<Honda>
アメリカン・ルマン・シリーズ第8戦ロードアメリカ
■開催日 : 8月11日(土)
■開催地 : ウィスコンシン州エルクハートレイク
■サーキット : ロードアメリカ
■コース全長 : 6.5km
2007アメリカン・ルマン・シリーズ全12戦中の第8戦、ロードアメリカでの4時間に及ぶジェネラック500は中盤で雷雨により中断されるレースとなった。#9ハイクロフト・レーシング・アキュラARX-01を駆るステファン・ヨハンソン/デイビッド・ブラバム組はコース上での接触や悪天候に耐え、2台のペンスキー・ポルシェに次ぐ、LMP2クラス3位表彰台を獲得した。
金曜日の予選をLMP2クラス3位で通過したデイビッド・ブラバムは、スタート直後こそ力強い走りだったが、ガイ・スミス(ダイソン・レーシング)と接触して第8コーナーでスピンしたため、後退を余儀なくされた。最終的にブラバムは10番手から5番手まで追い上げ、ヨハンソンにハンドルを託した。かつてF1とCART双方のスターだったヨハンソンは、雷雨による50分間のイエローフラッグが掲示されるまで追撃を続けた。
レースがリスタートし、ヨハンソンは溝が彫られたレインタイヤで4位まで浮上する素晴らしい走りを見せた。しかし、ライアン・ブリスコー(ペンスキー・ポルシェ)と接触し、ヨハンソンの進撃は一時的に勢いを落とすものの、終盤でLMP2クラス3位に再浮上してブラバムに再びハンドルを託した。ブラバムはハイクロフト・レーシングチームの好調を持続させたまま、日の沈んだ中、チェッカーフラッグを受けた。ハイクロフト・レーシングはセント・ピーターズバーグとライムロックに続く、今シーズン3度目の表彰台を獲得した。
エイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス組の#15ロウズ・フェルナンデス・ローラB06/40はスタート直後の電気系トラブルから立ち直り、最高4位まで順位を上げるも、LMP2クラス6位でフィニッシュした。ディアスはレース序盤で、後続のGTセダンに接触されるアクシデントにも見舞われた。
マリーノ・フランキッティ/ブライアン・ハータ組の#26XMサテライトラジオ・アキュラARX-01はLMP2クラス7位となった。フランキッティはレース前半、LMP2クラス3番手で上位進出の可能性を秘めたレースを展開していたが、ロウズ・フェルナンデス・レーシング同様に後続のGTカーに接触されたため、アンドレッティ・グリーン・レーシングのマシンはサスペンションに問題を抱えたことにより、チームの努力が実を結ぶことはなかった。
■ハイクロフト・レーシング:LMP2クラス3位(総合5位)
デイビッド・ブラバム(David Brabham)
「レース後、ガイ(・スミス)が謝りに来てくれたことはうれしかった。我々はガイとの接触アクシデントから立ち直らなければならなかった。今日のマシンは良かった。ペンスキー・ポルシェの2台に対して何ができたのか分からないが、若いチームにとって重要な結果だった。ステファン(・ヨハンソン)も私も雨天を含むあらゆる状況下で全力を尽くした。レース終盤、いくつかのセンサーが警告を発しており、さらにタイヤ圧の低下も心配していたが、最後まで問題なかったことはチームオーナーとスタッフにとって良かった。全てがうまくいった。ベン(・デブリン)にバックセクションの高速時に接触されたが、持ちこたえてレースを続けることができた。今日はたくさんのことが起こったレースだった。」
ステファン・ヨハンソン(Stefan Johansson)
「様々なことが起こったレースだったが、再び表彰台に上がるために我々はうまく対処できた。今日起こったことは別として、結果はまさに望んでいたものだった。雨が降ることは予測できていて、無線を通してチームに判断を仰ぎ続けた。レインタイヤの準備はできていたが、交換のタイミングはそれほどよくなく、10位まで順位を下げ、そこから追い上げなければならなかった。それでも表彰台にまた上がれたことはよかった。次回以降のレースで更なる上位表彰台を目指して頑張っていきたい。」
■ロウズ・フェルナンデス・レーシング:LMP2クラス6位(総合8位)
エイドリアン・フェルナンデス(Adrian Fernandez)
「今日は大変な日だった。グリッドで電気系のトラブルに見舞われ、後方からスタートしなくてはならなかった。レースを通して、我慢を強いられる状況で走らなければならなかった。雨が降り出し、対応に追われていたが、チームは決してあきらめなかった。レース終盤、我々の無線は故障していたが、マシンの状態はよかった。私はブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)と競っていたが、フェンダーにゴムが固着し、フラットタイヤで走っているように感じたため、再びチームのバックアップが必要だった。どんなトラブルが起ころうとも、我々は決してあきらめず、強いチームであることを証明できた日だった。」
ルイス・ディアス(Luis Diaz)
「序盤から電気系のトラブルがあり、無線が使用できなくなったことも残念だった。その後、ストップ・アンド・ゴー・ペナルティーを科せられた。私はインサイドにポジションをとっていて、隣のポルシェがもう1台のポルシェに接触し、2台のポルシェに衝突された。ブレーキをかけておらず、ハンドルを切ることさえできなかった。映像で確認したかったが、何もしなかった。マシンは調子がよく、速かっただけにトラブルが続いたことは残念だった。レース序盤にトラブルが起こり、後方からスタートしなければならなかったことは不幸だった。」
■アンドレッティ・グリーン・レーシング:LMP2クラス7位(総合9位)
ブライアン・ハータ(Bryan Herta)
「雨の後、マシンに乗り込んだ際、良いタイミングでタイヤ交換を行うことができた。XMサテライトラジオ・アキュラはハンドルを握った時は悪くはなかったが、マリーノ(・フランキッティ)のレース序盤での他車との接触は、最終的に我々のレースにダメージを与えた。コーナリングがうまくいかず、ダンプトラックのようだった。基本的に、コースに順応することができなかった。完走するためにとにかくベストを尽くした。」
マリーノ・フランキッティ(Marino Franchitti)
「今日、実際には他のマシンにひけをとっていなかったが、GTカーに衝突されてステアリングに大きなダメージを受け、従来の走りはできなかった。前輪の消耗は不運だったが、そこで耐え、ダイソン・ポルシェを追い抜くことができた。雨が降り出した時には、マシンはとても速く、調子は良いと感じていたが、コースが乾くとマシンは同じコンディションではなかった。今日のマシンの調子は良かったが、衝突により本来のグリップではなかった。再び表彰台に上がる絶好のチャンスだと思っていただけに残念だ。8月26日にカナダで行われるモスポートは、北アメリカで最も好きなコースの1つであり、楽しみにしている。」