<Honda>
2011年4月9日(土)
予選
会場:バーバー・モータースポーツパーク
天候:曇りのち晴れ
気温:25〜27℃
アメリカの南部アラバマ州バーミンガム郊外に造られた美しい常設ロードコース、バーバー・モータースポーツパークでインディカー・レースが開催されるのは、昨年に続いて今年が2回目となる。
アラバマ州に工場を構えるHondaは、今年からこのレースのタイトルスポンサーとなった。昨年初めて行われたオープンホイールマシンでのレースはアメリカ南部のファンにも歓迎されており、今年の予選は土曜日の午前9時25分からという早さだったが、大勢のファンが詰めかけてインディカー・ドライバーたちによる激しいタイムアタックに見入っていた。走行初日の金曜日には雨も降ったが、プラクティスと予選が行われた土曜日は、曇り空から青空へと天候は好転した。
開幕戦よりも1台増えた26台が、Hondaインディ・グランプリ・オブ・アラバマにエントリーした。3段階で争われた予選で最速ラップタイムとなる1分11秒4546(平均時速115.878マイル)を叩き出し、2位に0.2815秒もの差をつけてポールポジションを獲得したのは、第1戦セント・ピーターズバーグと同じくウィル・パワー(Team Penske)だった。パワーにとって開幕から2戦連続、そして、バーバー・モータースポーツパークにおける2年連続のポールポジション獲得、そしてキャリア18回目のポールポジションとなった。
予選2番手はライアン・ブリスコー(Team Penske)で、Team Penskeによるフロントロー独占が達成された。予選直前のプラクティスでトップだったスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は3番手。狙っていたポールは逃したが、Team Penskeの予選1-2-3フィニッシュは阻んだ。エリオ・カストロネベス(Team Penske)は4番手だった。
ジャスティン・ウィルソン(Dreyer & Reinbold Racing)とオリオール・セルビア(Newman Haas Racing)も予選でトップ6に食い込み、最終ステージを戦った。結果はウィルソンが5番手、セルビアが6番手。開幕戦ウイナーのダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)は予選の第2ステージで7番手となり、最終ステージ進出を果たせなかった。最終ラップでセルビアが自己ベストを更新して6番手のタイムを記録し、フランキッティを弾き出したためである。
佐藤琢磨(KV Racing Technology-Lotus)は、3回行われたプラクティスで着実にラップタイムを短縮し、予選を迎えた。第1ステージの第2グループに出場した佐藤は、6位で第2ステージへと進出。昨年は最終ステージまで駒を進めた佐藤だが、第2ステージではさらに自己ベストを1分12秒1667まで短縮したものの予選11番手で最終ステージを走ることはできなかった。KV Racing Technology-Lotusは苦戦しており、E.J.ヴィソは予選18番手、開幕戦3位のトニー・カナーンは予選24番手だった。
明日、午前中にウオームアップセッションが30分間行われ、シリーズ第2戦の決勝レースは午後2時45分にスタートが切られる。
<コメント>
ウィル・パワー(ポールポジション)
「このコースではマシンのバランスを取るのが本当に難しい。予選の第1ステージでは、まだマシンのセッティングはよくなかった。しかし、最終ステージではマシンの状態がとてもよくなっていた。ポールポジションを取れてとてもうれしい。オーバーテイクの難しいコースで、フルコースコーションも少ない場合が考えられるため、予選の順位はとても重要だと考えていた。このコースはストレートが短いため、前を行くマシンに並びかけるのが大変だ。絶対に不可能ではないが、非常に難しい」
ライアン・ブリスコー(2番手)
「今週のマシンは、ハンドリングがすばらしい上に、カラーリングも気に入っている。走り始めからマシンの状態は非常によく、そこからコンディションに合わせたチューニングを施した。小さな調整だけしか行っていない。それだけマシンが安定しているということだ。ポールポジションを獲得したいところだったが、予選2番手ならフロントロースタートができるのだからハッピーだ。セント・ピーターズバーグでは、スタートでアクシデントに巻き込まれてしまったので、私にとっては今回が開幕戦のように感じている。明日はぜひともいいレースを戦いたい」
スコット・ディクソン(3番手)
「非常に悔しいことだが、今日の我々のマシンは本当にフィーリングがよかったが、最も大事な予選の最終ステージでのみ、それがわずかに悪化してしまった。マシンのバランスが、少しだが崩れ始めていたらしく、再アタックへとコースインしたらハンドリングがオーバーステアに変わっていた。コーナーへ鋭く突っ込み、通過スピードを高く保ち、コーナーをクリアしていくことができなかった。しかし、我々はマシンの仕上がり具合に関してはとても強い手応えを持っているので、決勝レースで頑張りたい」
佐藤琢磨(11番手)
「オフの間に行われたテストと、今週末のプラクティスでクルマを作ってきました。マシンのバランスは何とかよくできたのですが、グリップが十分に得られていませんでした。予選の第1ラウンド通過はギリギリでしたが、第2ラウンドに向けて小さくセッティングを変更した結果、感触が少しよくなりました。自分たちなりに攻めた戦いはできたのですが、周りと比べてラップタイムの縮まり具合が少なかったです。3回のプラクティスと予選、ここまでのデータを基に、明日の決勝を戦うマシンを競争力のあるものに仕上げたいと思います」
ロジャー・グリフィス|HPDテクニカルディレクター
「朝早くに行われた予選でしたが、とても多くのファンが集まってくれました。予選も非常にエキサイティングなものになっていました。パワーがすばらしい速さを今回も見せてポールポジションを2戦連続で獲得し、その一方、開幕戦で優勝したフランキッティは予選の最終ステージ進出ができませんでした。セルビアとNewman Haas Racingが奮闘を見せ、予選6番手に食い込んだことは称賛に値すると思います。ウィルソンも予選5番手に入りました。予選までを見る限り、ラップタイムが昨年より遅いのですが、それは主に路面のコンディションが影響したものだと思います。Honda Indy V8エンジンのパワーは昨年と同じですし、空力セッティングも大きく変わってはいません。そして、このコンディションに最もマシンをマッチさせ、速さを獲得しているのがTeam Penskeのようです。いよいよ明日、常設ロードコースでの今シーズン最初の決勝レースが繰り広げられます。レースが激しいものになることは間違いありません。非常に楽しみです」
<予選リザルト>
順位 No. ドライバー チーム C/E/T タイム
1 12 ウィル・パワー Team Penske D/H/F 1:11.4546
2 6 ライアン・ブリスコー Team Penske D/H/F 1:11.7361
3 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing D/H/F 1:11.8826
4 3 エリオ・カストロネベス Team Penske D/H/F 1:12.1247
5 22 ジャスティン・ウィルソン Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 1:12.3085
6 2 オリオール・セルビア Newman Haas Racing D/H/F 1:12.4394
7 10 ダリオ・フランキッティ Chip Ganassi Racing D/H/F 1:11.7090
8 06 ジェームズ・ヒンチクリフ Newman Haas Racing D/H/F 1:11.8183
9 26 マルコ・アンドレッティ Andretti Autosport D/H/F 1:11.8672
10 38 グラハム・レイホール Service Central Chip Ganassi Racing D/H/F 1:11.9712
11 5 佐藤琢磨 KV Racing Technology-Lotus D/H/F 1:12.1667
12 77 アレックス・タグリアーニ Sam Schmidt Motorsports D/H/F 1:12.3485
13 78 シモーナ・デ・シルベストロ HVM Racing D/H/F 1:12.2559
14 17 ラファエル・マトス AFS Racing D/H/F 1:12.4094
15 4 J.R.ヒルデブランド Panther Racing D/H/F 1:12.2684
16 27 マイク・コンウェイ Andretti Autosport D/H/F 1:12.5191
17 28 ライアン・ハンターレイ Andretti Autosport D/H/F 1:12.3370
18 59 E.J.ヴィソ KV Racing Technology-Lotus D/H/F 1:12.6582
19 14 ヴィットール・メイラ A.J. Foyt Enterprises D/H/F 1:12.5677
20 19 セバスチャン・ブルデー Dale Coyne Racing D/H/F 1:12.6896
21 83 チャーリー・キンボール Novo Nordisk Chip Ganassi Racing D/H/F 1:12.5857
22 7 ダニカ・パトリック Andretti Autosport D/H/F 1:12.7257
23 24 シモン・パゲノー Dreyer & Reinbold Racing D/H/F 1:12.5900
24 82 トニー・カナーン KV Racing Technology-Lotus D/H/F 1:12.8892
25 18 ジェームズ・ジェイクス Dale Coyne Racing D/H/F 1:12.7147
26 34 セバスチャン・サーベドラ Conquest Racing D/H/F 1:13.0858