CHAMP CAR

チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第8戦 ポートランド【二日目】レポート

<US-RACING>
■1秒に15台が入る予選でトレイシーがポール
またも雨が降ったりやんだりと、めまぐるしく天候が変わった土曜日のポートランド。朝のプラクティスは昨日の予選トップであるジョルダインだったが、予選はトレイシーがポールポジションを獲得し、ブランズハッチに続く今季2度目のポールとなった。終わってみれば15台が1秒以内と昨年(14台)よりも上回る大接戦の予選。それほどレベルが下がっていないのがよく分かる。

■昨日に引き続き暫定ポールのジョルダインがプラクティスでトップ

今日も一面の雲に覆われた朝のポートランド。プラクティス開始1分前の時点で気温は14度と低いが、昨日同様晴れればすぐに気温は上がるだろう。セッションが始まる直前に小雨が降ったもののすぐにやみ、晴れ間が出てきた中で午前10時に始まった第4プラクティス。開始26分後にボウデイがこの日初めて1分を切る59.950秒を記録し、好調なボウデイはさらにタイムを縮めて59.855秒をマークする。

終了まで残り30分を切った10時46分に、昨日暫定ポールを獲得しているジョルダインが59.865秒を出してトップが入れ替わり、ジョルダインはなおもタイムアップして59.815秒を叩き出した。結局このプラクティスで誰もジョルダインのタイムを上回る者は現れず、予定どおり11時15分にチェッカードフラッグ。レースのセッティングに専念したのか、ジョルダインは昨日の自分自身の予選トップ・タイム(59.397秒)を上回ることはなかった。2番手ボウデイ、3番手がトレイシーだ。

■昨年を上回る15台が1秒以内に入った予選でトレイシーがポール

今日も晴れたり曇ったりといった天気になり、昼は大雨となったがすぐにやんだ。予選開始の時点で18度まで気温が上昇したポートランド。これまでのこのコースにおけるレコードは、2000年にカストロネベスが記録した57.738秒で、昨年ポールを獲得したダ・マッタのタイムは58.679秒だ。トラクションコントロールが無くなった今年、この最終予選でどこまで近づくことができるだろう。

路面はほとんどが乾いているなかで、午後1時45分、まずはいつものように最終調整の第5プラクティスがスタート。この10分間のセッションでトップタイムを出したのはタグリアーニで、フェルナンデス、ハンター‐レイが続いている。10分間のインターバルを置いて午後2時5分、ついに最終予選が始まった。

開始から5分が経過した午後2時10分、トレイシーがこの週末初めて58秒台に突入する58.793秒を4周目に記録。その6分後、ジョルダインも58秒台に入れる58.838秒をマークし、2番手に上がってきた。2時21分の時点でトップ5はトレイシー、ジョルダイン、フェルナンデス、ボウデイ、タグリアーニ。

昨日は赤旗でセッションが終盤に中断し、最後にアタックできないままセッションが終了したこともあって、各ドライバーは早めにアタック。いつ雨が降ってもおかしくない状況がさらに拍車をかけ、終了10分前にして10台以上が規定の15周を走り終えてアタックを終了した。と、そこへ雨が降り始め、午後2時27分にモレノがスピンしてタイヤウォールに追突。赤旗となってモレノのベストタイム(59.469秒、この時点で12位)は剥奪となってしまった。

4分後にいったんグリーンとなるも、依然雨は激しく降り続いている。コースに出て行ってもタイムの更新は不可能であり、赤旗を作ればモレノのようにトップタイムが剥奪されてしまうだけに、誰もコースに出ようとしない。そのうちに予定の終了時間である午後2時35分を迎え、チェッカードフラッグが出てセッションが終了。ポール・ポジションはトレイシーが獲得し、ブランズ・ハッチに続く今シーズン2回目のポールとなった。

昨年のダ・マッタのタイムにほんのわずか及ばなかったが、終わってみれば15台が1秒以内と昨年(14台)よりも上回る大接戦の予選。昨年はトヨタ・ローラの2台しか58秒台に入れることは出来なかったが、フォードのワンメイクとなった今年はマシンにそれほど差がなく、4台が58秒台入りした。ロードコースの予選ということを考えればこの僅差は注目に値するものであり、有力チームやドライバーがいなくなっても、それほどレベルが下がっていないのが分かる。