ALMS

AGRがトップを追い回すスリリングなレースを展開。B.ハータがレース後半に猛追するもあと数フィート届かず

<Honda>
■開催日 : 4月21日(土)
■開催地 : テキサス州ヒューストン
■サーキット : JAGFloスピードウエイ
■コースコンディション : ドライ

 アストロドームと美しいレリアント球場周辺に設定されたJAGFloスピードウエイにて行われた土曜日の夕方のローンスターグランプリに詰めかけた多くのファンをブライアン・ハータ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が沸かせた。
 コース幅が狭く、全長1.7マイル、10のコーナーを配したこのコースは、全12戦あるアメリカン・ルマン・シリーズの中でも最も路面が荒れていると多くのドライバーが言っている。
 アンドレッティ・グリーン・レーシングの#26 XMサテライトラジオ・アキュラARX-01aをドライブするハータは、あと少しというところで総合勝利を逃した。ハータはトップの#7ティモ・ベルンハルト/ロマン・デュラン組(ペンスキー・ポルシェ)に対し、27秒あった差をチェッカーフラッグが振り下ろされた瞬間には0.45秒まで追いつめていた。
 5番手グリッドからスタートを切った#26のアキュラARX-01aは、ハータのチームメイトであるマリーノ・フランキッティ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が激しい渋滞の中で戦い続け、58周目にハータに交替した。ハータは、素早い判断でトップグループに食い込み、ペンスキー・ポルシェとリナルド・カペリがドライブするアウディと大接戦を演じた。
 唯一の黄旗によるフルコースコーションとなった111周目、ポルシェとアウディは給油とタイヤ交換を行ったのに対して、ハータのチームクルーは給油のみのピットストップを行った。これにより、レースに復帰して渋滞の前に出たハータは、3.7秒あったトップとの差を1秒以内に縮め、ヒューストンの大観衆はハータがトップに立つことを期待して総立ちで声援を送った。
 2時間45分におよぶレースの最終ラップに入った時、ハータは、ベルンハルトがドライブするトップの#7ペンスキー・ポルシェのテールを捕らえた。しかし、順位を変えるまでには至らなかった。
 ポールポジションからスタートしたデイビッド・ブラバム(ハイクロフト・レーシング)がドライブする#9ハイクロフト・アキュラARX-01aは、序盤にトップグループで周回を重ねたが、ブラバムからステファン・ヨハンソン(ハイクロフト・レーシング)へドライバー交替したときに燃料系のトラブルが発生。修復に1分以上を要してしまい、総合5位、クラス4位にまで順位を落としてしまった。
 エイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス組(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)がドライブする#15 ロウズ・フェルナンデス・アキュラ・ローラは、7番手からスタートし、7位でゴール。ヒューストンのバンピーなコースに苦しめられたロウズのマシンだったが貴重なポイントを獲得している。

■アンドレッティ・グリーン・レーシング:LMP2クラス2位(総合2位)
ブライアン・ハータ(Bryan Herta)
「頑張ってトップに立つべくポルシェ(#7)に追いついた。でも追いつくのと抜くのは別物なんだ。マシンはとても調子良かった。最後のピットストップで僕らはタイヤを交換しなかったのだけれど、イエローラップ中に温まったタイヤにコース上のタイヤかすが付いてしまって上手くリスタートを切ることが出来なかった。最後にタイヤが元に戻った時はまるでロケットみたいだった。ミシュランタイヤは最後までグリップしてくれた。マリーノが5番手からスタートして序盤は渋滞に悩まされながら走行し、頑張って周回遅れのマシンを処理してくれた。我々にとって今日のレースは素晴らしかった。ヒューストンのレースは忘れられないものとなる」
マリーノ・フランキッティ(Marino Franchitti)
「僕らのマシンは素晴らしかった。渋滞に引っかかっている時以外は最高だった。エンジンも最高だったけれど、コースのグリップレベルは悪くないのにすごくバンピーだった。マシンの内部で体がそこら中にぶつかって、ドライバーにとって体力的にきついコースだ。渋滞を処理するのは大変で、#61と1台のパノスが目の前でスピンしたりした。途中からリズム良く自分のスティントを周回することが出来て順位を上げることが出来た。ブライアン(・ハータ)をトップ争いが出来るポジションへ押し上げたかった。ブライアンがポルシェとアウディに対して何かしてくれると思っていたし、実際にブライアンの走りはすごかった。今日のXMアキュラは本当に最高でブライアンがポルシェを追い回した。夏に向けて良いレースとなった」

■ハイクロフト・レーシング:LMP2クラス4位(総合5位)
デイビッド・ブラバム(David Brabham)
「スタートでアラン・マクニッシュ(#1 アウディ)を抑えることが出来なかった。いくつか原因が考えられるけど、僕らのタイヤは温まるまで時間がかかるのでアウディやポルシェに少し後れを取ってしまった。しかし、リズムに乗ればマシンの調子は良く、とても安定していて良い感じだった。もちろん、このコースはとてもバンピーでコーナーではマシンが不安定だった。ピットインしたときにマシンに何が起きたのか分からなかった。全て完調だったのに僕とステファン(・ヨハンソン)がドライバーチェンジしたときに何かのスイッチを切ってしまったらしい。こんなことは初めてだがドライバー交代やベルトを装着する際には起こり得る。マシンの調子が良かっただけに残念だ」
ステファン・ヨハンソン(Stefan Johansson)
「我々のピットストップでの出来事は奇妙だった。デイビッドがマシンから飛び降り、僕が飛び乗ったその時かドリンクボトルをクルーが渡してくれた際に燃料系の遮断スイッチを押してしまったらしい。だからエンジンをかけようとしてもだめだった。原因が分かったときには多くの時間を失ってしまっていた。デイビッドはトップ3のポジションをキープしながら自分のスティントをうまく走ってくれた。僕らのアキュラはとても調子良くてバンピーなコースでも速かった。あのトラブルで周回遅れとなってしまいそれを挽回することは出来なかった。それでも頑張って総合5位、クラス4位を獲得してポイントを獲得できたことは良かった」
■ロウズ・フェルナンデス・レーシング:LMP2クラス7位(総合8位)
ルイス・ディアス(Luis Diaz)
「レース序盤でのロウズ・アキュラは最高だった。しかし、#20のマシンがブロックしていたみたいで、その後ろで走行してタイムをロスしてしまった。彼はマリーノもブロックしていたのを知っている。彼のマシンを抜いたら良いタイムを刻むことが出来た。エイドリアン(・フェルナンデス)が何とか上位にマシンを運んでくれると思っていた」
エイドリアン・フェルナンデス(Adrian Fernandez)
「今回はマシンをうまくセットできず、バンピーなコースでマシンは滑り続けてしまい、グリップを得られなかった。我々のマシンはスムーズで高速タイプのヨーロッパのコースに適しているのは分かっていた。これからローラのマシンをアメリカのコースにも適したように開発を進めなくてはならない。今日は大変なレースだった」