Hiroyuki Saito

ホンダ新型ハイブリットカー「インサイト」の発表会

さて、デトロイト・オート・ショーの様子をお伝えしようと思ったのですが、2月6日にホンダが満を持して日本での販売を開始することになった新型ハイブリットカー“インサイト”の発表会に行ってきましたので早速お伝えしますよ。

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ホテルに到着し、若干遅れ気味に受付を済ませて会場に入ると用意されていた席はほぼ埋まっていました。あとから聞いた話によると事前に用意されていた席では間に合わず、200席も増席したようです。会場に集まった多くの記者を見るだけでも新型インサイトの注目の高さが分かります。

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出遅れたのでその一番左端の増席された席に座り待つこと10分。2時を過ぎたあたりで発表会がスタートしました。インサイトが白いベールに包まれたまま福井威夫取締役社長の代表挨拶が行わると、いよいよそのベールが取り除かれ新型インサイトは姿を現しました。

実はインサイトの実車を見るのは2回目です。デトロイト・オート・ショーに出展されていたので、初めて見たときほど大きな印象はなかったものの3種類のグレードが揃った色とりどりのインサイトは輝いていました。

「新時代コンパクトスタンダード」がコンセプトのインサイトは、1.3L i-VTECエンジンと軽量・小型なIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)を組み合わせたハイブリットカーです。

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これがエンジンをアシストする小型・軽量化を追及した新設計の薄型DCブラシレスモーター。2006年のシビック・ハイブリットに比べると、約22パーセントの薄型化、15パーセントの軽量化を実現したそうです。こういう発表会でないとなかなか実際に見ることが出来ない部分ですね。

このシステムにより1.5Lクラス並みのパフォーマンスを可能にしているにも関わらず、JC08モード走行(より実際の走行パターンに近い燃費測定方法)では26.0km/L、10・15モード走行(市街地を想定した10項目と郊外を想定した15項目での走行パターンの燃費測定方法)は30.0km/Lの低燃費を実現していますよ。

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低燃費と聞くとエンジンやモーターに焦点が当てられますが、一世代目のインサイト同様、フォルムからエクステリア、アンダーボティまで空力性能を徹底追求し、デザインによっても燃費を向上しています。アンダーボディには空力パーツを採用して、CD値(Constant Drag、走行中の車にかかる空気抵抗係数)が0.28と世界トップクラスの空力性能です。走行しているときの空気の抵抗は大きいですからね。走行中に窓から手を出してみれば分かりますよ。

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空力性能と居住性の両立を考えた5ドアハッチバッグのコンパクトボディは、実際に運転席、後部座席に座ってみても狭さを感じませんでした。燃料タンクは後部座席の下に設置し、モーターの駆動、電力エネルギーへの回生を制御するPCU(パワーコントロールユニット)とバッテリーをひとつにまとめ小型軽量化したIPU(インテリジェントパワーユニット)を荷室下に設置することで、大容量のラゲッヂスペースを確保していましたね。

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このラゲッヂスペース、最大400Lもの容量があります。ゴルフバッグなら3セット収納可能なくらいです。しかも荷物を隠して収納できるサブトランクがあり、コンピューターが入ったバッグや転がるような荷物を収納できます。便利ですよね。

ホンダならではの走りにもこだわっています。エコだけのハイブリットカーではなく毎日乗るものだから走る楽しさが大切だと。1.3Lのi-VTECエンジンとIMAのハイブリットシステムは、発進加速でモーターがエンジンをアシストし、低速走行ではモーターのみ(条件による)、加速のときはエンジン走行を再びモーターがアシストします。ストップ&ゴーの多い街中での運転でも低燃費で軽快な走りでしょうね。

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また、低全高・低重心パッケージで安定感のある走りと、足回りとなるフロントにはマクファーソン・ストラット式、リアにはH型トーションビーム式のスペース効率にすぐれたサスペンションを採用しています。室内空間を確保しながらも操縦安定性と乗り心地を両立していますよ。

ハイブリットだからといってクルマを操る楽しさを忘れてはなりません。LSタイプにはなんとマニュアル感覚でシフトチェンジができるパドルシフトが標準装備。ぜひ試してみたいものです。

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そして購入者にとって一番気になるところ、そう販売価格です。これまでのハイブリットカーは価格が高いイメージがありましたが、ホンダはこのインサイトでハイブリットカーをより身近なものにするために消費税込み189万円から販売をスタートします。

これは購入者にとっても大きな魅力ですし、大事なところですよね。不況といっても車は必要だし、購入を考えるとやはり安くて燃費のいい、しかもカッコいい車って購入者の要望は多いものです。

インサイトはその要望を十分満たしていると思いますが、それだけじゃないんです。今回、お伝えし切れませんでしたが、インサイトはドライバー自身が理想的な低燃費運転を把握、習得、実践できるエコアシスト機能が付いています。これ楽しそうですよ。

次回はこのエコアシスト機能についてお伝えします。