Hiroyuki Saito

キーウエスト旅情 −ANA’S CUBAN CAFEという名の最南端の食料品店−

年明けちゃいましたね。もう今年がスタートして1週間も経って仕事まで始まってこうやってfrom USを書いているんだからびっくりです。この調子だと気がついたら今月が終って、いつの間にやらシーズンが開幕したとおもったら、ばたばたしているうちに終っちゃって、また12月くらいになっているのでしょうか。まあ、1年を長く感じるよりは短く思える方が多分、いいのでしょうね。
ともあれ、今回は年末年始を2年振りに実家で過ごすことができ、のんびりとした年越しをすることができました。紅白でも観ながらの年越しかと思ったのですが、ダウンタウンの大晦日恒例番組「絶対に笑ってはいけないスパイ24時!!」を観て大笑いをしていたらね、いつの間にか2010年が終って2011年になっていましたよ。
「なんだや、もう年越してたんだっちゃ!」って宮城弁が飛び交い、慌てて年越してしまった蕎麦(カップラーメン)を食べたという家族がけっこういたのではないでしょうか? いやいやちゃんとね、年越しで蕎麦を食べましたよという方々、海外で過ごされた方々、いろいろな過ごし方があったと思いますが、やはり、年末年始は日本の方がいいなあと改めて感じる年越しでした。はい。
さてさて、今年最初のコラムは昨年から続くたった2泊3日の滞在記が、これまでの旅情シリーズで最も長く続くであろうと予想される“キーウエスト旅情”をお伝えしますよ。さすがに新年になったのでね、内容は2日目からスタートしますが果たしてどうなることやら。ともあれ、今年もどうぞよろしくお願いします!

キーウエスト旅情 −ANA’S CUBAN CAFEという名の最南端の食料品店−

キーウエスト滞在2日目の朝はここぞとばかりにごゆるりです。朝食の用意されている時間が過ぎた頃に目を覚まし、午後からどこに行こうかとホテルにあるパンフレットやインターネットで下調べてから、少し早めのランチにするかとホテルを出ました。行き先はもう昨日から決めていたホテルのすぐ近くにあるキューバン・カフェです。

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お店に近づいてみると昨夜見たときはカフェ形式のレストランと思っていたのですが実は“Southernmost DERI & GROCERIES” だったんですね。最南端の食料品店って感じでしょうか。

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お店の外にはもう10月に入ったので月末に行われるハロウィンのために、オレンジ色の骸骨、ゴーストやフランケンシュタインといったお化けがディスプレイされています。それらを横目に店の中に入ると、ちょいとラテン系の雰囲気が漂う乾物類を含めた食料品があり、アメリカなのに少し異国の情緒を楽しめるような商品が陳列されていました。
特に買いたい物もなかったのでお店を出て今度はデリの部分に行ってみました。お腹も空いていたし、本来の目的であるランチを食べるため窓口の両サイドにあるホワイトボードにマジックで書かれたいつでも変更可能なメニューを見ました。

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小さなお店にしては料理の品目は豊富です。お店のお勧め料理も何種類かありますが、ここはひとつ何がお勧めなのか素直に聞いた方がいいべなって、お店の人に聞くと「キューバン・ロースト・ポークがいいよ」と勧めてくれました。
「それにします」とオーダーしてね、せっかくの休日なんだから昼真からビールでも飲むかと頼んでみたら「ここでは売ってないから隣のお店で買って」といわれたので、また、食料品店に行って冷蔵ケースから何がいいかとビールを物色。

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ここはやはりキーライムっていうライムのイメージがあるもんですからライムの味がするバド・ライト(アメリカではけっこうポピュラーなビール)を購入して、表にあるテーブルセットの椅子に座ります。
プシュっとタブを押し込んで口元に持っていくとかすかにライムを思わせる香りがします。それではとぐびぐび飲むわけですが、感想としてはとてもライトなビールなのにライムの味がするもんだからビールっていう感じよりもちょいと苦いライム味の炭酸ジュースって感じとでもいいましょうか。まあ、そういう意味ではとても飲みやすいのでビールの苦手な人や女性にお勧めです。
ライムの味はするけど昼間から飲むビールはうめぇなあってちょいといい気分で待っていると、とうとう料理ができたという合図が窓口から聞こえてきました。
お勧めの“キューバン・ロースト・ポーク”を頼みましたが、ロースト・ポークだけなら豚肉を火にあぶった料理といったようになんとなく想像できるのですが、キューバのことがあまり分からないのでね、どんな感じの料理なのかと楽しみにしていたのがこちら。

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ローストされた豚肉が細かくちぎられ、それに玉ねぎのスライスが和えてあります。サイドには煮込まれた豆とライスが混ざったものの上にこげ茶色の物体と丸いパンが盛られていました。見た目はなんだかよくわかりませんが、おいしそうではあります。

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「こんな感じなのね!」と、やっとキューバン・ロースト・ポーク・ウィズ・サイド達とご対面できた僕は、一緒に待っていた半分ほどに減ったバド・ライト・ライムと首を傾げたフランケンシュタインと喜びを分かち合い、それではと早速食べることにしました。
まずはパンを食べてみると、たっぷりと塗ってあったバターがパンに浸透していて脂っこいのですが、それでもカリっとした食感がありけっこういけます。このようなパンはあまり日本やアメリカではみかけないので、キューバの独特の“キューパン”とでもいったものでしょうか。

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そしてなんだかよく分からない中央の頂に乗っているこげ茶色の物体にトライです。食べてみると「あー、これね、はいはい」とひとり納得したのはラテン系によくあるバナナを揚げた物でした。これは、やはり、少し、抵抗があるというか、それならまだバナナをただスライスしたものの方が個人的には好きだなあって思うやつです。
それじゃ、メインのロースト・ビーフいってみっかと食べてみました。味付けは塩、胡椒といったシンプルなもので、お肉も柔らかい部分とローストした部分がいい感じに絡み合い、そこに少し茹でてはある玉ねぎの厚めのスライスの甘さがアクセントになってとても美味しいのです。これはね、好きです。

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それではちょいと味を変えてみるかと料理を持ってきたときに「これをかけるといいよ」とお店の人に言われて持ってきたスパイス・ソースを少しロースト・ビーフにかけてみたらちょっとスパイシーになってね、これもまたキューバンっぽいんだべなってアメリカは最南端の食料品店で、90マイル先だけど彼方の国を想像しながら食べるランチとなりました。

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とても美味しかったキューバン・ロースト・ポークをたいらげ、ホテルに戻ろうとしたら店の角にストローが刺さった大量のココナッツがありましたよ。最南端に来たんだなって少し実感する光景でした。
さて、次回はホテル周辺からやっと飛び出してキーウエストの街中を探索しますよ。これからもキーウエストの魅力をまだまだお伝えしますー。