが、今週末は快晴が続き、日中の気温は連日30℃を超していた。なかでも決勝日は最も暑くなり、しかも風が吹いていたため、ターン1〜2とターン3〜4でコーナー半径もバンクの傾斜角も異なるテクニカルコースでのレースはさらに難しさを増していた。
前日の予選で2位グリッドを獲得したカナーンは、200周のレースがスタートを切ってすぐ、1周目のターン3でトップに立った。68周目に行った1回目のピットストップで一端その座を明け渡したカナーンだったが、全員がピットストップを終えると彼は再びトップに立ち、後はゴールまでその座を守り通した。200周のうちの191周でリードラップを記録しての勝利は、まさに完全優勝と呼んでよいものだった。アクシデント発生によるフルコースコーションが3回あり、その度にカナーンは広げたリードをなくすこととなったが、リスタートが切られると後続を突き放した。
リスタートが切られると後続を突き放した。ゴールまで9周で最後のグリーンフラッグは振られた。そこでもカナーンの走りは落ち着きに満ちており、2位に0.5344秒の差をつけてチェッカーフラッグを受けた。優勝と最多リードラップ記録で53ポイントを獲得したカナーンは、昨年同様、第2戦終了時点でポイントスタンディングのトップに立った。
ポールポジションからスタートしたHonda Indy V-8搭載のダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)は、スタート直後にチームメイトのカナーンにトップを明け渡したが、粘り強い走りを続けて3位でゴール。今シーズンの開幕戦に続き2戦連続3位入賞を果たした。ウェルドンのポイントスタンディングは3位を保っている。
その他のHonda Indy V-8勢は、ブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)が予選9位から2つポジションを上げた7位、バディ・ライス(チーム・レイホール)が予選12位から2戦連続のトップ10入りを果たす9位でゴールし、グレッグ・レイ(アクセス・モータースポーツ)は10位、松浦は11位だった。ダリオ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング/Honda・ダラーラ)は3位走行中のアクシデントで17位となり、今回が初レースだったエイドリアン・フェルナンデス(フェルナンデス・レーシング/Honda・Gフォース)は、フォーメイション・ラップ中に発生したギヤボックストラブルによりレースをスタートすることができなかった。
昨年もカナーンはフェニックスで優勝しており、Honda Indy V-8とともに2年連続優勝。マニュファクチャラーポイントは17点でトヨタと同点トップとなった。今回の勝利はHondaにとって2003年にIRL 。IndyCarシリーズ参戦を開始して以来、通算3勝目となった。
●トニー・カナーン(決勝優勝)
「優勝できて嬉しい。チームが素晴らしい働きをしてくれた結果だ。合同テストでフェニックスを走った時、僕はマシンの仕上がりに満足できていなかった。そこで開幕戦ホームステッドでのレースの後に長いミーティングを行った。エンジニアたちが力を出してくれたおかげで、今週のマシンは速く、安定感に満ちたものとなっていた。トラフィックを利用してリードを築き上げることもできていたと思う。今日はクルーたちのピットストップも速かった。Hondaはハードワークをこなしてパワーを引き出してくれている。そのように影で頑張ってくれている人たちに、僕は勝つことによってのみお返しをすることができる。今日はそれができて本当に嬉しい」
●ダン・ウェルドン(決勝3位)
「チームメイトのトニー・カナーンが優勝したことに「おめでとう」と言いたい。僕が3位に入り、アンドレッティ・グリーン・レーシングにとっては素晴らしい1日となった。僕のマシンは序盤こそ安定していたが、だんだんとオーバーステアが強くなっていた。そうした苦しい戦いをして3位を手に入れることができたことにより、初勝利も視野に入れることができるようになった。早くその日が来て欲しい」
●松浦孝亮(決勝11位)
「走りはじめは良かったのですが、タイヤのプレッシャーが高過ぎたらしく、オーバーステアになってしまっていました。それをレース中のセッティング変更で直していって、終盤は凄く良いペースで走れました。ゴール前のリスタートで1人抜いて、それがルーキー最上位という結果に繋がりました。今回初めて集団の中を走って、色々と学んだ事はいっぱいありました。1回壁にヒットしてしまいましたがダメージはなく、最後まで走り切ることができました。このコースはテストの時にクラッシュしているし、色んな面で複雑な気持ちがあったのですが、走り切ることができて、凄く落ち着きました。次のもてぎに向けて、本当に色々なことを身につけることができたレースでした」
●和田康裕 HPD社長
「今日は完璧な勝利を飾ることができました。トニー・カナーンは、ほとんどミスなしで力強いレースを走ってくれました。全然隙が無く、強力なライバルたちが接近して来た時でも安心感がありましたね。本当に暑い1日だったのでエンジンもタイヤなどには厳しいレースになっていましたが、エンジンはモニターを見ていた限り何の心配もありませんでした。エンジンのパワー、カナーンの走り、チームのピットストップ、すべてが良かったと思います。200周のうち、ピットストップの間を除く191周をリードしましたし、今日のレースは100点満点だったと言ってもいいでしょう。フルコースコーションのタイミングなど、運が作用することのなかったレースで、今日は力ずくで勝った感じがしました。そういう意味で気持ちがいいレースでしたし、もてぎに向けて用意してきた事のテストも今回のレースでは一部行っていたので、第3戦への期待を持つこともできることになりました。松浦選手は今日の彼に与えられていた課題をすべてこなしたレースができていたと思います。きちっと走り切るのがまず最初で、インディカー・レースをより一層学び、たくさんのことを憶え、レースの中で揉まれて、抜かれて抜いてというのを体験することが必要でした。最後のリスタートで1人をパスして11位を得たことも含め、多くの収穫があったと思います」