2006年のブリヂストン・プレゼンツ・ザ・チャンプ・カー・ワールド・シリーズ・パワード・バイ・フォードのポイント・ランキングは、どうやら2度のシリーズ・チャンピオンであるセバスチャン・ブルデイ(#1マクドナルド・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)に近づいているようだ。
彼の大量のリードがA.J.オールメンディンガー(#7インデック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)の3連勝によって、23ポイント差まで縮まった後、エドモントンでブルデイは早々にポイントを取り返し始める。彼は日曜日のウエスト・エドモントン・モール・グランプリ・プレゼンテッド・バイ・ブリックの金曜日予選を制す。続いてブリヂストン・ポール・ポジションを勝ち取り、蒸し暑い土曜日となったエドモントンのジャグフロー・スピードウェイのトラック・レコードまでも更新した。
ブルデイは1.973マイルのエアポート・サーキットを58秒560で走り、ポールを記録。オールメンディンガーが昨年記録したトラック・レコードを打ち破り、2006年シーズン4度目のポールを獲得した。彼は渾身の走りで今シーズン193ポイント目となるチャンピオンシップ・ポイントを挙げ、オールメンディンガーとの差を25ポイントに広げている。ブルデイはカナダ人スターのポール・トレイシー(#3インデック・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)とフロント・ローに並び、トレイシーは58秒622のタイムで今シーズン初のフロント・ロー・スタートを決めた。
このセッションは3回のレッド・フラッグによる中断があり、ドライバーたちは保証された20分のグリーン・フラッグ・タイム中に全力を尽くさなくてはならなかった。興味深いことは、このセッションのスタート時に、トレイシーが他のドライバーの先陣を切ってコース・インしたことで、現在の予選形式となってから3年目にして初めてのことであり、2003年のシリーズ・チャンピオンは予選セッションが始まって最初にトラックへ出たマシンとなった。
不運なことにトレイシーのこの戦略はまもなく破綻してしまい、彼は電気系のトラブルによってターン7のウォールに向かってスピンを喫し、最初のレッド・フラッグが出された。ドライバーはレッド・フラッグを出したことのペナルティーで、予選の最速タイムを抹消されるため、この読み違いはセッションの後半に大きく響くことになる。彼のフォーサイス・チャンピオンシップ・レーシングのチームは短時間で修復を完了し、グリーン・フラッグが振られてセッションが再開したときに、トレイシーをコースへと送り出した。ジャスティン・ウイルソン(#9CDWフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は最初の大きなアタックを仕掛け、3周目に4番手から暫定トップに躍り出た。
しかし、他のマシンは彼を捉えるのを待たなくてはならなかった。ルーキーのダン・クラーク(#14CTEレーシング‐HVMフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が、ターン13のウォールに激しくヒットしてレッド・フラッグとなったためだ。クラークは午後のプラクティスで5位となっていたが、第1ラウンドのタイムによって、明日の85ラップ・レースを17位からスタートすることになる。
クラークのアクシデント後のタイム・アタック合戦が始まるまでには時間が掛からず、トレイシーが6周目に暫定トップに立ち、オールメンディンガーとウイルソンが30秒も経たないうちにそのタイムを更新する。この激しい争いはブルーノ・ジュンケイラ(#2ホール・イン・ザ・ウォール・キャンプス・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)のスピンとストールによって、突然の幕切れとなり、このセッション3度目のレッド・フラッグが出された。このレッド・フラッグによってタイム・アタックが中断となる前に、ブルデイが自己ベスト・タイムでフィニッシュ・ラインを駆け抜けてトップとなっていた。
すばやい撤去作業によりベスト・タイムを更新するための時間が8分残されており、タイム・アタックの祭典はグリーン・フラッグによって再開し、トップ・タイムに挑戦するために14台のマシンがコース・インする。トレイシーは最初のラップで大幅にタイム・アップし、そのラップでブルデイの前に出ることができたのだが、前述のペナルティーによって、彼はもう一度ブルデイの前に立つ必要があった。彼の最終ラップはコンマ1秒までポールシッターに迫り、2位のタイムには十分だった。ウイルソンは58秒665で3位のポジションに復帰した。
オールメンディンガーにはブルデイを倒す最後のチャンスがあったが、58秒893の4番手グリットから4連勝を目指すことになる。2005年のエドモントンでポディウム・フィニッシュをしているオリオール・セルビア(#6ベル・マイクロ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は59秒324で、ここまでがトップ5となり、このスペイン人は3戦連続のトップ5スタートを決める。
ウィル・パワー(#5オージー・ヴィンヤーヅ・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は6位でセッションを終えたが、ブロッキングに関するチャンプ・カー・ルールの違反が明らかになったために7位に降格。彼は自己最速ラップを取り消され、ネルソン・フィリップ(#4CTEレーシング‐HVMフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)の後ろの7位に後退し、フィリップはキャリア・ベスト・タイの6位グリッドとなった。
アンドリュー・レンジャー(#27タイド・フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は8位に入り、2戦連続でトップ10の予選結果を記録した一方、ジュンケイラは第1ラウンドのタイムによって9位に終わった。デイル・コイン・レーシングのマリオ・ドミンゲス(#19サニーズBBQフォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が続き、ここまでがトップ10となる。
明日の85周のイベントは現地時間午前11時(アメリカ東部時間午後1時)に始まり、その模様をアメリカではCBSスポーツの生中継で見ることができる。また、レース・ファンはシリーズの公式ウェブサイトwww.champcar.ws にあるレース・ディレクターを通じてこのイベントを見ることができる。
トップ3インタビュー
ジャスティン・ウイルソン: 「とても良いレース・カーが僕たちにあると思う。使い古しのタイヤでも速く走ることができたのだから、新しいタイヤではなおさらだ。すべてがうまくいっていると思う。レースでミスをしないことが重要だね」
ポール・トレイシー: 「いい感じだよ。週末を通して速い。レース・ペースでも問題ないだろうし、ほんとうにいいマシンだよ。今朝のセッションで古いタイヤでも、僕のマシンはとても、とても速いんだ。明日は自信があるよ」
セバスチャン・ブルデイ: 「最初の走行で良い1ラップを出せたことがラッキーだったね。2回目も同じくらいで走ることができたけど、望んでいたほどではなかった。かなり納得のいくマシンでレースに挑むことができそうだけど、ライバルも彼らのマシンにはとても満足しているようだね。明日はかなり良いペースでいけるはずさ。まわりの顔ぶれを見ればどんなにタフなるかはわかっているよ」
主な注目のポイント
セバスチャン・ブルデイは今日の予選をリードし、キャリア通算22回目のポールを勝ち取った。彼は歴代9位となり、元チャンピオンのジョニー・ラザフォードのひとつ後ろに迫っている。
明日、クリスチアーノ・ダ・マッタはキャリア通算100回目のチャンプ・カーのスタートを記録する。彼は現役でシリーズ100回のスタートを記録しているアレックス・タグリアーニ、オリオール・セルビア、ポール・トレイシーの仲間入りすることになる。
昨年のエドモントンのレースでトップ4からスタートしたどのドライバーも、イベント中のラップ・リードをとっているが、レース・ウィナー(ブルデイ)は10番グリッドから勝利している。