<US-RACING>
熱戦が繰り広げられたポートランドのレース終了後、チームはまた3日間かけて 東へ移動。3連戦の最後となるのは滑走路を舞台とすることでお馴染みの クリーブランドである。
五大湖のひとつ、エリー湖に面したクリーブランドのダウンタウンのすぐ近くにある “バーク・レイクフロント・エアポート”は、普段は個人や企業が所有するプライベート エアポートとして利用されている。だからこそこうしてレースを行うことができる のだが、この空港のメインの滑走路と、2本の誘導路を組み合わせたコースは 2.106マイル。
ランオフエリアも広く、フラットなために非常に見通しがいいが、コースの表面は 水はけを良くするための独特の加工がしてあるのと、コース中央がカマボコの ように盛り上がっているため、慣れないドライバーには非常に辛いコースだ。
気温25度、路面温度34度の中で午前11時15分に始まった第1回目のプラクティス。 開始早々にマルケスがターン4でタイヤバリアに接触し、リアウイングを破損。10分が 経過した時点でのトップはポートランドの覇者ド・フェランで62.899秒、バッサー、グージェルミンがその後に続く。
開始から20分が経過しようとしていた頃にカストロネベスがターン4でスピン、その後、ターン6では昨年のクリーブランドウイナーのモントーヤがスピンしたが両者ともマシンは無事。開始から30分後のトップはダ・マッタの59.362秒、以下フィッティパルディ、カストロネベスとまったく違う顔ぶれが上位に顔を出す。
ジョルダインJRのメカニカルトラブルでセッションは一時中断されたが11時51分に再開。そのすぐあとにブランデルとブラックがアタック中にタイヤを接触させたものの、両者とも無事。だがその直後、いったん復帰したジョルダインJRがまたもターン1でマシンを止めてしまったために、またもレッドフラッグ。連続でセッションを中止させたジョルダインJRは8分間のピットストップペナルティを受けてしまう。
11時59分になってセッションが始まったが、その4分後にまたもマルケスが接触、苦戦を強いられる唯一のスイフトシャシー。開始からもうすぐ1時間になろうとしていた12時9分にターン4でカストロネベスが再びスピンしたかと思えば、今度は同じ場所でモレノがスピン。各マシン、今回はターン4でのスピンが目立つ。
午後12時15分、1時間が経過した時点でのトップは依然ダ・マッタ(59.362秒)。2位には59.438秒を出したアンドレッティが上がり、ド・フェランが59.710秒でそのあとに続くが、その1分後に59.113秒を叩きだしたフィッティパルディがトップに浮上。ニューマン/ハースの二人が揃って上位に顔を出してきた。
その後カーパンティエのエンジンストール、フェルナンデスのクラッシュなどでレッドフラッグが2回出されたあと、12時25分になってアンドレッティが初めて58秒台に入れる58.883秒でトップに浮上。また、フィッティパルディも58.890秒、ダ・マッタも58.943秒とタイムを上げたが、アンドレッティに一歩及ばず。
さて、ともに初めて滑走路を走る二人の日本人ルーキーだが、中野はターン7と8の間でスピンし、そのあとにターン1でまたもスピンするなど、苦戦の様子が伺える。また、黒澤はターン7でマシンをストップさせるなど、未だにマシンの調子が思わしくないようだ。
予定どおり午後12時45分になってセッションは終了。91年のクリーブランド覇者であるアンドレッティが今回出した58.883秒のタイムを誰も上回る事なく、僅差でチームメイトのフィッティパルディが追う。ニューマン/ハースの完全制覇で第1回目のプラクティスが終了。注目の1回目の予選は午後3時15分にスタートだ。