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チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第3戦 ロング・ビーチ【初日】レポート

<US-RACING>
■7台が0.5秒内の予選で2連覇のトレイシーがトップ

曇り空のもとでスタートした第3戦初日、開幕2戦連勝のトレイシーが50分ずつ2回のプラクティス・セッション両方でトップ・タイムをマーク。さらに午後2時50分に開始された予選セッションでも69.079秒で暫定ポール・ポジションを獲得。フロントロー・グリッドの確定とボーナス・ポイント1点を追加した。以下2番手はジュンケイラ、3番手にはルーキーのボウデイが入った。

■前回の第2戦と同様、トレイシーが午前中のプラクティスでトップ

生憎の曇り空となったが、気温20度と絶好のコンディションとなったロング・ビーチ。レースウィーク初日は金曜日であるにも関わらず、大勢の観客がここロング・ビーチのダウンタウンに仮設されたストリート・コースへと足を運んだ。午前9時30分、予定どおりに最初のプラクティス・セッションがスタート。最初の10分が経過した時点ではフィッティパルディ/ディングマン・レーシングのモンテイロがトップタイムをマークしている。

セッションの後半に入ると、フェルナンデスが75秒を切る74.111秒をマークしてトップに立ったが、すぐに72.012秒まで大幅に短縮。普段はサーキットとして使用されていないストリート・コースの路面状況が徐々に良くなっていくと、カーパンティエも72秒台でフェルナンデスに次ぐ72.947秒を記録して2番手に上昇。しかし残り10分を切ったところでトレイシーが71.023秒をマークしてトップに浮上、フェルナンデス、モレノといったベテラン勢が続いてセッションが終了した。

続く2回目のプラクティス・セッションは午後11時10分にスタート。しかし開始から10分もしないうちにター11でカマシアスとドミンゲスの2台が接触。コースはレッド・フラッグで中断となる。いったん4分後にグリーン・フラッグでセッション再開となるが、そのさらに4分後、ドミンゲスがターン8のタイヤバリアに突っ込みストール。ここで再び赤旗中断となり、カマシアス同様ドミンゲスにも“8分間ペナルティ”が課せられた。

路面状況の向上とともにスピード・アップする反面、勢いあまって単独スピンやコースアウトするマシンが続出。そんな中、チェッカーまで残り13分のところでジュンケイラがトップタイムを更新する70.221秒をマークし、残り5分のところで70.199秒とさらにタイムアップ。この時点で5番手につけていたトレイシーだったが、残り2分を切ったところで70.126秒のトップタイムをマークして、12時ジャストにチェッカード・フラッグとなった。

トレイシーが2回のセッション両方で安定した速さをアピール。午前中の総合結果をシャシー別に見ると、トップ8位までをローラ勢が占め、レイナードはトップ10に2台。ルーキーのトップはハンター-レイの9位で、ボウデイは12位にとどまった。

■ラスト1分でトレイシーが逆転、フロントローを決めた予選

午後になって予選セッションの開始時間が近づくと、朝のうち曇っていた空もすっかりと晴れわたり、やっとカリフォルニアらしくなった。午後2時30分にスタートした予選前の10分間のフリー走行では、ジョルダインがトップで2番手にセルビア、3番手はジュンケイラだ。10分間のインターバルを置き、2時50分に第一予選がスタートした。

開始から約10分が経過したところで、カーパンティエがこの日の総合ベストタイムを凌ぐ69.704秒を記録して暫定トップに立つ。これを皮切りに、ボウデイ、トレイシー、ジュンケイラらが次々と69秒台をマーク。朝のトップだったトレイシーも、16分経過した午後3時6分過ぎに69.173秒のベストラップを記録して暫定トップに踊り出る。

40分間のタイムアタック・セッションが半分を過ぎた3時11分、2番手につけていたジュンケイラが69.120秒を出して暫定トップに浮上。残り時間も10分となったところで各チームはさらにタイムを縮めようとタイム・アタックを開始し、一周1.968マイル(3.168km)の仮設コースはクリアラップが取りにくい状態となってきた。コンクリートウォールに囲まれている狭いストリートコースは、ドライバーの視界が制限されるために、このような混雑した状況下ではなかなかタイムを出しにくい。

いよいよ残り時間も少なくなり、チェッカード・フラッグまであとわずか1分と迫った中、タイミング良くトレイシーが69.079秒のベストラップをたたき出し、一気にトップへと躍進。それとほぼ時を同じくして、カーパンティエとモレノが接触してコース上にマシンがストップ。時間がほとんど残っていなかったために、オフィシャルは赤旗とセッションの終了を知らせるチェッカード・フラッグを提示。見事トレイシーが3連続フロントローと、1ポイントを追加した。

第1予選の結果を見ると、トップのトレイシーから9位のドミンゲスまでが69秒台を記録。7台が0.5秒内に入っている。これをシャシー・メーカー別に見ると、プラクティスと同様にローラ勢が圧倒的に優勢で、トップ8の独占を含めトップ10に合計9台が入った。ルーキーのトップは開幕2戦連続ポールポジションを獲得しているボウデイが、暫定トップのトレイシーと0.163秒差で3番手。今回ルーキーでトップ10位以内に入ったのはボウデイただ一人で、ほかの8人はハンター-レイの11位以下、全員がトップ10圏外だった。

仮設ロードコースではマシンが走りこむほど路面の状態が良くなり、グリップ力が高まる。明日土曜日の予選では各ドライバーともにさらなるタイムアップの可能性が高く、白熱したポールポジション争いが展開するだろう。