CHAMP CAR

CARTチャンピオンシップ・シリーズ 第5戦 もてぎ【予選】レポート

ファン・モントーヤ&トヨタが今シーズン2回目のポールポジションを獲得!

 少し雲が厚くなり、風も強くなったが、気温22度、路面温度41度と上々のコンディションとなった予選。もてぎのようなオーバルコースでは一台づつコースインして、2〜3周ウォームアップ(ドライバーの任意)し、その後2周タイムアタックして、良かったほうのタイムで決勝グリッドを決める「シングルカー・クオリファイ」で行われる。

 午後1時15分、残念ながら3回のプラクティスで総合最下位だった黒澤琢弥がコースインして、予選スタート。黒澤は暴れるマシンを何とか手なずけ、27秒556でフィニッシュ。23番グリッドを確保した。

 現在のポイントリーダー、ポール・トレイシーは、木曜日にギアボックストラブルが出て、バックアップカーで出走。今一つスピードが乗らず、26秒982で20位に終わる。

 中野信治は9番目にコースイン。スムーズなコーナリングで26秒732をマーク、その時点でトップに躍り出る。ダリオ・フランキッティ、エリオ・カストロ-ネベスといった同じホンダドライバー達はこのタイムを上回れず低迷してしまう。

 22番目にもてぎで2連覇を達成しているアドリアン・フェルナンデスがタイムアタック。しかし風の影響が強くなったのかタイムが伸びず、自己ベストにも及ばない26秒832に終わり、15番と不本意なスタートポジションとなった。

 そしてプラクティスのトップ3が登場。まずジミー・バッサーがコースインし、他とは明らかに異なるトヨタの予選用スペシャル・エンジンの音を響かせて26秒445でトップに立つ。しかし風の影響を強く受け、バッサーはもてぎで初めてターン3でシフトダウンをしたという。

 次に同じスペシャルエンジンを使うファン・モントーヤも自信にあふれる余裕の走りをみせ、タイムアタック1周目に26秒302、2周目には26秒237までタイムアップ。トヨタの期待に応えるかのように、バッサーのタイムを上回ってトップに。
最後はルーキーのケニー・ブラック。3周のウォームアップが終ってグリーンフラッグが振られ、1万5000人の観衆が注目したそのとき、突然リアエンドから白煙が巻き上がる。そのまま半周ほどしてコース上にストップしてしまった。

 チームはすぐにバックアップカーを用意し、ブラックは再度タイムアタックに入る。しかしすでにグリーンフラッグが振られたあとだったために、CARTの規定で1周しかアタックが許されない。そんな苦しい状況の中でも、ブラックはモントーヤに0.156秒遅れの26秒393をたたき出し、見事2位、フロントローを獲得した。

 4位はロベルト・モレノ、5位にジル・ド・フェランが入り、結局、トップ5はトヨタ2台、フォード・コスワース2台、ホンダ1台(メルセデス・ベンツはマウリシオ・グージェルミンの7位が最上位)という混戦状態に。

 だがこれまでの3戦を見る限り、緒戦のウイナーであるパピスは予選13位、第3戦の勝者トレイシーは予選17位、前戦のウイナーだったフェルナンデスは予選16位からと、いずれもグリッド後方からのスタートしていることに注目。

 決勝は201周、今年初の200マイル(320キロ)オーバーとなる500キロの長丁場であり、最後まで目が離せない展開になりそうだ。

 レースは午後12時、グリーンフラッグで日本ラウンドがスタートする。

●ファン・モントーヤのコメント
「今日はポールを取って今年のポイントが倍になっちゃったよ。昨日までは調子が良かったんだが、今日の練習ではよいタイムが出ていなかった。予選の時は向かい風が強くなってみんなのタイムを落としていたんだけど、シフトダウンすることで、問題なく切り抜けたんだ。今週末はずっとクルマが良かったんで、明日のレースでは初めてピットインできることを楽しみにしてるよ(今年のレースではピットインする前にリタイヤを重ねていた)」

●ケニー・ブラックのコメント
「今朝からエンジンには問題を抱えていたんだよ。だけど、何とかもたせようと祈っていたんだけど、結局ダメだった。バックアップカーにプライマリーカーとほとんど同じセッティングをしてくれていたことはすばらしいことで、チームにはとても感謝している。ただ、予選でニュータイヤが使えなかったことだけはとても残念だった」

●ジミ−・バッサ−のコメント
「タイムについては決して満足していないんだ。朝からセッティングを替えながら一番良いバランスを探していたんだけど、イメージしているようなダウンフォースセッティングを得ることができなかったんだ。でも、予選では、ダウンフォースも戻ってきて3番手スタートできるんでとてもうれしいんだ。明日は300マイルと長いレースなので、楽しみにしている。とにかく明日はがんばるし、がんばれると思うよ」

●11番スタートとなった中野信治のコメント
「午後は風の影響がでたようだ。セットアップは完璧じゃなかったけれど、午前中よりは良かった。まだ少しターン2でナーバスな動きをするからね。でもまたレースができて本当に嬉しい。体は問題ない。でもレース後は少し痛くなるかもね」

●23番スタートとなった黒澤琢弥のコメント
「オーバルはクルマの出来が80%を占める。それなのに、この仕上がりじゃ、しょうがないよ。もてぎではターン1〜2でフラットアウトにできなければ勝負にならない。それがリアが出そうになっちゃって、少しアクセルを戻さないと回れないんだ。ちょっとナーバスなマシンなんだよね、今回は。でも諦めずに決勝もがんばるよ」