<US-RACING>
Photo & Report by Hiroyuki Saito
2年前のクリーブランドで優勝しているカーパンティエ。その速さは折り紙つき、チームも強いし、ルックスも悪くない……が、なぜか勝利に恵まれない。今回もボウデイに次ぐ2番手を走っていながら、降って湧いたようなエンジン・ブロー。白煙に包まれたピットでマシンを降りた。トレイシーのクラッシュといい、今回のクリーブランドでフォーサイスにツキが無かったことだけは確かだろう。
プラクティスで、派手なクラッシュを2度も演じたジュンケイラ。しかし、ぶつけながらも最速タイムを記録したりと、出入りの多い週末だった。チームメイトのボウデイに負けられないとハッスルした結果のクラッシュ……かどうかは分からないが、終わってみればニューマン/ハースのワンツー・フィニッシュ。やっぱり2位はジュンケイラだけど、ドライバーズ・ランキングではボウデイを従え堂々の1位。今季未勝利でトップとは、いかにもジュンケイラらしい。念願のチャンピオン獲得のためにも、初勝利が待ち遠しい。。
プラクティス総合で7番手、予選5番手で、この週末の最速……とはいかなかったが見事にポディアムをゲットしたタグリアーニ。波乱となった第1ターンに関しては、「ターン1に入ったときに1stギアにシフトダウンして、ブレーキをロックさせたのは確かだけど、あれはウイルソンからぶつかってきたんだよ」とコメント。ウイルソンは「タグリアーニがぶつけた」。トレイシーは「俺は普通に曲がっただけ。タグリアーニは100マイルオーバーでヘアピンをクリアするつもりだったのさ。おかげで行き場の無くなったウイルソンがぶつかってきた」。レーシング・アクシデントの常で、誰が原因かは闇の中。タグリアーニはそのあとにもスピンを喫しており、追い上げナンバー1だったのは間違いない。
初日の第1予選で一度は暫定ポール・ポジションの座を手に入れながら、ハンター-レイに対する走路妨害で最速タイムを剥奪されたボウデイ。予選直前のプラクティスでは再び最速をマークしたものの、第2予選でも4位と不本意な成績に終わった。しかし、セカンド・ロー発進が幸いしたか、第1ターンのアクシデントに巻き込まれることなく、やすやすとリーダーの座を獲得する。その後の展開は、最多リードを奪うまさに一人舞台。ラスト10ラップでは、2位のジュンケイラに20秒近いリードを保ち、余裕のクルージングでフィニッシュした。ルーキーだった昨年もポール・トゥ・ウインを決めており、クリーブランドでは勝率100%という事になる。
建国記念日を翌日に控え、イベントムードが盛り上がるクリーブランドで向かえた決勝日。午後5時6分にグリーンフラッグが振られ、各車いっせいにターン1へとなだれ込む。クリーブランドのターン1は、トップスピードから一気に減速が必要なヘアピンのため、「何かが起こる」ポイントだが、今年はフロントローの2台が餌食となってしまった。まず、ブレーキング・ポイントを深く取ったタグリアーニとウイルソンが接触。ダメージを負ったウイルソンは、コントロールを失ったままトレイシーを襲った。ウイルソンはその場でレッカー、ピットまでたどりついたトレイシーもマシンを降りた。スピンしながらもコースに復帰したタグリアーニだけがレースを続行し、表彰台に登る。