CHAMP CAR

ウィル・パワーがオーストラリアの最終予選を支配

<Champ Car World Series>
チーム・オーストラリアのウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)が、土曜日に行われたレックスマーク・インディ300の最終予選で、再び彼の名を知らしめて見せた。トゥーンバ出身のパワーは、地元オーストラリアでは2年連続となる今シーズン4回目のポール・ポジションを獲得しただけでなく、1分30秒054というまさに“パワフル”なラップ・タイムで、トラック・レコードをも記録。緑と金色のシャツを着たオーストラリア人ファンを熱狂させた。
パワーがタイム・シートのトップへジャンプ・アップするには、それほど時間が掛からなかった。彼はたった4周目で、金曜日にフロント・ローを確定させていたオリオール・セルビア(#22ペイ・バイ・タッチ/PKVレーシング・コスワース/DP01/ブリヂストン)から、ポール・ポジションを奪ってみせた。それでもこの2年目のドライバーはコースから離れようとはせず、ここからさらに速いタイムをマークし続け、タイム計測ラインを通過するたびにタイムを更新した。9周目でポール獲得に十分なラップを出したばかりか、10周目にはクリスチアーノ・ダ・マッタが2002年に記録した1分30秒204のトラック・レコードを打ち破った。
パワーは地元オーストラリアでは2回目となるキャリア通算5回のポールを手に入れたのだが、このオーストラリア人は明日のレースを前に喜び過ぎないようにしている。パワーは昨年セバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・コスワース/DP01/ブリヂストン)とのアクシデントでレースを失った後、どれほどレースが重要なのかがわかっているためだ。
今日、パワーに最も接近したのはカナダ人のポール・トレイシー(#3インデック・コスワース/DP01/ブリヂストン)。彼はここ数レース苦戦していたが、フォーサイス・チャンピオンシップ・レーシングとともにタイム・チャートのトップ10に帰ってきた。トレイシーが記録した1分30秒426のタイムは、金曜日に記録されたセルビアの暫定ポール・タイムよりも速かったものの、このフォーサイスのベテランはチーム・オーストラリアのドライバーよりコンマ5秒遅れをとった。
トレイシーと2列目に並ぶセバスチャン・ブルデイは、昨日の不運から立ち直り、最終グリッドを4位まで上げた。ジャスティン・ウイルソン(#9CDWコスワース/DP01/ブリヂストン)は、予選で再び速さを見せるが、最後にブルデイとトレイシーにかわされ、5番グリッドまで下がった。
ルーキー勢でトップに立ったのは、チーム・オーストラリアでパワーのチームメイトを務めるシモン・パジノウ(#15オージー・ヴィンヤーヅ・コスワース/DP01/ブリヂストン)。彼の後に続いたデイル・コイン・レーシングのブルーノ・ジュンケイラ(#19サニーズBBQコスワース/DP01/ブリヂストン)は、トップ10圏内に入り続けている。ニール・ヤニ(#21レッド・ブル/ガルフストリーム・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、昨日から3つポジションを上げ、日曜日のレースを8番手からスタートする。大物ルーキーのグラハム・レイホール(#2メディ|ゾーン・コスワース/DP01/ブリヂストン)は、4つポジションを上げて9位。ミナルディ・チームUSAの“スピーディ”ダン・クラーク(#4ミナルディ・チームUSAコスワース/DP01/ブリヂストン)がその後に続き、ここまでがトップ10となる。
トップ3インタビュー
ウィル・パワー: 「今日はチームが素晴らしい仕事をしてくれたね。でもレースは長いから喜びすぎてはいけないよ。明日のレースのキー・ポイントは良いスタートを切ることだと思うんだ。僕たちは今朝の第一セッションからほんとうに良いレース・カーを持っていた。フルタンクでの走行やすべてのことを試したから、明日のレースが楽しみだね。良い戦略も用意しているよ。最後の10分間はたぶん僕の人生で最も厳しい4周だった。ポールを獲れるマシンだということが判っていたから、とにかく1周をまとめなくてはいけないと思い、これ以上ないというくらいに攻めたよ。最後の1周はもっと速かったはずだけど、ドミンゲスが僕をブロックした。予選はこの週末のとても小さな部分でしかない。僕たちはレースをまとめ上げて、勝たなくてはいけないんだ」
オリオール・セルビア:「今朝はマシンの調子が素晴らしく、昨日よりも良かったよ。ラップ・タイムもかなり簡単に出たからね。予選の最初のアタックでは、エンジンが何かのトラブルを抱えてしまい、2回目のアタックに向けてECUを交換しなくてはいけなかった。とても良い走りとはいえなかったけど、十分なラップ・タイムだった。ターン5でミスを犯し、タイムをロスしたけど、最後には良いタイムを記録できた。ウィルはものすごいラップ・タイムを記録していたから、彼を倒すのは難しかったと思う。マシンにはとても満足しているし、フロント・ローからスタートするのは素晴らしいことだよ。ここまではかなりうまくいっているから、あとは優勝を目指すだけさ」
ポール・トレイシー:「過去2回を除くと、ほとんどトップ3にいたと思うよ。サポートイベントや観客の多さに関しては、どんなモータースポーツ・イベントのなかでも、このイベントが一番大きいんじゃないかな。天候も僕がこれまで出場したどのイベントよりも良いと思う。まあ、何人かは僕と違う意見を言う人もいるけどね。でもチャンプ・カーは新しいプロモーターや開催地の人を、このイベントに連れてくる。それはこのイベントが、チャンプ・カーの求めているもののモデルとなるからだよ。このレースはほんとうにユニークだから、みんながこんなイベントを開催したいと思うはずだけど、簡単にまねは出来ないね」