<US-RACING>
第9戦の決勝に向けての最終予選は昨日と同じく2グループに分けて行なわれた。まず午後1時45分、初日の予選で遅い方のグループ1の予選がスタート。気温26度、路面温度48度というまずまずのコンディションだ。
予選開始後9分、ノルベルト・フォンタナがターン4でコースアウトするが、マシンにダメージは無く、そのままコースへ復帰。この時点でグループ1のトップはオリオール・セルビアで、タイムは58.255秒。その後をマックス・パピス(58.288秒)、ブライアン・ハータ(58.358秒)が僅差でつける。
その直後、ハータが57.818秒の好タイムをマークし、一躍トップに出る。セルビアもタイムアップを図るが、58.145秒とまだ58秒を切れない。
セッション開始から16分が経過した2時1分過ぎ、タルソ・マルケスがターン8でタイヤバリアーに突っ込み停止。ドライバーは自力でマシンから脱出したが、マシンは大きく損傷を受け、コースはレッドフラッグとなる。マルケスは、予選を遅らせたことで8分間のペナルティーを科せらてしまう。そして2時8分、コースは再びグリーンとなり予選再開。
2時10分、昨日の予選タイムを1秒近く短縮し、更にタイムアップを図る黒澤琢弥のマシンが突然ターン5でスローダウン。黒澤はそのままコースサイドにマシンを止め、予選続行を断念。
その3分後、パトリック・カーパンティエがターン6でコースアウト。マシンにダメージを受けなかったカーパンティエは、そのままコースへ復帰し予選を続行。同じ頃、ミチェル・ジョルダインJr.がターン8でコースサイドにマシンを止める。こちらは燃料切れというトラブルのため続行不可能、そのまま予選を終えることとなった。
2時15分、チェッカーフラッグが降られ、第1グループの予選が終了。この時点での順位はハータが57.671秒までタイムを縮め予選初日のタイムを含めての暫定ポール獲得となる。以下セルビア(57.818秒)、フィッティパルディ(57.941秒)と続き、第1グループのトップ3までが初日の暫定ポールタイムを凌ぐタイムをマークした。
続く第2グループの最終予選は2時30分にスタート。セッション開始後5分が経過した時点でポール・トレイシーがエンジントラブルでコース脇にマシンを止めてしまう。トレイシーはピットへ戻り、用意されたTカーへと乗り込み19分後に予選を続行するが、貴重なタイムアタックの時間を失ったばかりではなく、Tカーにスイッチしたことでこれまでプライマリーカーで記録した予選タイムが全て無効とされてしまう。
最終予選開始から20分が経過、この時点での暫定ポールはセッション開始7分後に57.575秒をマークしたマイケル・アンドレッティ。2位はクリスチアーノ・ダ・マッタ(57.583秒)で3位ダリオ・フランキッティ(57.677秒)というオーダーだ。
そしていよいよ予選も終盤となった残り6分、朝のプラクティスで4番手のタイムを記録したグージェルミンが、57.538秒のトップタイムをマークすると、次の周にはポイントリーダーのロベルト・モレノが57.436秒のタイムを叩き出し暫定ポールを奪うというエキサイティングな展開となる。
しかしそのモレノ、更なるタイムアップを試みたその次の周、ターン4でスピンし、マシンをストールさせてしまう。CARTセイフティクルーに押しがけされ再スタートしたモレノだったが、CARTオフィシャルから8分間のペナルティを科せられてしまう。
これ以上タイムアタックを許されないモレノに対し、ド・フェランがグリーンフラッグとなったコースで最後の2分に全てを賭け、アタック開始。だが57.524秒のタイムをマークするに留まり、2番手となったところでチェッカーフラッグが降られ予選終了。ロベルト・モレノがシリーズ参戦以来初めてとなるポールポジションを獲得した。
エンジンメーカー別に見ると、ポールポジションがフォード、ホンダ2番手、メルセデス3番手で、トヨタが6番手という結果。また第1グループから出走した二人の日本人ドライバーの予選結果は、中野信治が58.985秒で21番手、また黒澤琢弥は60.767秒で25番手スタートとなる。
ポールポジションのモレノから1秒以内に16台のマシンがひしめき合うという状態、明日午後1時からスタートとなる決勝レースは、接戦となることが十分期待できそうだ。