CHAMP CAR

サンノゼの予選イベントを制したセバスチャン・ブルデイが、2006年チャンプ・カー・シーズン5度目のポール・ポジションを獲得


サンノゼの中心部を通るストリート・コースは、新たな改修によって昨年から大幅に改善されているため、昨日のタイムは昨年より5秒近くも速くなっている。今日のカナリー・ファンデーション・グランプリ・オブ・サンノゼの最終予選でも、タイムはさらに短縮。トップに立った男は、昨年のチャンプ・カー・ショーを繰り返すかのように、そのパフォーマンスを見せつけた。
昨年のサンノゼ覇者であるセバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、1.443マイルのストリート・サーキットで48秒989のトラック・レコードをマークし、今シーズン5度目、キャリア通算23度目のブリヂストン・ポール・ポジションを獲得。日曜日の97周レースを、昨年と同じくポールからスタートする。
ブルデイは最初のセットのブリヂストン・ポテンザをフルに活かし、コース上の空いているスペースを見つけて4周目まで徐々にタイムを短縮。最後は今週末で唯一の48秒台を記録してポールを奪う。彼は5周目に金曜日のリーダーだったポール・トレイシー(#3インデック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)からポールを奪い取り、7周目にはベストラップをたたき出した。
トレイシーは土曜日の最終予選で4番手のタイムだったものの、金曜日のセッションをリードしたことで2位のグリッドとなる。このカナダ人スターの公式タイムが49秒810と記録されているのは、トレイシーにブロッキングの違反が発覚し、ペナルティーによって最速タイムが取り消されたためだ。このフォーサイス・チャンピオンシップ・レーシングのドライバーは、明日のイベントでフロント・ローのアウトサイドから今シーズン2度目の最前列スタートを切る。
トレイシーのチームメートのA.J.オールメンディンガー(#7インデック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、この日2番目のラップ・タイムを記録。49秒264の自己ベストで、3位からスタートする。オールメンディンガーは与えられた15ラップの最後にベストタイムを記録し、最後の5周では0.2秒近くもアップした。このカリフォルニアンは今シーズンどのイベントでもトップ4スタートを達成している唯一のチャンプ・カー・ドライバーで、2005年シーズンから数えて10戦連続のトップ4スタートを切る。
ここまでの3回の予選セッションで、トレイシーは最初にコース・インしてクリア・トラックのアドバンテージを得てきた。彼は6周目に金曜日のトップ・タイムを更新し、残りのドライバーがコース・インする前に最初のスティントを終わらせた。ウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、セッションが始まってから最も注目を集める躍進を遂げ、セッション開始後10分に2番手へ浮上した。このロシュフランズ・ルーキー・オブ・ザ・イヤーのリーダーであるパワーの走りは、金曜日の朝のクラッシュで予選を走れなかったことによって、より印象的なものになった。
ブルデイがコース・インして暫定トップになると、オールメンディンガーもコース・インしてタイヤ交換の前に2番手のタイムを記録。トップ3の後ろではパワーを先頭に、オリオール・セルビア(#6ベル・マイクロ/ガルフストリーム)と、クリスチアーノ・ダ・マッタ(#10ルースポート・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が、セカンド・ローをめぐって激しい争いを展開した。
セッションが残り10分となったところでセルビアは4番手に浮上するが、すぐさまクリスチアーノ・ダ・マッタが49秒659を記録して、1分後に3ポジション後退する。プレ・プラクティス・セッションでクラッシュしたジャスティン・ウイルソン(#9CDWフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)を、予選争いへ復帰させるためにルースポート・チームは最終予選のためのバックアップ・カーを急いで用意した。ウイルソンはコース・インしてタイヤの温度を上げているときに、マリオ・ドミンゲス(#19サニーズBBQフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)がターン7のタイヤ・バリアに激突してレッド・フラッグが出される。
チャンプ・カー・セーフティ・チームはいつもどおり素早い作業でドミンゲスのマシンを排除し、セッションは残り3分となったところで再開。ウイルソンは最後のラップでわずかにタイム・アップするが、50秒341のタイムで結局12番グリットに終わった。
ダ・マッタは4位で今シーズン自己最高のスタート・ポジションを記録してセルビアのひとつ前となり、セルビアは4戦連続のトップ5グリッドに入った。6位となったパワーは日曜日のレースで、ルーキー中最高位からスタート。ブルーノ・ジュンケイラ(#2ホール・イン・ザ・ウォール・キャンプス・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)はセッションの終盤で7位となった。最初の6レースでトップ10スタートがなかったアンドリュー・レンジャー(#27タイド/マイ-ジャック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、3戦連続のトップ10グリットとなり、明日は8番手からスタートする。
明日のカナリー・ファンデーション・グランプリ・オブ・サンノゼ・プレゼンテッド・バイ・テイラー・ウッドロウは、その模様をアメリカ東部時間の午後3時30分からNBCの生中継で見ることができる。レース・ファンはチャンプ・カー・ワールド・シリーズの公式ウェブサイトwww.champcar.ws にあるレース・ディレクターを通じて観戦が可能だ。
トップ3インタビュー
A.J オールメンディンガー: 「フォーサイス・インデック・チームにとってはいい1日だった。セバスチャンおめでとう。あのラップは本当にすばらしいものだったよ。僕のマシンはブリヂストン・ブラックで走るといい感じだ。昨日はレッドを使ったけど、今日初めてブラックで走ってみたら、すごく速かった。その後にブリヂストン・レッドへ付け替えるときは、とても興奮したよ。でも実際は交換したタイヤの温度を十分上げられなくて、ダメだったんだ」
ポール・トレイシー: 「まぁ、この結果には満足しているよ。もちろんポールだったら最高だけど、今日はちょっと無理だったね。昨日の走りでフロント・ローのスタートが決まっていて良かった。明日のためにタイヤをセーブしたいから、それほどハードには攻めなかった。みんなも自分のポジションを譲りたくないように、僕も譲りたくなかったんだ。でも結局は他のドライバーを邪魔してしまったようで、ペナルティーを受けてしまったよ。予選の終盤だったから、しょうがないと思うけど」
セバスチヤン・ブルデイ: 「全体的にとても良い1日だった。マクドナルドのマシンが昨日と比べてかなり良くなっている。昨日あったブレーキの問題は解決した。それに加えてブリヂストン・レッド・タイヤのおかげで、予選の結果が良かった。すごく良いラップだったよ。でもあのラップがすぐに来なくても、全体的に良い走りだったと思う。周ごとにコンマ1秒ずつ速くなっていたから、走れば走るほど、マシンが良くなっていく感じだったね」
主な注目のポイント
チャンプ・カーキャリア4年目のセバスチャン・ブルデイはキャリア通算23回目のブリヂストン・ポール・ポジションを獲得し、元シリーズ・チャンピオンのジョニー・ラザフォードに並ぶ歴代8位に浮上した。
PKV レーシングのオリーオル・セルビアは4戦連続して予選トップ5に入り、ひとりのドライバーが4戦連続してトップ5スタートするのは、4年間のチーム史上初めてのことだ。
チャンピオンシップ・ポイント・ランキングで現在2位のジャスティンウィルソンは、明日12番手でスタート。昨年16番手でスタートしたクリーブランド以来、17戦ぶりの最低のスタート・ポジションとなった。
ウィル・パワーは彼のわずかなキャリアで最高となる6位からスタートする。彼はダン・クラークがポートランドで記録した結果と並び、今シーズンのルーキー中、最高のスタート・ポジションとなった。
明日の決勝をフロント・ローからスタートするポール・トレイシーは、去年のクリーブランドとトロント以来となる2連続のフロント・ロー・スタートを切る。