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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第4戦 ブランズ・ハッチ【初日】レポート

<US-RACING>
■3連覇中のトレイシーが4連続フロント・ロー達成

秋から春へと移動したヨーロッパ・ラウンド、その最初となるイギリス戦が5月3日土曜日に開幕した(レースは月曜)。今年からロード・コースのブランズ・ハッチを舞台に行われることになり、チャンプカーのレースは実に1978年以来となる。ロード・コース初のシングルカー・クオリファイとなった初日の予選、トップ・タイムをマークしたのは現在3連勝中のトレイシーで、プラクティスから絶好調だ。

■第1プラクティスは地元マニング、しかし総合でトレイシーがトップ

朝から晴れたり曇ったりの天気となったレース・ウィーク初日、気温12度前後のコンディションの中、最初の50分間のプラクティス・セッションが午前10時からスタートした。序盤15分を経過したところでトップ・タイムは地元イギリスのルーキー、マニング。フェルナンデス、トレイシーといったベテラン勢が凌ぎを削っていたトップグループの中で、マニングは逸早く38秒を切る37.953秒を記録する。

開始から38分を経過したところでフェルナンデスがターン5付近でスピン&クラッシュ。 いったんレッドフラッグを提示したCARTオフィシャルは、安全性を確保するまでに多少の時間を要するとしてセッションを終了。このプラクティスのトップタイムはマニングが記録した37.953秒で、2番手はジュンケイラ、3番手はトレイシーのオーダーとなった。

完全な雲空となったことで気温は最初のセッション・スタート時からいっきに8度前後へと下がり、やや肌寒いコンディションとなった。やく1時間ほどのインターバルをおいて、11時40分に2回目のプラクティス・セッションがスタート。序盤からマニングがトップ・タイムを更新したが、3連覇で絶好調のトレイシーが逆転。しかしマニングも諦めず、地元ファンが見守るなかでさらにタイムを更新するなど、観る者を飽きさせない。

30分が経過したところでタグリアーニが単独スピン。ピット入り口手前のレーシング・ライン上にマシンがストールしてしまったため、ここで今日2回目のレッドフラッグとなり、タグリアーニは“8分間ペナルティ”を科せられることになった。赤旗中断から2分後、プラクティスが再開されるとジュンケイラ(37.605秒)とボウデイ(37.493秒)が相次いでトップタイムを更新してみせる。 

セッションの残り時間が2分を切ったところで、トレイシーが37.263秒の最速タイムをマークしたが、ターン2の出口付近で単独スピン。マシンがタイヤ・ウォールにヒットして停止したため、残り1分のところでレッド・フラッグとチェッカード・フラッグが同時に出されてセッション終了。午前中の総合はトップがトレイシーで2位がボウデイ、以下タグリアーニ、ジュンケイラと続き、トップ4台がローラ・シャシー。マニングはレイナード勢トップの5番手でプラクティスを終えた。

■トレイシーがコース・レコードとともにフロントローを確保

今回、一周の長さが1.19マイルしかないブランズ・ハッチの予選では、オーバル・コースと同様の“シングルカー・クオリファイ”方式となる。コースインしたインラップに続き、連続して4周までアタック・ラップが許され、その中の最速タイムを採用。2日間の予選のどちらかでトップ・タイムをマークしたドライバーにフロントロー・グリッドが約束される方式は、これまでのロードコースの予選と同じだ。

2時30分、気温11度というコンディションで第一予選がスタート。朝のプラクティスにおける遅い順からアタックとなり、3番目に走行したドミンゲスが最初に38秒を切る37.580秒で暫定トップに立つが、6番手アタックのカーパンティエがこれを凌ぐ37.580秒でトップを入れ替える。その後14番目にアタックしたセルビアがようやくカーパンティエのタイムを更新する37.254秒で暫定トップに浮上した。

このあと16番目にコースインしたジュンケイラが、4周目のアタックで37.022秒をマークする。チームメイトのボウデイが37.122秒と好タイムをマークしたが届かず、午前中のプラクティス・トップのトレイシーがいよいよ最後にコースイン。4周目のアタックで見事37.006秒を叩き出し、コース・レコードとともに暫定ポール・ポジションを獲得した。

開幕以来4戦連続でフロントローを確保したトレイシー。2番手には0.016秒遅れでジュンケイラ、3番手ボウデイ、4番手セルビアと続き、マニングは5番手でレイナード最上位。ローラ勢がポール・ポジション以下トップ10に計9台と優位は変わらず。予選終了後、「実はもう一周あると思っていたんだ」と語ったトレイシー。「4周目のアタック・ラップは前半でミスを犯してしまい、その後のS字を果敢に攻めて遅れを取り戻した」という。明日のコンディション次第ではさらなるタイム短縮が見込まれる。

明日は午前10時から75分間のプラクティスセッションが行われ、最終予選は午後1時45分からスタート。初日と同様に“シングルカー・クオリファイ”方式でポール・ポジションが確定する。