INDY CAR

第11戦ミド-オハイオのベスト・ショット&撮影裏話!

インディカー写真
 
今シーズン2度目となる常設ロード・コースでの開催となったミド−オハイオ・スポーツカー・コース。今年のインディ・ジャパンがロード・コースでの開催となっただけに、レースを予想するといった意味でも重要な一戦となりましたね。
 
レース内容に関してはみなさんもご存知のとおり、スコット・ディクソンがレースを独走し、まさにひとり相撲といった感じで今季初優勝を飾りました。チームメートのダリオ・フランキッティの活躍が目立っていた今シーズン、今回のディクソンは不運な展開に遭うこともなく、やっと本来の実力を発揮できたレースだったのではないでしょうか。
 
一方、予選9位からスタートした佐藤琢磨は、安定した走りで2度目のコーション時に6番手まで浮上し、リスタートではさらに4番手へとポジションアップ。前を走行するライアン・ハンター−レイさえパスすれば、初表彰台というレース内容には興奮しましたね。
 
最終的に、みごと自身最高位となる4位でフィニッシュしてくれましたが、うれしい反面、実は今年のミド−オハイオは、撮影している僕らにとって少しばかりハードな状況になっていたのです。
 
通常はレースが終了すると、ほとんどの場合ウィナーがマシンとともに表彰台までやってきて、ドライバーがマシンから飛び出すと同時に、紙吹雪がゴーっという音とともに表彰台を舞ってセレモニー開始。これはもうお決まりのパターンになっていてね、今年のウィル・パワーなんかは優勝すると、マシンのサイドポットからジャンプするのが恒例の儀式となっていますよ。
 
みなさんもそのシーンを何度か見たことはあると思いますが、この時2位から5位フィニッシュまでのドライバーはどうしているかというと、それぞれのピットには戻らず、車検やインタビューをする関係でピットエンドから順番にマシンをピットロードに停めることになっているのです。
 
開幕戦のセント・ピーターズバーグではそのことを知らなかったので、琢磨が5位でフィニッシュしたときにチームのピットで待機していたらね、琢磨のマシンが目の前を通過! そのままピットエンドまで行っちゃったから、慌てて追いかけていって息を切らせながら撮影したのでした。それ以来、もし琢磨がトップ5でフィニッシュしたら、ピットエンドで待てばいいんだなってことで、肝に銘じたわけです。
 
昨年までのミド−オハイオのこぢんまりとした表彰台は、ピットエンド方向のピットのすぐ脇にありました。琢磨がトップ5フィニッシュした場合、その表情を撮影した後に行っても十分表彰式の撮影に間に合う場所で、特に心配はいらないなと。それが今年は表彰台がフィニッシュ・ラインのあるフロント・ストレートを挟んで、反対側に設置されることになったのです。
 
それを決勝レース当日に知らされたもんだから、さあ大変。琢磨がトップ5以内でフィニッシュした場合、レース終了後にフロントストレートを横断できなければ、表彰台の撮影が間に合わなくなるとなったわけです。でも、そういう時にかぎって的中するもので、琢磨が自己最高位の4位でフィニッシュしたじゃないですか!
 
早速ピット・エンドに到着した琢磨を撮影し、そろそろフロント・ストレートをまたぐ橋を渡って表彰台に行かないとまずいなと思い始めていたら、なんとオフィシャルがフロント・ストレートを開放。いつの間にかコースを横断できるようになり、橋を渡って大回りする必要がなくなっていたのです。
 
これ幸いと表彰式のセレモニーが始まるぎりぎりまで琢磨を撮影することができ、3位になったハンター−レイがコースを横切って表彰台に向かおうとしているのを発見。僕も慌てて追いかけていって表彰式を撮影し、なんとか事なきを得たのでした。
 
今回のベストショットに選んだ写真は、ターン7の内側に生えている二本の大きな木の陰から撮影したものです。確か2年前も同じ場所で撮影したディクソンの写真を選んだような気がしますが、まあ、一年おきに優勝しているディクソンということで、再来年もぜひ撮りたいものですね。本人は来年も、と言ってましたけど!
 
Photo & Text by Hiroyuki Saito
 
※第11戦Pick the Winnerのプレゼントはこちらの写真となります。
 
●撮影データ
機種: Canon EOS-1Ds Mark ?
レンズ: Canon EF 16-35mm f/2.8 L IS USM
撮影モード: マニュアル露出
シャッタースピード: 1/60
絞り値: F11
測光方式: 評価測光
ISO感度: 50
焦点距離: 16.0mm
オートフォーカスモード: AIサーボAF
ホワイトバランス: オート