<Honda>
2011年6月24日(金)
予選
会場:アイオワ・スピードウェイ
天候:晴れ
気温:25℃
IZODインディカー・シリーズは今週末の第8戦、アイオワ州デ・モイン郊外にある全長0.894マイルのアイオワ・スピードウェイで行われるアイオワ・コーン・インディ250が今シーズンの折り返し点となります。
決勝レースは土曜の夜。金曜日は1時間15分間のプラクティスで始まり、次に予選が行われました。このプラクティス1回目にトップタイムをマークしたのはダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)で、2番手につけたのは佐藤琢磨(KV Racing Technology-Lotus)、3番手はスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)でした。佐藤はプラクティス終了間際に2セットのフレッシュタイヤを投入し、予選のシミュレーションを重ねました。
佐藤とKV Racing Technology-Lotusの今回の予選にかける意気込みは、予選シミュレーションに1セットではなく、2セットのタイヤを投入したことが示している通り、とても強いものでした。しかも、佐藤のアタック順はクジ引きにより21番手と決まっていました。遅い順番のアタックは、チームメートから情報提供を受けられるメリットがあります。
予選が夕方4時過ぎに始まると、チームメートのトニー・カナーン(KV Racing Technology-Lotus)は2番目のアタッカーとしてコースイン。2ラップ平均を時速179.833マイルとしてトップに立ちました。カナーンは走行を終えるとすぐさま佐藤琢磨のピットに向かい、路面コンディションなどをアドバイスしました。
カナーンのタイムを上回る者が出ないまま佐藤のアタック順は回ってきました。佐藤はアウトラップ、さらにはウオームアップラップでも思い切りスピードを乗せていき、その結果、計測1周目から180マイル台をマークしました。その上、2周目にわずかながらスピードを伸ばし、平均時速180.375マイルという記録でトップに躍り出ました。
この後、ダニカ・パトリック(Andretti Autosport)がカナーンを上回るタイムによって予選2番手を獲得しました。エリオ・カストロネベス(Team Penske)はウオームアップラップは速かったのですが、計測2周でタイムが悪く、ポイントリーダーのウィル・パワー(Team Penske)も5番手につけるのがやっとで、佐藤のキャリア初ポールポジション獲得が決定しました。
このポールポジションはKV Racing Technology-Lotusにとっては通算3回目で、IZODインディカー・シリーズでは初めてとなります。日本人ドライバーとしては、1990年にヒロ松下が初めてCARTインディカー・ワールド・シリーズに出場して以来、22年目にして初めてアメリカン・トップ・オープン・ホイールでポールポジション獲得を達成しました。また、今までのインディカー・シリーズにおける日本人予選最高位は、2004年第10戦ミシガンで松浦孝亮が記録した2番手。決勝最高位は2008年第8戦アイオワで武藤英紀が記録した2位となっています。
<コメント>
佐藤琢磨(ポールポジション)
「初めてのポールポジションはすごくうれしいです。チームにありがとうと言いたいです。ここまで支えてきてくれているファン、スポンサーの方々にも感謝しています。昨年もアイオワではよいパフォーマンスを見せることができていましたから、今年も競争力のあるマシンでレースに臨めると考えていました。プラクティスではニュータイヤを3セット使って集中してクルマを作り、予選ではベストの走りができました。自分のキャリアにとってもうれしいポールですが、これまでにたくさんの日本人の先輩たちが挑戦してきて、今回こうしてインディカー・シリーズで一歩前へと進むことができたので、日本のモータースポーツ界にとっても貢献できたのかな、と思います。予選も大切だと考えて集中してやってきましたが、決勝の方が重要です。この後のプラクティスでレース用のマシンセッティングをよいものに仕上げ、明日のレースを力強く戦いたいと思います」
ダニカ・パトリック(2番手)
「予選でフロントローにグリッドを確保できました。これは本当にうれしいことです。チームにとっても、スポンサーにとってもすばらしい予選結果です。明日は十分な戦闘力を持ってレースを戦えることでしょう。アイオワ・スピードウェイのようなショートトラックでは、スターティンググリッドが前にあることはとても重要です。後方グリッドでは周回遅れに陥る危険性も高まります。フロントローからのスタートは久しぶりです。明日のレースを最前列からスタートできることは、とても気分のよいことです」
トニー・カナーン(3番手)
「予選での我々の走りは悪くないものだったと思います。アイオワのコースはいつ走っても本当にチャレンジのしがいがあり、予選で上位のグリッドを確保することは、決勝レースでの大きなアドバンテージになります。私は今日の予選で2番目のアタッカーで、自分のカーナンバーがずっとトップにありました。それが下がるのを見るのは決してうれしいことではありません。それを受け入れられるのは、チームメートがその座を奪った時だけです。私は琢磨のキャリア初ポールを誇りに思います。そしてKV Racing Technology-Lotus全体にとって、このポールは誇るべきものです」
ロジャー・グリフィス|HPDテクニカル・ディレクター
「非常にハイレベルでエキサイティングな予選でした。最初にアタックしたスコット・ディクソンはオーバーステアが大き過ぎるマシンとなっていて、クラッシュしそうなほどでした。アクセルを戻す音が聞こえました。路面のコンディションが悪いのかとも考えましたが、すぐ後にアタックしたトニー・カナーンが見事なタイムをマークしました。そして、カナーンのチームメートの佐藤琢磨がポールポジションを獲得しました。彼のキャリアで初めて、そして日本人ドライバーとしても初めてのポールポジションです。彼のオーバルへの順応はすばらしく、2シーズン目の今年はパフォーマンスがどんどん向上しています。明日のレースもトップグループで戦ってくれることでしょう。
今日の予選ではダニカ・パトリックも2番手というすばらしい結果を残しました。彼女はオーバルコースで求められる繊細なドライビングをマスターしています。彼女の活躍もインディカー・シリーズにとってはすばらしいことです。明日のレースは満員のファンの前で白熱した戦いになることを期待しています」
<予選リザルト>
順位 No. ドライバー チーム C/E/T タイム
1 5 佐藤琢磨 KV Racing Technology-Lotus D/H/F 00:35.6857
2 7 ダニカ・パトリック Andretti Autosport D/H/F 00:35.7184
3 82 トニー・カナーン KV Racing Technology-Lotus D/H/F 00:35.7932
4 4 J.R.ヒルデブランド Panther Racing D/H/F 00:35.8458
5 12 ウィル・パワー Team Penske D/H/F 00:35.8648
6 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing D/H/F 00:35.8649
7 06 ジェームズ・ヒンチクリフ Newman Haas Racing D/H/F 00:35.8825
8 28 ライアン・ハンターレイ Andretti Autosport D/H/F 00:35.8986
9 27 マイク・コンウェイ Andretti Autosport D/H/F 00:35.9226
10 6 ライアン・ブリスコー Team Penske D/H/F 00:36.0058
11 2 オリオール・セルビア Newman Haas Racing D/H/F 00:36.0116
12 22 ジャスティン・ウィルソン Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 00:36.0340
13 3 エリオ・カストロネベス Team Penske D/H/F 00:36.0464
14 67 エド・カーペンター Sarah Fisher Racing D/H/F 00:36.0584
15 77 アレックス・タグリアーニ Sam Schmidt Motorsports D/H/F 00:36.0754
16 14 ヴィットール・メイラ A.J. Foyt Enterprises D/H/F 00:36.0878
17 26 マルコ・アンドレッティ Andretti Autosport D/H/F 00:36.1284
18 24 アナ・ベアトリス Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 00:36.1981
19 59 E.J.ヴィソ KV Racing Technology-Lotus D/H/F 00:36.2270
20 38 グラハム・レイホール Chip Ganassi Racing D/H/F 00:36.2619
21 83 チャーリー・キンボール Chip Ganassi Racing D/H/F 00:36.3086
22 19 アレックス・ロイド Dale Coyne Racing D/H/F 00:36.3133
23 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing D/H/F 00:36.6177
24 18 ジェームズ・ジェイクス Dale Coyne Racing D/H/F 00:37.1287
25 34 セバスチャン・サーベドラ Conquest Racing D/H/F –
26 78 シモーナ・デ・シルベストロ HVM Racing D/H/F –
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