<Honda>
アメリカン・ルマン・シリーズ第4戦ソルトレイクシティ
■開催日 : 5月18日(日)
■開催地 : ユタ州トーエル
■サーキット : ミラー・モータースポーツ・パーク
■コース全長 : 7.242km
ミラー・モータースポーツ・パークで18日(日)に開催されたユタ・グランプリにおいて、かつてのIndy500チャンピオンであるジル・ド・フェランと若いフランス人スタードライバー、サイモン・ペジノを擁する#66 パナソニックELSサウンド・アキュラ(ド・フェラン・モータースポーツ)が素晴らしい走りを見せ、総合3位を獲得しアメリカン・ルマン・シリーズの参戦ドライバー、観客、メディアに強烈な印象を残した。
ド・フェランの土曜日の予選でのスピンにより、タイヤの交換を余儀なくされ、そのため決勝は後方からのスタートを強いられた。しかし、2003年10月12日のIRLのテキサスでの勝利以来のレースとなったド・フェランは、12周までに6番手まで順位を上げ、時間のロスはほとんどなかった。
第1コーナーでのアクシデントにより、#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラを駆るスコット・シャープ(パトロン・ハイクロフト・レーシング)と#26 XMサテライトラジオ・アキュラのクリスチャン・フィッティパルディ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が一時戦線を離脱した中、ド・フェランはその接触を回避したことで、17周目に#15 ロウズ・アキュラのルイス・ディアス(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)に次ぐ、2番手に上がった。ディアスは、素晴らしいスティントを見せ、チームオーナーのエイドリアン・フェルナンデスにマシンを託すまでに4秒のリードを奪った。フェルナンデスは46周目に#16 ダイソン・ポルシェと接触するまで猛チャージを続けたが、破損したフロント空力パーツがフェルナンデスの表彰台獲得を阻み、総合5位でフィニッシュした。
かつてのフォーミュラ・アトランティックチャンピオンで24歳のフランス人ドライバー、ペジノは、5番手からスタートし70周目にはトップを走る素晴らしいレースを展開したが、74周目の給油とタイヤ交換を行ったピットストップ後、22周を残し5番手まで後退した。トップを走るチーム・ペンスキーのマシンから1分以上遅れていたが、その差を26.8秒まで縮め、結果としてチームのアメリカン・ルマン・シリーズ初戦で総合3位を獲得した。
#26 XMサテライトラジオ・アキュラを駆るブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)はLMP2クラス7位を獲得。また、前戦のロングビーチウィナー、#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラのデイビッド・ブラバム(パトロン・ハイクロフト・レーシング)は、シャープを巻き込んだ第1コーナーでの接触によってリアサスペンションの修復に時間を要しながらも、LMP2クラス9位でフィニッシュした。
4台のアキュラは、7月12日(土)にコネチカット州レイクビルで開催される次戦に向けて調整が行われる。
■ド・フェラン・モータースポーツ:LMP2クラス3位(総合3位)
ジル・ド・フェラン(Gil de Ferran)
「再びドライバーとしてハンドルを握れることを幸せに思う。アキュラのマシンは素晴らしかった。低速のマシンを追い越すために何度かコースを外れなければならず、長年オープンホイールレースに参戦していただけに不慣れだった。レース終盤のスティントで、ピットストップを行う前に(ルイス・)ディアスに接近することができた。サイモンは素晴らしいドライバーであることを多くの人々に伝えてきたが、今日チーム・ペンスキーとの差を劇的に縮めたフィニッシュで、彼はそれを証明した。今日のイエローフラッグはアンラッキーだったが、5年ぶりのレース参戦で表彰台を獲得でき、最高の気分だ。」
サイモン・ペジノ(Simon Pagenaud)
「スティント序盤でマシンの無線が外れ、シートベルトの下にはさみ込んで走ったのがラップタイムに影響してしまった。しかし、アキュラのマシンは素晴らしく、レースを楽しむことができた。低速の混戦を抜け、リードを奪うことができた。我々はレース後半にピットインしなければならず、懸命なドライブを続ける必要があった。チームにとって素晴らしいスタートとなった。ジルのような伝説のレーサーと組めることを幸せに思う。我々は最高の形でポイントを獲得し、次戦に向けて準備を進めていく。」
■ロウズ・フェルナンデス・レーシング:LMP2クラス5位(総合5位)
ルイス・ディアス(Luis Diaz)
「複雑な気持ちでのレースとなった。チームは素晴らしいマシンを準備してくれたが、異なるクラスが参戦し、混戦となるシリーズを戦うことはとても難しい。マシンが驚くほど素晴らしかっただけに、チームはもっと結果を出せたと思う。今日は好結果を逃したが、楽観視している。次戦を楽しみにしている。」
エイドリアン・フェルナンデス(Adrian Fernandez)
「勝つためのマシンだった。ルイスがそれを証明し、私自身も走りやすかった。このシリーズにおいては、予期できない混戦にとても悩まされる。ダイソンのマシンの1台が低速でコースに戻り、私の前で突然コーナーインした。そのスピードでレースラインに戻ることはなく、全く予測できなかった。少なくとも、私は40マイル彼よりも速かった。フロントの空力パーツにダメージを受けた中で、ルイスの走りは素晴らしかった。現状の走りを続けていれば、自分たちのレースができると思う。今日はフラストレーションの溜まる幕切れだった」
■アンドレッティ・グリーン・レーシング:LMP2クラス7位(総合8位)
ブライアン・ハータ(Bryan Herta)
「予選のタイヤを交換したために、後方からのスタートとなったことは残念だったが、レース序盤でフロントポジションまで上げたクリスチャンの走りは素晴らしかった。ハイクロフトのマシンがスピンし、それを避け切れず、サスペンションにダメージを負いながらではあったが、フィニッシュできた。アキュラのニューマシンは高いポテンシャルがあり、今後スピードは上がっていくだろう。ただ、表彰台を獲得するために少しの運が必要だ」
クリスチャン・フィッティパルディ(Christian Fittipaldi)
「よいスタートが切れ、最初の約10周で5番手まで順位を上げた。リスタート時、スコットがスピンしているのを確認し、避けようとしたができず、マシンのリアを接触させてしまった。リアの先端にダメージを負ったが、懸命なレースを続けた。ブライアンはフィニッシュまでよい走りをしてくれた。マシンの仕上がりがよかっただけに、運がなかったことが悔やまれる。我々はこのマシンで勝利を狙える」
■ハイクロフト・レーシング:LMP2クラス9位(総合25位)
スコット・シャープ(Scott Sharp)
「マシンは素晴らしかったが、レーススタート時の電気系トラブルが残念だった。マシンは特に低速コーナーで的確にスピードを上げることができなかったが、ピットで調整を行い、いくつかのスイッチを交換した結果、通常の走りを取り戻した。リスタート時、ダイソンのマシンに接近し、全てうまくいっていたが、突然、クリスチャン(・フィッティパルディ)にリアサスペンションにダメージを受ける角度で接触された。スタッフが懸命の調整を続けてきてくれただけに、ポイント獲得のために走るレースになったことは残念でならないが、彼らのおかげで少なくともポイントを獲得できた」
デイビッド・ブラバム(David Brabham)
「今日のレースは残念な結果となった。おそらくスコットが一番悔しいだろう。リアサスペンションに受けたダメージに耐えたものの、チームは修復に労力を割かれた。自分のスティント序盤、第1、第2コーナーでオイルが原因で、マシンのリアのトラブルに見舞われた。マシンに不具合を感じたので、十分に注意を払った。チームは、ポイント獲得に必要な、レース全走行距離の70%を走ることを目標にしていた。マシンは改善され、調子は上がり続けた。終盤、ラップタイムを縮め、目標は達成した」