INDY CAR

マシンの復調はなったが、走行初日の予選で松浦孝亮は15位に


■日時:10月15日(予選)
■開催地:テキサス州ジャスティン
■サーキット:テキサス・モーター・スピードウェイ
■天候/気温:快晴/28.5℃
年間16戦がスケジュールされた2004年IRLインディカー・シリーズも今回のテキサスが最終戦となる。会場となるサーキットは双子都市ダラスとフォートワースの北西、ジャスティンにあるテキサス・モーター・スピードウェイ。1997年に完成した全長1.5マイルのオーバルは、シリーズ中で最も急な24度のバンクを持つハイスピードコースだ。急傾斜のこのテキサスのバンクは3ワイドでのコーナリングが可能で、常に超の文字がつく接近戦が繰り広げられて来ている。ドライバーたちには正確無比なマシンコントロールとアグレッシブな戦いぶり、そして強い精神力が求められる。
このテキサス・モーター・スピードウェイはインディカー・レースが年間2戦行なわれる唯一のコースでもある。全てのチームが1戦分の実戦データを有しているため、戦いはよりハイレベルになる。スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングでパナソニックARTA/パノスGフォース・Hondaのドライバーを務める松浦孝亮は、第5戦にナイトレースで開催されたテキサスではマシントラブルに見舞われ、目指していた上位フィニッシュを果たせなかった。しかし、予選でその時点までの自己ベストの4位を獲得しており、決勝でもトラブルに襲われるまではトップグループを走り続けていた。
6月初旬のテキサス戦の後に10レースを戦ったチームと松浦は、パナソニックARTA/パノスGフォース・Hondaのセッティングをさらに煮詰めてこの最終戦に臨んで来た。シーズン終盤を迎えているが、空力の開発は休みなく続けられている。ここ数戦は予選、決勝ともにスピードとマシンの安定感が不足する状況に悩まされて来たが、第15戦フォンタナの後にその原因も解明され、悔いのない最終戦を戦うべくインディアナポリスのワークショップで万全の整備がマシンには施された。
最初の走行となった金曜日のプラクティス1回目は、強い日差しの照りつける25℃という暑さの中で行なわれた。松浦はここで28周をこなし、グループ1で3位につける24秒5314=平均時速213.522mph(約343.557km/h)をマークした。これは6月のレースでダリオ・フランキッティが記録したポールタイムを上回るものだった。最終戦のレースウィークエンドは順調な滑り出しを見せていた。今回のプラクティスは走行時間が両グループともに1時間と、これまでの15戦よりも15分長い。テキサスでは恒例となっていることだが、わずか1回のプラクティスの後に予選が行われるためである。ところが、プラクティスの残り時間が5分を切ったところで松浦のマシンはオイル漏れを起し、走行時間を残してマシンを降りなければならなかった。2グループの総合トップはトーマス・シェクターによる24秒3801だった。松浦は総合で6位にランクされた。
夕方の5時半に始まった予選で松浦は3番目にタイムアタックを迎えた。気温は相変わらず28.5℃と高いままだった。この時点までのトップタイムは、松浦のすぐ前の2番手にアタックを行ったトニー・カナーンが記録した24秒5794。松浦は1周目に24秒6247、2周目に24秒6553をマーク。1周目が予選タイムとして採用され、とりあえずは2番手となった。
今回の出走21人が全員走り終わると、松浦の予選順位は15位に決定した。ポール・ポジションは24秒2504=平均時速215.996マイルを記録したエリオ・カストロネベスが獲得した。
 
接近したドラフティング合戦となって目まぐるしいほどの順位変動が繰り返される
テキサスでのレースにおいては、予選順位の占める重要性はさほど高くはない。それよりも、トラフィック内でのマシンの高い安定性と、先頭を走った時のスピードの両立が勝つために必要となる。松浦とチームはこれらの実現に最重点を置いてマシンのセッティングを進めて来ている。その成果は十分に感じられており、土曜日の二度のプラクティスでさらにファインチューニングをさらに進めて行く。
●松浦孝亮
「ドラフティングの中でのマシンの仕上がりには手ごたえがある」
「カストロネベスやシェクターがあそこまでのスピードを出して来るとは思いませんでした。エリオは単独で216マイルをウォームアップで出していましたね。自分でもあそこまでは予想していませんでした。予選では風が強く吹いていましたが、選んだギヤレシオは悪くはなかった。単独走行での自分たちは遅いですね。しかし、ドラフトに入ったら彼らと変わらないスピードが出せるはずです。クルマのハンドリングは良くなって来ていますし、フォンタナの後からクルマをチェックして、原因と思われる場所に対策を施して来ました。まだプラクティスを1回しか走っていませんが、フィーリングはすごく良いですし、手応えはあります」
●トム・アンダーソン マネージング・ディレクター
「決勝の結果は明日の我々の仕事振りにかかっている」
「自分たちが考えていたよりも我々のラップタイムはライバル勢と比較して速くなかった。我々と同じHondaエンジンとGフォース・シャシーを使うレイホール・レターマン・レーシングの方が予選のコンディションにマッチしたマシンに仕上がっていた。明日のプラクティス2セッションでは、その差を覆し、レースに向けてマシンをコンペティティブなものに仕上げなくてはならない。予選は予選。最も重要なのは決勝だ。明日の仕事ぶりが決勝での良い結果を導き出すこととできるよう全力を上げる。フォンタナ後にシャシーに施した改良は期待通りの成果を見せていることから、我々は日曜には良いレースを戦うことができると信じている。ゴールに6、7台が一斉になだれ込むような展開になったとして、その中にコウスケが入っていれば、それは我々の競争力が十分に高いことを示す。そうした戦いができれば満足だ。来シーズンに向け、自分たちがインプルーブを続けていることを見せ、良いレースで今シーズンを終えたい」
スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング公式ウェブサイト
www.superaguri-fernandez.jp