KVレーシングのオーナーの一人、ジミー・バッサーは1996年のCART/インディカーのチャンピオン。もちろん速かったのですが、どちらかというとドライビングスタイルはステディで、セットアップの上手なドライバーだったように思います。後に彼と組んだ若くて速いドライバーが驚くほどの突進力を発揮したこと、どのチームに移籍しても彼が加入するとチームは必ず上向きになり、下位チームでさえ勝ちを狙えることもあったことが、そのように感じる要因です。個人的には日本のレースでいう服部尚貴選手のようなイメージです。
そんな堅実派のドライバーだった彼ですが、オーナーとしてのドライバーチョイスは、驚きの攻撃派ドライバー勢揃い。アグレッシブな佐藤選手を獲得したのを始めに、GAORAで「ノドン・テポドン」とさえ言われたE.J.ヴィソ、マリオ・モラエスを揃えました。「あなた(バッサー)も乗らないと、彼らが実力を発揮できないんじゃない?」と思ったものです。もちろん、佐藤選手がKVに加入した時の写真を見て、バッサーがもうコックピットに収まる感じではないことは分かったんですけどね。昔はケビン・コスナーばりの、渋い系のイケメンさんだったのですよ。
さてインディ500では、KVレーシングに暴れん坊ポール・トレーシーが加入して、4台体制になるかも? との噂もあります。どんだけ暴れ回るドライバーが好きなんだ(笑)。まぁ、ポール兄貴は、アグレッシブですがレースをまとめられるドライバーだし、500に出なければならないドライバーなので大歓迎ではあります。
さて開幕2戦を終えて、KVレーシングではE.J.ヴィソ選手が意外な安定感を見せているように思います。もともと速さがあったので、ひょっとすると化けるのかも? それから次戦のロードコースこそ佐藤選手に期待ですね!
おっと、危うく書き忘れるところでしたが、4コマに登場のオリオール・セルビア選手はロベルト・モレノ的な助っ人ドライバーで、いつもシートがないのですが、スポットで乗った時には驚くべき力を発揮するドライバーです。今年もシートがないにもかかわらず例年よりも話題に上らないのは、少し残念ではありますが、若手やインディ転向してくるドライバーが増えたのだと思っています。
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4コマの内容はフィクションです。
登場する団体・人物等は実際とは異なります。
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Illustration & TEXT by アラブルカ