Hiroyuki Saito

“Pomodoro”レストラン&プチ・ホテル

おおいに盛り上がったインディジャパンは3人の日本人ドライバーの完走というハッピーな結果に終り、2週間というわずかな日本滞在期間も瞬く間に終了しました。気がつけばすでにアメリカに居て明日には最終戦が行われるマイアミに向かうという状況ですよ。
今週の日曜日にロサンゼルス空港に到着したのですが、空港の外に出たら2週間前の日本に到着したときのように暑かったんです。乾燥しているのでね、汗が体中から湧き出てくるとまではいいませんが、気温でいうと32〜34度くらいあったんじゃないでしょうか。
聞くところによると、ちょうどこの日曜日からその暑い日は始まり、その後、連日30度オーバーという天候が続きました。夜になっても暑さが引かないのはこの辺では珍しいことでしたね。なんだか夏が帰ってきたというか、正確に言うと今年のロサンゼルスの夏は涼しかったのでね、やっと夏が来たといった感じがしないでもなかったです。
カリフォルニア特有のインデアン・サマー(晩秋に突然暑くなる現象)にはまだ早いような気がするし、なんだか不思議な天候だなって思っていたのも束の間、水曜日にはいつもどおりの暑すぎることもなく、寒くもないといったカリフォルニアらしい気候となりましたよ。
近況が長くなりましたが、今回のfrom USは今年、インディジャパン取材でお世話になった新たな“宿”の話をお伝えしたいと思いますよ。最初にお断りしておきますが、今回は残念ながら昨年お世話になった“もてぎ舟木沢 ログの森キャンプ場”ではありません。
なぜならアメリカ大陸を発見したクリストファー・コロンブスのように、僕らはこのツインリンクもてぎ近辺での新たな宿場を発見することにある意味、大きな意義をもってこのインディジャパンを取材しているということに気付いたのです。そう、レースだけの取材といわず、アフター・レースでも皆さんにお伝えすることがあるんじゃないかと(ほんとか?)
さらに補足すると、やはり日帰りではツインリンクもてぎへ行けない遠方から来るお客さんもいるはずです。そんな方々が、できるだけ近くに、そしてリーズナブルに泊まれる宿場を探しているはずです。そのお手伝い、いや、インフォーメーションをね、自ら体験してお伝えするのが我々の使命だと、最近になってやっとそう思えるようになってきました。
じゃあ、今年はどこに泊まったの? ということですが、早速、お伝えしたいと思いますよ。

“Pomodoro”レストラン&プチ・ホテル

そう、それは茂木町にある小粋なイタリアン・レストラン&プチ・ホテル、そして、イタリアン料理には欠かせない、イタリア語で“トマト=黄金のりんご”という名の“Pomodoro”という宿場でした。
基本的にはアメリカの取材先のホテルなどはすべて自分自身で手配しているのでね、インディジャパンでの宿に関してはUS RACINGの編集長でもある齊藤和記(兄)に任せています。今年はどこになるのかある意味心配していたのですが、話を聞くとまたまた「南ゲートからとても近いんだよ。多分、舟木沢キャンプ場をちょっと過ぎた辺りかな」とのこと。
確かに近いことに越したことはないのですが、なぜにそこまで近さにこだわっているのかは分からないまま(そのときは。前途したとおり、やっとこれを書いていて僕なりにその意義を発見。まだまだ兄から教えられることは多いようです)、初日の取材を終えた僕とアニキは宿へと向かいました。
南ゲートを右折すると、もう茂木の森はとっくに深い闇に包まれていますが、それを忘れさせるようにイタリア国旗のトリコローレ・カラーが左の方にペイントされ、その上に“Pomodoro”と書いてスポットライトに照らされている看板を左手に発見。「これもまた、ちかっ!」と驚き、クルマを駐車場に停めてすぐさまチェックインとなりました。
残念ながらレストランはすでに終了しており、チェックイン終了後に結局は5分くらい先のコンビニへと夕食とお酒を買いに出かけたのですが、もう気分はイタリアンだったのでね、大根おろしを後乗せするキノコのバターいためパスタみたいなものを購入。

画像

宿に戻って部屋に入ると、ごく普通の和室にトイレはもちろん、シャワールームが完備されていました。建物がアパートメントのようなつくりをしているのでね、なんか宿やホテルの部屋に入るというより、友達の住んでいるアパートを訪ねるような感覚とでもいいましょうか。なんかフレンドリーです。心配していたヘアドライヤーも運良くその部屋にはありました。

画像

テーブルにおいてあった広告、そしてレストランのメニューもあって明日こそはイタリアン食べたいなぁという期待と希望に胸を膨らませるのですが、そのまえに腹を膨らませないとって遅い夕食をとり、仕事はもう終っているのでテレビでも観つつ買ってきたお酒を飲みながらおつまみノリとイカなんかを肴にね、いかにも日本らしい晩酌を味わうことができましたよ。

画像

翌朝、時差ぼけを引きずりながら若干早く目が覚めた僕は快晴となった外に出て、昨夜、宿のオーナーから丁寧に説明を受けた共同のマイナスイオン風呂へと向かいました。ただ、朝はそのお風呂の準備はしていないのでね、どんなもんか興味がてらのチェックです。

画像

すると、舟木沢キャンプ場にも老犬ブルがいたように、この“Pomodoro”にもローズという可愛らしい名前の番犬を発見。愛想がいいけど、どこか人恋しそうなその表情にちょっとその場を離れられなくなりましたが、いつまでもローズとじゃれているわけにもいかないのでね、この宿の全貌を撮影しにいきました。

画像

全貌を見る限りでは右側がレストランとなっていて、左側が宿の部屋となっています。やはりアパートのようなつくりですね。本来はアパートにでもしようとしていたのでしょうかね?
その後、レストランで前日までにお願いすると、洋食と和食の二つからどちらかを選べる朝食を頂きました。イタリアンだし、実際、前の晩にクロワッサンの生地を仕込んでいましたから洋食の方がいいのでは? と思うかもしれませんが、僕はやはり和食を選んだのです。そしたら朝食の定番メニューといった感じでご飯に味噌汁、塩鮭の大きな切り身を焼いたもの、お漬物といったそれらはけっこうボリュームがあってね。朝からしっかりと頂くことができて満足、満腹。
朝食後、早速、ツインリンクもてぎに向かったのですが、試しに何分で到着するのか駐車場を右折してから計ってみようと道路に出て時計の秒針を眺めていると、なんと43秒で南ゲートの左折地点まで到着! 南ゲートからは正面に見え、左折しようとしている僕らからは右側にある“Pomodoro”の看板には「南ゲート右折300メートル先左」という説明が読める程度の大きさの文字で書いてありましたよ。
ほんと近いなって感心しつつ、ゲート通ってから駐車場までの方がぜんぜん遠い・・・なんて思いながらお仕事開始。予選日の取材はすべての仕事が終るまでやはり遅くまでかかり、その日もレストラン営業時間までに宿へ戻ることができず、結局は昨日と変わらず5分先のコンビニに夕食を買いに行きました。
そりゃもうね、気分だけは食べ損なっているイタリアンですからナポリタン・スパゲティを購入。その日は次の日の朝は早いからと、朝ごはんとなるおにぎりを買って宿に戻りましたよ。結局のところイタリアン・レストランなのに、食べることができたのは朝食の和食だけで、レストランの食事の感想をお伝えすることができなかったのは残念、無念。

画像

「南ゲート右折300メートル先左」。それくらいの距離に確かにその陽気なイタリアン&プチ・ホテル“Pomodoro”はありました。南ゲートとその“Pomodoro”の間には昨年泊まった「南ゲート右折100メートル先左」にある“もてぎ舟木沢 ログの森キャンプ場”があるので徐々に、そして正確には舟木沢より200メートル、南ゲートから遠ざかってはいますが、その差は実際のところ、いや、まったく感じませんが、別世界ではあります。
ある意味、南ゲートからの近さの極みで言えば、“もてぎ舟木沢 ログの森キャンプ場”に敵う宿はサーキット内のホテル・ツインリンクしかないと思いますよ。もちろん、サーキット外という意味では“舟木沢”に“Pomodoro”とどちらも特徴があり、そして現実的な話では値段の差もあるのでね、“近さ”を最優先するのであればこれ以上ないくらいどちらもお勧めではあります。
ただ、これらは南ゲートという限定ではありますからね、北ゲート近辺にも近さだけを優先するならという宿が存在するのかもしれません。そういう意味では、僕らの使命として新たなフロンティアを探さなければならないし、毎年ね、このネタも続くのかもしれません。
南ゲートからさらに遠ざかって新宿を発見するのか、それとも北ゲートに実は存在する最短宿を発見できるのか・・・来年も楽しみではあります。
“Pomodoro” Information