天気と気温をウェブでチェックする限りでは、ロサンゼルスも今の東京とさほど気候が変わらないのではないでしょうか? 10月も半ばを過ぎ、東京では雨が降るたびに気温がゆっくりとではありながら確実に下がっていますね。これから本格的な紅葉が始まり、日本の秋はもっと秋らしくなるための準備がそろそろ始まろうとしていますよ。
この少し忘れかけていた僕の季節感を取り戻すため、先週帰国しました。ロサンゼルスのスモッグ越しに見えるブルーなスカイ、妙に細長いパームなツリー、何車線もあるフリーなウエイには、しばしのお別れを告げてきましたよ。
シーズンオフを3年振りに日本で過ごすことになり、発信場所に関しては“from US”改め“from Japan”になるのですが、内容に関しては例のごとく僕の今シーズン起きた様々な出来事を回想することになるのでね“from US”のままですよ。まあ、それらのネタが尽きたらまた人間ドックにでも行こうかなと思ってはいます。はい。
そんなことはどうでもいいから、早くパーティの続きを伝えなさい! といった声が聞こえてきそうな気もしないでもないし、また、お待ちかねかどうかもよく分かりませんが、とにかく続きをお伝えした方がいいのでね、そろそろ始めたいと思いますよ。
THE 2010 IZOD INDY CAR SERIES CHAMPIONSHIP CELEBRATION – Part 2
授賞式もいよいよポイントランキング・トップスリーの授与になりましたが、その前にマイク・コンウェイと話していた佐藤琢磨が今度はオールバックの似合う憎いヤツ、エリオ・カストロネベスと談笑していたのでそのカットをご紹介。撮影しながら様子をうかがっていると、どうやらレースの話をしているようですが実は「モテギでのフェンス登り、俺もやっちゃったんだよね!」と、元祖スパイダーマンことエリオに報告していたのかもしれませんね。そんなことはないか。
ランキング3位となったのは最終戦で優勝したスコット・ディクソンでした。いま、改めてスコットのキャリアを見たら、2006年からランキングトップ4以内をキープしているんですよ! これまで2回もチャンピオンになっているし、奥さんはとっても綺麗だし、娘もスコットに似てかわいいし、もうね、俺だったらこれ以上何も求めませんって感じですが、当の本人は来年こそはチャンピオン取るぞって思っているのでしょうね。
ランキングトップで最終戦に臨んだウィル・パワーでしたが、結果は皆さんもご存知の通りリタイアしてしまい、チャンピオン獲得の夢は来年へと持ち越されることになりました。ロード・コースでの速さはね、ほんとこれだけの強豪がいる中でも群を抜いていた反面、やはりオーバルがウィークポイントとなってしまいました。来年こそはその弱点を克服し、チャンピオンを目指すのでしょう。このようにオーバル、ロードといった種類の違うコースを克服して、初めてチャンピオンになれるインディカー・シリーズはいろんなドラマがあってやはり面白いですね。
2年連続チャンピオンを獲得したダリオ・フランキッティのスピーチが始まりました。今シーズン、インフィニオンが終了した時点でダリオがチャンピオンになるのはちょっと厳しいんじゃないかなって思っていたけど、その後の結果はご存知の通り。最終戦でみごと大逆転チャンピオンですから、どうなるか分からないものですよね。まずは諦めないこと、そしてウィルとの最大の差はやはり、今年を含め3回もチャンピオンになった“経験”だったんじゃないでしょうか。
さて、ダリオのスピーチが始まるとステージ脇からチームクルーで出来た人垣の後ろにすっと紛れ込んだ人物がいました。スピーチに集中しているダリオはもちろんそのことに気付いていませんが、1度あったことは2度あるべなっていうこれまでの“経験”が働いていたでしょうね。「去年はスピーチのあとカナーン、ディクソン、ライアン(ブリスコ)にこのプールに突き落とされちゃったから気をつけなくちゃ」と感謝の言葉よりも、そんなことを言いたそうな気配はやんわりと伝わってきましたよ。
スピーチが無事済んだなと安心していたダリオですが、案の定、ヤツはチームクルーの人影からすっと現れ、ダリオが後ろを振り向こうとした瞬間、プールに突き落としましたよ。通常このような状況に陥ると、慌てて手をばたばたしながらプールに落ちていくようなものですが、ダリオは去年もそうだったように、ちゃんとね、手を頭の上に持っていってフォームを作ってプールに飛び込んでいくんですね。このようなピンチのときにいかに落ちついて状況を把握し、速やかな行動ができるかが、やはり3度もチャンピオンになったドライバーの条件なのかなって感心しましたよ。そうでもないか?
してやったり顔のカナーンがとても印象的だったのも束の間、ダリオもこうなることを予測していたのか「もし、俺が突き落とされたら仇をとってくれ」とチームクルーに言っておいたのかもしれません。それともチームクルーが独断でやったのかわかりませんが、悪いことをしたらその分自らに返ってくるというのはこのことだといわんばかりに、今度はカナーンがプールの上で舞いました。
二人仲良くずぶ濡れになり、めでたし、めでたしって感じで今年の授賞式も終了です。来年は最終戦の場所がまだ決まっていませんが、このマイアミではなさそうなのでね、もうこのプールに突き落とされるようなことはねえべって油断していると、またプールのある場所で授賞式が行われたりするかもしれませんから、世の中わかりませんよ。
まさか自分が落とされるとは夢にも思ってなかったカナーンです。「びっくりしちゃったなーもう」といった感じでしょうか。そんな姿を横目に現在のカナーンの彼女が、後ろを通り過ぎようとしています。
水も滴るいい男となったダリオを、奥さんでハリウッド女優のアシュレイ・ジャッドがお出迎え。「携帯こわれちゃったかなあ」と確認しているのでしょうか。しかし携帯を事前に渡しておかなかったのは、ちょいとチャンピオンらしからぬ行動。あ、奥さんに携帯を渡せない事情があったのかは定かではありません。
いろいろと想像はつきませんが、宴もたけなわです。最後に琢磨と今シーズンチームメイトとして共に戦ったE.J.ヴィソのツーショットで、パーティのレポートは閉めさせていただきたいと思います。E.Jはね、いつだか琢磨にインタビューしに行ったときに現れて、こんな冗談をいっていました。「俺はいまゲイじゃないけど、もし、俺がいつかゲイになったら琢磨を好きになると思うな」と、場を和ませてくれましたよ。ほんと茶目っ気の多い、憎めないドライバーです。
ともあれ、2回にわたってお伝えした今年のチャンピオンシップ・セレブレーション・パーティのレポートはいかがでしたでしょうか? 来年はいったいどこで開催されるのかわかりませんが、行けるようなら皆さんにその内容をお伝えするために行ってみたいと思いますよ。