<US-RACING>
セブリング・インターナショナル・レースウエイでアメリカン・ル・マン・シリーズ(ALMS)の合同テストがスタートした。フロリダ州オーランドウから車で1時間30分ほど南下したところに位置するセブリング・インターナショナル・レースウエイは、冬季でも温暖な気候に恵まれており、オフ・シーズンのテスト走行を行う場所としてよく使われている。今日も時折、雨が降ったものの最高気温は21度となり、若干蒸し暑くなった。初日のテストでは合計、15台のマシンが走行。ALMSはLMP1、LMP2、GT1、GT2の4つのカテゴリーがあるが、LMP1で7連覇しているアウディのチームは今回のテストに参加しておらず、1チームの1台だけが走行。今年からアキュラが参戦し、激戦が予想されるLMP2では合計6台、GT2が合計8台となった。GT1は今回のテストにエントリーしていない。明日はチャンプ・カーが同コースのショート・コースでテストを開始し、ALMSが午前、午後の前半、チャンプ・カーが午前、午後の後半と時間帯をずらしてテストが行われる。
午前のテスト走行では計測器を登載していなかったチームが多々あり、タイムを記録できた9台の中でトップだったのは、1分50秒156を記録したLMP2のロウズ・フェルナンデス・レーシングだった。午後からは各チーム、本格的にタイムを基準としたテストを開始。総合で1分47秒228のタイムを記録したペンスキーのポルシェRSスパイダーがトップ・タイムを記録した。「最高のマシンに、最高のチームだよ」と語るのはドライバーのエリオ・カストロネベス。彼は午後に行われた4時間のセッションで39周を走り、2位以下を2.5秒以上も引き離す驚異的なタイムを叩き出した。これは昨年シーズン、同クラスの予選タイムを0.5以上も上回るもの。「ほんとうに素晴らしい経験となった。この種のレースでは、単に速く走るのではなく、安定性も速さと同様に必要なんだ。ペンスキーが僕にこのチャンスを与えてくれると決めたとき、僕はとても興奮したよ」と、カストロネベスは興奮気味に初日を振り返った。
昨年からALMSに参戦しているペンスキー・モータースポーツを始め、インディ・カー・シリーズに参戦しているアンドレッティ・グリーン・レーシング(AGR)、ロウズ・フェルナンデス・レーシング(LFR)と2チームが新たにALMSにエントリーしている。AGRは、スポーツ・カー・タイプのカテゴリーに関して初参戦となるが、LFRは昨年、グランダム・シリーズと呼ばれるスポーツ・カーのシリーズに参戦しており、AGRと比べれば有利な点が多いだろう。タイム的にはそれほど差が広がらなかったもののアキュラを搭載したマシンの中ではトップ・タイムを記録した。ベテラン・ドライバーでチーム・オーナーのフェルナンデス、昨年グランダム・シリーズで一緒に参戦していたメキシカン・ドライバー、ルイス・ディアスが、レギュラードライバーとして今回のテストに参戦。もうひとりのチーム・オーナー、トム・アンダーソンも着ており、馴染みのエンジニアも多く、インディ・カーのチームがそのまま現場に来たような感じだった。
アンドレッティ・グリーン・レーシングは4番手タイムをマーク。ステアリングを握ったのはブライアン・ハータとダリオ・フランキッティだった。この日記録したベストの1分50秒747は、トップから3.5秒以上のタイム差があるものの、「パフォーマンスには問題もないし、僕たちは信頼性に重点を置いているんだ。今日はショックとスプリングを中心に作業して、クルマのバランスをアジャストしたね」と、初日を振り返った。ハータ自身は、5年ぶりのALMS参戦となるが、参戦経験のあるチームメイトがいるのは心強い。また、今回のテストには、ハータ、フランキッティと共にダニカ・パトリックがドライブするとエントリー・リストに記入されている。今日はパトリックの姿を見ることができなかったが、明日走行する予定だ。