CHAMP CAR

チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第3戦 ロング・ビーチ【二日目】フォト&レポート

<US-RACING>
Photo&Report by HIROSHI NAKAJIMA

“US Air Force”(アメリカ空軍)をウイングとサイド・ポンツーンにあしらったマシンを駆るマニング。これはウォーカー・レーシングが現在中東で“イラクの自由作戦”に派兵されているアメリカ軍兵をサポートする目的で行ったもので、アメリカ空軍がスポンサーとなったわけではない。独裁者を排除するために戦う“自由への聖戦”に賛成するアメリカ人は比較的多いが、あまり戦争には賛成したくない“反対派”の人たちの中でも、実際に戦場に派兵されている兵隊に対してサポートの意思を表明する人は多い。

 ロケットスポーツ・レーシングに移籍した今シーズン、新チームで予算の面においても恵まれているわけではないが、前回メキシコで3位表彰台に上がったタグリアーニ。ここロングビーチでは予選3番手と着実に結果を残している。かつてのトランザム・シリーズのチャンピオン・チームは、経験を生かして基本に忠実なチームを造り上げた。

 毎年ロング・ビーチ・グランプリと共に開催されるトランザム・シリーズで、現在ランキング・トップのスコット・プルーエット。かつてこのシリーズでチャンピオンを獲得したプルーエットは、90年代にCARTで活躍し、トヨタに初ポールをもたらしたことでもよく知られている。プルーエットのチャンプカー・デビューもここロングビーチで、1988年に全財産を投げ打って一か八かのエントリー。その時の成績は予選13位で決勝18位だった。その後10シーズンに渡って参戦したCARTでは通算2勝を挙げている。今年43歳のベテラン・ドライバーは、まだまだ現役でチャンピオンを狙う。

 19歳と6ヶ月(シリーズ最年少記録)でCARTに参戦してから今年で8年。メキシコ人のジョルダインは122戦目にして初のポールポジションを獲得した。彼もトレイシーと同様にチャンプカー・デビューはここロングビーチ。開幕戦から2戦連続で2位表彰台に上がっているだけに、明日の決勝ではなんとしても念願の初優勝を飾りたいところ。

 予選初日で暫定ポールポジションを獲得した翌日は、様子を見ながら、あえて積極的にタイムアタックしなかったトレイシー。決勝用にフレッシュ・タイヤを温存するためだ。1993年にこのロングビーチでCART参戦を始めてから10年。若かりしころは血気盛んで、アグレッシブな走りがウリだったが、最近ではその速さに加えて冷静さも兼ね揃えるなど、ベテランの風格を漂わせている。過去ロングビーチでは1993年と2000年に2勝。