<US-RACING>
太陽がだいぶ傾いた午後4時20分に、グリーン・フラッグで第3戦がスタートしました。ターン1でド・フェラン・モータースポーツ(シモン・パジノウ)がポール・ポジションのハイクロフト・レーシング(スコット・シャープ)をパスし、アキュラARX-02aが2台並んで進入。その後方ではダイソンのローラB09 86マツダ(ガイ・スミス)が予選3位のアキュラARX-01b(ルイス・ディアス)パスして3番手に躍進しました。
ド・フェラン・モータースポーツにとって、ALMSで初めての総合優勝です。昨年はハイクロフト・レーシングがクラス優勝しましたが、アキュラにとっても、この勝利はロング・ビーチで初の総合優勝となります。ホンダはCARTでこのコースを7連勝しましたが、来年はどうでしょう? 今週末はアメリカン・ホンダやHPDから最も近いロング・ビーチだけに、大勢の関係者が訪れていましたが、対戦相手がいればもっと盛り上がったことでしょう。
昨日の予選でポールを取り、絶好調だったハイクロフトですが、今日はスムーズなレースとはなりませんでした。スコット・シャープはスタートで一瞬出遅れましたが、すぐに挽回してトップに返り咲き。18周リードを守り、ピット・インしてド・フェランのパジノウにリードを譲りました。なんとそのとき、ピット内でクルーの1人がヘルメットを被っていなかったという違反で、20秒のペナルティを受けて大きく後退。そのままド・フェランからリードを取り戻せず、2位が精一杯でした。
LMP2クラスの優勝はフェルナンデス・レーシングの、アキュラARX-01です。メキシカン・コンビにとって、メキシコ系アメリカ人が多く住むロサンゼルス近郊は第2の地元のようなもの。アドリアン・フェルナンデスは彼らのヒーローであり、今回も熱烈な声援を受けていましたよ。
今回スタートでフェルナンデス・レーシングのアキュラARX-01bをパスし、3位に浮上したダイソンのローラB09 86マツダ。その後順位は入れ替わりましたが、今後も熱いバトルが期待できそうです。今回はクラス2位と3位、総合4位と5位でフィニッシュしました。
チェッカー・シーンをおさえようと思い、スタート・フィニッシュ・ラインのほうへと早足で向かっていると、ターン1のエスケープ・ゾーンへコルベットがオーバーラン。なんだと思ったら、いきなりマシン後部から火の手が上がりました。瞬く間に炎に包まれたマシンから、間一髪でドライバーは脱出。即座にセーフティ・クルーの一人が燃え盛るマシンに駆け寄り、迅速に消火作業にあたったおかげで、コルベットはかろうじて原型をとどめたようです。この不況のなか、限られた予算でレース活動を続けるチームが大半を占める状況のなか、勇敢にも炎に立ち向かい、マシンへのダメージを最小限に抑えた消化作業員へ、観客席から大きな拍手喝さいが送られていました。