(Audi)
【第4戦 :ソルトレイクシティ】
●2台のアウディR10 TDI、フィニッシュ間際の接触に巻き込まれる
●ルーカス・ルール/マルコ・ヴェルナー組はLM P1クラス優勝を獲得
●フランク・ビエラ/エマニュエル・ピロ組は無念のリタイアも、クラス3位をキープ
ソルトレイクシティ(アメリカ合衆国ユタ州)で行われたアメリカン・ルマン・シリーズ第4戦、アウディスポーツ ノースアメリカの2台のR10 TDIプロトタイプは、またも完全勝利に手が届くかに思われました。しかし、劇的なフィニッシュを迎え、アウディはLM P1クラス優勝を獲得するにとどまりました。
ミラーモータースポーツパークでのレースでは、スタートからアウディTDIは再度そのパワーを強く印象づけることとなりました。3、4列目からスタートしたマルコ・ヴェルナーとフランク・ビエラはV12 TDIエンジンのトルクを存分に使って前方のマシンをすべてオーバーテイク、最初のコーナーで1位と2位に踊り出ます。
2台のアウディR10 TDIは1回目のイエローコーション中に給油のピットストップを行ったにも関わらず、2時間45分に渡るレースの約半分はトップを快走していました。しかし、最終的にはクラス優勝をもってレースを終了するのです。
2回目のピットストップで、マルコ・ヴェルナー/ルーカス・ルール組は25秒をロスし、リードを失います。その後ルールがトップを走るポルシェに追いつくも、直後に遅いGT2カーに追突され、アウディR10 TDIの右リアタイヤにダメージを負ってしまいます。ルールはスピンし、これで完全に勝利への道が閉ざされてしまいました。このとき「回避可能な接触」だったとして、ルールにストップ&ゴー ペナルティーが科されたのは意外な決定でした。
その接触からわずか2ラップ後、今度はエマニュエル・ピロがGTカーに追突されてしまいます。左リアのサスペンションが壊れ、トップからわずか16秒差の2番手を走っていたピロは、コースを離れるしかありませんでした。
リタイアはしたものの、フランク・ビエラ/エマニュエル・ピロ組はLM P1クラス3位でのレース終了を認められました。ルーカス・ルールとマルコ・ヴェルナーは7位でレースを終え、LM P1クラスの1位で最多ポイントを獲得しました。これにより、ドライバーズ チャンピオンシップでの首位をキープしています。
【アウディドライバー/アウディチーム首脳のコメント】
Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒ (アウディ モータースポーツ代表)
難しいスタート位置からトップを奪えたのは、ドライバーとチームの素晴らしい努力の成果だったと思っている。だからこそ余計に、レース終盤で運悪く勝利のチャンスを逃してしまったことは残念でならない。
ルーカス・ルール (アウディR10 TDI #2)
素晴らしくエキサイティングなレースだった。ペースの遅いクルマにマシン右リアに追突されるまではとても良い位置につけていた。これによってパンクし、しかもストップ&ゴーペナルティまで科されてしまった。こんなジャッジは理解できない。しかし少なくともLM P1でのクラス優勝は獲得できたし、それに見合うだけの速さがあった。
マルコ・ヴェルナー (アウディR10 TDI #2)
もちろん、大変残念に思っている。初めのうちは物事はスムーズに運んでいた。僕たちのペースだった。スティントを走り終えて、トップでピットインする以上にベストな展開はない。だがそこから全てが悪い方へと転がりだした。マシンは正常にスタートできなかったし、ルーカス(ルール)のアウトラップの一周はペースがあがらず時間を食ってしまった。そして彼のマシンのリアにGTカーが接触し、ストップ&ゴーまで科された。これについては議論してもいい程、僕にとってはやり過ごせない話だ。僕たちのレースは破壊された。大変残念なことだ。勝利を手にしていたのに、持ち帰ることができなかった。LM P1での最高ポイントを獲得したことで納得するしかない。
デイブ・マラジ (チーム アウディスポーツ ノースアメリカ、チームディレクター)
残念だが、今回のレースは我々のレースではなかった。我々は速かったが、接触の不運に見舞われた。次のレースでの勝利を楽しみにしている。
【ALMS第4戦 ソルトレイクシティ結果】
1. デュマ/ベルナール (ポルシェ) 96ラップ 2時間45分34.653秒
2. マーセン/ロング (ポルシェ) +22.656秒
3. ド・フェラン/パゲノー (アキュラ/ホンダ) +26.839秒
4. フランキッティ/ライツィンガー (ポルシェ) +46.121秒
5. フェルナンデス/ディアス (アキュラ/ホンダ) +1分11.950秒
6. スミス/ダイソン (ポルシェ) −1ラップ
7. ルール/ヴェルナー (AUDI R10 TDI) −1ラップ(1st in LM P1)
8. ハータ/フィッティパルディ (アキュラ/ホンダ) −2ラップ
9. デブリン/ボニラ (ローラ-マツダ) −3ラップ
10. オコネル/マグヌッセン (シボレー) −8ラップ
・・・・
21. ビエラ/ピロ (AUDI R10 TDI) −17ラップ(3rd in LMP1)